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夏の伊予旅2日目…内子座文楽

さて、夏の伊予旅2日目は、旅の目的である内子座文楽を観に行くため、朝早くから松山駅へ。特急宇和海というのに乗ったんですけど、この宇和海が出るホームっていうのが複雑で、別のとこに行く特急と縦列駐車みたいな形でホーム共有するんで、ちょっと混乱します。ホームの案内もわかりづらいので、宇和海は改札から遠い方、と覚えとけばいいかも。

前日に駅で聞いたら「一応、自由席車両増やしてますが…」といかにも混んでる風な説明だったので、念のため指定のチケットとっといたんだけど、私の目の前の席から自由席だったよ…一つの車両の中で、背もたれシートのカバーの色で自由席と指定席わける感じなんですね。ぜんぜん時間も座席も余裕だったんで、次からは指定席とらなくていいや。車両は三両あったかな?おそらく文楽にあわせて一両多くしてるんだと思います。

車窓からの眺めはこんな感じ。このルートはトンネル多し。

ちなみに、安くいきたければ予讃線で1時間ちょいかな。帰りはローカル線使ったんですけど、ぜんぜん混んでないし大して長い距離でもないですから、時間があればこっちでのんびり行くのがいいと思います。

内子の駅はこんな感じで小さく、コインロッカーも10個ぐらいしかないですが、写真の左手に移ってる案内所で手荷物預かりしてくれます。一つ200円だからコインロッカー(300円)より安い。ただし夕方5時までなので注意。

駅周辺は店も人気もなく、ロータリーに汽車が展示してあるばかりで多少不安になりますが、歴史的地区を目指して10分ほど歩きます。

途中に天理教の立派な教会があった。

さて、お昼少し前に内子に着いたので、午前中のお客さんが出てきて混む前に腹ごしらえをしてしまおう。というわけで、登録有形文化財の「下芳我邸」を改築したレストランでランチにしました。

数量限定という言葉につられて、地域食材をふんだんに使った「うちこの膳」というのを選んじゃったんですけどなかなかのボリューム!朝ごはんちゃんと食べてなかったんで完食できましたが、女性は一番人気の「野あそび弁当」ぐらいがちょうどいいかも。

蕎麦はあったかいのと冷たいのが選べます。単品料理もあります。蕎麦と日本酒の利き酒セット注文してた人もいて、ちょっといいなと思ったんだけど、肝心の文楽で寝ちゃうと勿体無いからお酒は我慢。お料理はとても美味しかったです。いろんな種類のお野菜食べられたし、デザートも、小さいけどフルーツヨーグルト、コーヒーゼリー、ココア味のムースケーキの3種類付き。

あと、この店は2階がギャラリーになってるので、時間があればのぞいてみましょう。

和紙のグッズが多かったかなー。あと、トイレにも是非!手洗いのとこに素敵な陶器のボウルが使われてて、大正レトロって感じです。

トイレに行く中庭のとこ。食事が終わった段階で、文楽始まるまでに観光出来そうな残り時間が1時間半ぐらいって感じだったんですが、終演後はどの施設も閉まっちゃってるので、サクサクっと見所を回ることにして、歴史的街並みの保存地区へ向かいました。

内子座の位置を一応確認して、地域物産の出店でちょこっとお土産も物色してから出発。

午前の部のお客さんが出てくる前にパチリ。

歴史的街並みの保存地区までは、内子座から歩いて12〜3分って感じでしょうか。ほんと日傘に感謝、という暑さで、上り坂を見たときはもうおとなしく喫茶店でも入ってようかとも思いましたが、せっかくなのでテクテク。

なんかめっちゃ酢卵推してる店。

干しトウモロコシ売ってました。ポップコーンにどうぞ、と。綺麗な色だなぁー。

歴史的建物保存地区の入り口。緩やかな上り坂が続きます。盆地パワーにより真昼の暑さ半端ないです。

とにかく遠くから攻めようと思って、この街並みの外れのとこにある、木蝋美術館を目指しました。昼ごはんを食べたのは下芳我邸でしたが、木蝋美資料館は上芳我邸を改築したもの。途中の道には中芳我邸もあります。要するにどれも同じ芳我家という商家のお屋敷なんですね。

他にもこの道沿いにはお屋敷や町家が残っていて、リノベーションして喫茶店や無料休憩所になってる町家もあります。

暗くなっちゃったけどこの格子は朱塗りなんですよー。

で、坂の一番上にあるのが重要文化財 上芳我家住宅 兼 木蝋資料館です。こんな山奥の小さな町にどうしてこんな立派なお屋敷がいくつも立つほどのお金があったのか?という謎がこの木蝋資料館を見学すると解けるんですねぇー。

まずは手前の建物の中を見学。入り口で想像するよりも、ずっと広い建物です。

中庭をめぐる廊下の格子も朱塗り。いっぱいお部屋もトイレもあって、迷子になりそう。

欄間の細工も素敵です。

三階まで上って、いやー広かった、と一息ついてたら、庭の向こうの資料館もどうぞご覧くださいといわれ、まだまだこれが触りだったことを知る。資料館のメインの建物はこんな感じです。

裏庭こんなに広いと思わなかった!昔はこの裏庭が、木蝋づくりの作業場だったんですね。

資料館もなかなか立派です。道具やミニチュア置いてあるだけじゃなくてオーディオビジュアルを駆使した展示。侮ることなかれ。

ミニチュアで作業場の様子を再現。

ロウを入れる器だそうです。綺麗。

この地はなんと、明治の頃には国内最大規模の蝋燭生産地だったそつで、パリの万博にも出品してるんですよね。立派な漆塗りの展示ケースは当時のもの。

現在のお金で年商が億単位みたいな稼ぎがあって、こーんな贅沢な暮らしをしてたらしいです。真ん中にある料理は伊予名物の鯛そうめんっぽいですね。この蝋燭生産と、次は生糸産業が栄えた豊かな町だったので、内子座みたいな劇場も作れたんですねぇ。なるほど。

中庭に面するかつての仕事小屋にはカフェもあります。お屋敷の庭でとれた梅を使ったという梅ソーダをいただきました。

400円。暑かったので染み渡りました。もっとゆっくりしたかったんだけど、肝心の文楽の時間ギリギリになってきちゃったので、ちょっと慌ただしく出て、町に一軒だけ残る手作りの和ろうそくやさんを訪ねます。

こちらが大森和蝋燭店。毎日ではないらしいですが、6代目の実演も見られます。45度ぐらいに温めたロウを手でこねて塗りつけていく作業です。

大きなのは持って帰れないので、1時間ぐらいもつというミニサイズの和蝋燭と、蝋燭立て、火消し鋏を買いました。

家に帰ってつけてみたけど、こんな感じです。もうちょい芯を短くしたら可愛い炎になるのかな。結構勢いよく燃えて焦りました。

和蝋燭はじめて買ったけど、臭くないのがいいですね。キャンドルナイトやるとき使おう。

さて、ここもあまりのんびりしてられないので、大急ぎで内子座へ。すでに入場始まってました。入り口のところで下足袋を渡されて靴持って入る形ですが、手荷物預かりもしてくれます。暑いの覚悟して行ったんですが、なんとクーラーついてた。驚き。

私は一階の椅子席のほぼ一番後ろだったのですが、なんせ小さい小屋なので近い近い!しかも花道寄りの席にしたので、床が正面で、国立劇場で聴き損ねた呂太夫さんの襲名の口上をアットホームな雰囲気で楽しむことができました。満足!

今回の演目は蘆屋道満大内鑑陰陽師のマンガなどですっかりメジャーになった安倍晴明の出世にまつわる伝説を舞台にしたもので、キツネが化けた『葛の葉』の子別れを中心とするストーリーです。

照明に和蝋燭を使ってたり、狐に戻った葛の葉の登場シーンで花道使ったり(手持ちの和蝋燭の灯りに先導される、和生さん演じる葛の葉がほんとに目の前を通って、私ミーハーなのでドキドキしちゃいましたよ…!)、この小屋ならではの演出で観られるので、普段の国立劇場では味わえない雰囲気が楽しめます。休憩時間には団扇やタオルのグッズ販売も。お祭り感あって楽しいです。

この町での文楽公演が定着するまではいろんな紆余曲折もあったらしいですが、ほんとにここで観られる形を作り上げてくださった皆さんに感謝。

やっぱり小さな芝居小屋はいいですよ!遠いけど、これは癖になりそうだなぁー。内子の宿は満杯でどこもとれなかったんすけど、だいたいの距離感とかワンマン電車の乗り方もわかったので、もう次に来るときはサクサク来て宇和島も回ったりできると思う。

終演後は、電車の時間があるので大急ぎでしたが、とっても気に入ったこのじゃからサイダーは忘れずもう一本買って帰りました。

じゃばら、という特産の柑橘類を使ったサイダーで、ライムっぽい少しほろ苦さのある味がスッキリして美味しい!重いからダースでは買えないな…と思ったら通販あったので早速申し込みましたー。

なんでも、花粉症にも効果があるんだとか。私はそんなに酷くないので効果のレポはできませんが、でも単純に美味しいです。ウォッカとかジンのわりものにしてもよさそう。

松山へと戻る他のお客さんを尻目に、私はひとり、反対向きのローカル線に乗って、伊予大洲へ向かいました。

ほんとは、松山からこの伊予大洲に向かう、JRのお食事つき列車『伊予灘ものがたり』ってのに乗りたかったんですよー。朝一番のごはんつき列車に乗って海沿いの風景を楽しんで、あと長浜大橋でみて帰ればいいかなぁって。

でも、座席の予約かすりもしなかったんで諦めて、いったん諦めてから「いやでも、だったら松山まで戻らずに伊予大洲に泊まればよくね?んで自力で海沿い列車乗ればよくね?」と急に思いついて、それで宿を伊予大洲に変えてみたのです。

内子から観光客の格好で一両編成のワンマン電車に乗り込んだの、ほんっっっとに私だけで、そもそもその電車に乗ったのも「伊予大洲なら特急じゃなくても、ちょうど今ローカル線が来るとこですよ」的なことを駅の窓口で言われて急に決めたので、間に駅がいくつあるのかも降り方もよくわかんないし、えらいドキドキしましたが、周りのお客さんや運賃表をチラチラみながら、無事、伊予大洲に到着。

晩ご飯はこの町で食べましたが、長くなったので、伊予大洲編はまたこの次のレポということで!

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