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婚活の実態

 以前,ある自治体から婚活者に対する講演依頼を受けていたのですが,諸事情により講演できなくなりました。話そうと考えていた内容は以下です。

1. 結婚の時代的変遷
2. 婚活の実態

 上記の話のうち,今回は2についての記事です。講演の際に使用予定であった資料をもとに文章化しました。

婚活とは?婚活の定義

 山田・白河(2008)によると,婚活(結婚活動)とは「よりよい結婚を目指して,合コンや見合い,自分磨きなど,積極的に活動すること」を指します。ただし,日本では「恋人=結婚」という意識が強いため,恋人を求めることも結婚の前段階と捉えることができ,恋人を得ることを目的にした活動(恋活)も婚活であるとされます(山田・白河,2013)。ですので,婚活とは「交際相手と出会うため,あるいは,出会った際に交際へとつながりやすくするために,積極的に活動すること」と定義できます。

 ちなみに,「婚活って就活みたいですよね」とよく言われますが,そもそも婚活という言葉は就活のアナロジーとして作られています。結婚するには,就活のように積極的に活動しないといけない,つまり待っていても結婚できないので,その意識を改革することを意図して結婚活動(婚活)という言葉が2008年頃に作られました。ですので,「婚活が就活みたい」なのはある意味当然なのですが,割と最近できた言葉であるにもかかわらず,就活のアナロジーとしての婚活があまり知られていないという点は面白いなと思います。

婚活経験者の割合

 「婚活」は比較的最近(ここ10年)台頭してきた活動ですが,その経験者はどのくらいいるのでしょうか。明示安田総合研究所(2014)によると,男性回答者のうち婚活をしたことがある人は,20代で2割,30代で3割,40代で4割でした。一方,女性回答者のうち婚活をしたことがある人は,20代で4割,30代で5割強,40代で4割強でした。男性よりも女性の方が婚活の経験率は高いことが示されています。ちなみに,ここでの婚活は回答者それぞれが思う婚活ですので,どちらかというと交際相手と出会うための活動という風に捉えられているのではないかと思います(つまり,自分磨きなどはあまり含まれていない)。

図1

図1. 婚活経験の有無(明示安田総合研究所,2014)

 明示安田総合研究所はその後も同様の調査を実施しており,同調査でも経験率が示されています(明示安田総合研究所,2016)。その結果は,男性の経験率はほぼ変わらない一方,女性の経験率は若干減少していました。これを踏まえると,男性はだいたい2割〜4割,女性はだいたい3割〜4割くらいの人が婚活経験があると考えられます。

図2

図2. 婚活経験の有無(明示安田総合研究所,2016)

 ちなみに,明示安田総合研究所(2014)では,直近1年間の婚活経験も尋ねているのですが,その経験率はかなり落ちます(図1参照)。たとえば,40代女性は44%(経験)→5.8%(直近1年間)というように婚活している人は1割未満になります。経験率で言えば4割くらいの人は婚活経験者ですが,現在進行形で婚活をしている人は1割~2割(多めに見積もって3割)くらいなのかもしれません。それを踏まえると,逆説的ですが,婚活をしていない人といかに出会うかというのが婚活の鍵になると言えます。


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