YOIってピンポンだったんだ。
遅ればせのユーリ!on ICE参戦組として、完全な出遅れ語りをしているわけですが、2周目を見ながら『なんだろう、この感じって私どこかで経験ある、でもなんだか思い出せない』というモヤモヤを感じ続けていた。
pixivで腐った小説やらイラストも一通りみてから3周目に突入して、ようやくはたと思い出したのですが、そうか、この感じ、ピンポンに似てるんだ!
ピンポンは松本大洋の同名漫画の映画化で、スコセッシの沈黙で久々に表舞台に出てきた窪塚洋介の若かりし頃のヒット作。脚本はクドカンで、2002年公開だからもう15年も前の作品ということになる。まさに光陰矢の如し。
別に筋書きやキャラがかぶっているわけではないのだが、あのピンポンという作品も、マイナースポーツに青春をぶつける男の子たちの姿を描いた群像劇で、かつ天才卓球プレイヤーと幼馴染で遅咲きの天才プレイヤーの、なんとも名付けられないような関係性を描いた作品だった。
YOIはざっくり言うと、絶対王者のヴィクトルが、スケート人生を諦めかけていた勇利のコーチをやりながら彼を自立させ高みに引き上げ、その一方で強くなっていく勇利と彼の『L』を通じて、自身のスケーターとしてのモチベーションを取り戻していくっていうストーリーなんだけど、この「引っ張ってもらっていたはずの子がいつの間にか強くなっていて、今度は引っ張ってくれた人をさらなる高みへ呼び戻す」っていう展開、まさにピンポンじゃん…!
そこに、幼い頃からの憧れとか依存とか自立とかそういう少しややこしい感情が絡み合って、最後にそのスポーツを通じた「愛」としか呼びようのないような関係で主人公たちが結ばれるまでの軌跡の美しさとか儚さが、YOIの世界とシンクロしてるよなぁーと思った。
主人公たちを支える周囲の大人や、一癖も二癖もある魅力的なライバルたちのキャラクターの存在とか、そういうものが作品をより魅力的にしている点でも似てると思う。ああ、思い出せてスッキリした!
せっかくだから久々にピンポンも見ようっと。この作品の頃には線の細い若者だったARATAさん、どうしてるのかなと検索してみたら、すっかりシブい大人の役者さんになっておられた。美しい顔の青年は、美しい顔のおじさんになるんだな…このまま美しい顔のおじいさんになりそう。強い。
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