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今日は私の愛する【Queer Eye】を全力で推す日!

私が何年にもわたって「大ファン!愛してる!」と言いまくり、会う人会う人に布教している、それがNetflixの人気シリーズ「Queer Eye(クイア・アイ)」。今日は土曜日でゆっくり書ける日だから、ぜったいこれを書こう!!と水曜あたりから決めていた。

みなさんご存じだろうか、「Queer Eye」。

すでにご存じ!大好き!という方は”Yeaaaasss!”とジョナサンの真似で心の中でお返事、またはスキかコメントください、あなたをフォローして、語り合いたいから!
Netflixメンバーでない方は、今日加入していただきたいし、ネトフリ入っているのに、見てない方はこれを読んだらすぐテレビに向かっていただきたい。

じゃ鼻の穴を膨らませながら、「Queer Eye」の魅力、書くね!

「Queer Eye」と「Fab Five」

「Queer Eye(以下QE)」は、いわゆる「メイクオーバー(変身)」ものと言われるリアリティショウで、2018年からスタートしていて、2020年8月現在、アメリカ各地で撮影されたシーズン5までと、スピンオフとして日本で撮影されたミニシリーズをリリースしている。


「Fab Five」と呼ばれる5人のゲイガイたちが、ある人の人生に嵐のように現れ、その人の人生が変わっていく姿に密着する一週間。メイクオーバーする相手=主人公を中心に、周りの人も巻き込みながら、最後にはちょっとしたライフイベントで、新しい自分をお披露目する。一話完結型の45分番組。

このFab Fiveがとにかく、大好き。
全員を家にご招待して、歓待したい。

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画像参照:Dazed 

右から、カルチャー担当のカラモ。
右から2番目、ファッション担当のタン。
真ん中、ヘアとグルーミング担当のジョナサン。
左から2番目、フード担当のアント二。
左はし、インテリア担当のボビー。

とにかく5人がその回にメイクオーバーする主人公に会った瞬間から、とにかく全面的に「肯定」しかしない!その人の部屋の散らかり具合や、ダサい服まみれのクローゼット、腐った食品のある冷蔵庫などの「状態」にはダメ出しをしても、その人自身の「存在」については、メイクオーバー前から「ゴージャス!」「すごくハンサム」「素敵な髪をしてる」などとにかくほめまくるところから入る。

そして、どのエピソードの中でも、主人公は、FabFiveにきっかけをもらいながら過去の傷や自分自身を縛っていた考えと向き合うことになる。そしてネガティブな想いを手放し、解放されて、新しい自分を受け入れ、変わっていく姿に毎回感動する。ありきたりだけど、人っていくつになっても変われる、っていうことの素晴らしさを、Fab fiveのちょっとした魔法の力で見せてくれる。

そしてなによりも「あなたはあなたのままでファビュラスなんだよ!」という5人の絶対的肯定のことばに、その言葉を自分も言ってほしかった、と願う心が共鳴して、ダーダー泣ける。

新Queer Eye、ダイバーシティの魅力!

このQE,2003-2007年に放映されていたオリジナル版があって、そちらは「Queer Eye for straight guy」というタイトルだった。タイトル通り、メイクオーバーする対象は基本「ストレートの男」のみ(女性版もスピンオフであったそうだけど)。
「ゲイの男はおしゃれでセンスがいい」という通念のもとに、ゲイが「ださいストレートの男」に色々教えてあげる、という図式だった。

わたしが愛してる2018年からの新シリーズは、これのリメイク版。タイトルはシンプルに「Queer Eye」になり、10年ちょっとの時を経て、時代に合わせてアップデートして再登場した感。シーズンが進むにつれ、ショウそのものも彼らもどんどん変わっていく、一言で言ってどんどん広がる「ダイバーシティ」が見ものなのだ。

1エピソード完結型なので、どこから見てもいいんだけど、できれば上記の理由で、ぜひシーズン1のエピソード1から順を追ってみていっていただけると、私としてはとっても嬉しい。


Fab Fiveのダイバーシティ
旧FabFiveの5人は全員、アメリカ人の白人だったけど、今のFab Fiveの5人のキャラのダイバーシティがそもそもすごい。

黒人のカラモ(どハンサム)は、若くしてTVパーソナリティをやっていたのだが、その後10年くらいソーシャルワーカーだったそう。

イギリス育ちのタン(イングリッシュアクセントとグレイヘアがクール)は、パキスタン移民2世で、南アジア系、ムスリム系で初のゲイを公表しているメジャーTVショウの人だという。その後、アメリカ人と結婚してなんとユタ州(あの色々厳しいモルモン教の聖地・・・)に住んでいる。最近アメリカ国籍を取得した。移民、そしてまた移民。

インテリア担当のボビー(五人の中で最も働き者)は、今や世界で自分のブランドのインテリア商品が売られてるやり手実業家だが、若かりし日にはゲイをカミングアウトしてから迫害され、家を捨て、ホームレスだったこともある・・・・

こういうFab Fiveのメンバー自身のストーリーが、少しずつエピソードが進むごとに明らかになって行く。

例えば5人の中で最もキャピッとしてるロン毛ひげ乙女、ヘア担当のジョナサン。シーズン4の第1エピソードで、彼は母校の高校の恩師をメイクオーバーする。彼は自分が昔いじめられていた日々を思い出し、高校に近づくだけで涙ぐむ。恩師にただ「普通に扱ってくれたこと」を感謝するシーンなど、ティーンから今のジョナサンの通ってきた道を思って涙涙・・・(神回)

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Fab Five自身が、主人公を励ましながら、自分たちの傷ついた過去をエピソードの中で語り、自分たちも癒されていく。見ている自分も「それぞれの背景を背負って、ここまで来た」ことを肯定する気持ちが生まれる。そのエピソードの主人公、Fab Five、そして世界の視聴者のみんなで人生をカンパイしたい!と毎回おもう。

「人生いろいろだよね」がダイバーシティの基本だと思うんだけど、それを体当たりで生きて、見せてくれてるのがFab Fiveなのだ。


シーズンごとのダイバーシティ

実は、シーズンごとにメイクオーバーする相手のタイプもどんどん広がってきている。シーズン1は、多分旧QEの流れを踏襲し、メイクオーバーする相手は主にストレートガイ、なんだけど中にはゲイの男の人も入っている。

シーズン2の第1エピソードは、ショウの中でも大人気だった「ママ・タミ」の回で、初の女性のメイクオーバーが入ってくる。(この回は涙腺崩壊)

そこから、ゲイの女性やトランスジェンダー、ティーンネイジャーとどんどんメイクオーバーする相手が広がっていく。

最新のシーズン5に至っては、もう圧巻のダイバーシティ。

ゲイをカミングアウトしているキリスト教の白人牧師さん。
若き起業家の黒人女性。
里子に出された後、ホームレスを経て、今はNPOをやってる黒人男性。
環境保護運動に夢中で不安いっぱいのティーン白人女子。
アメリカンドリームを求めて激務するヒスパニックの父。
新米ドクターになったけど自信の持てない移民2世のアジア系女性。


これはもう完全に、シーズン5の人選はトランプ再選阻止に向けてた布陣として、LGBTQ、移民、マイノリティ、若いジェネレーションと、ターゲット別に押さえてきたな!?と思うほど。

そういう政治的思惑があるかないかは置いておいて。

このQE、全シーズンを通して、何度も出てくるキーワード、そして、私が多くの人にこれを見て欲しい!!と思う理由は最大の理由はコレ。

「vulnerable」であることを受け入れる大切さ。

日本語で言うと「脆弱な」「傷つきやすい」ことを意味するvulnerable。悪い意味だけでなく、感情を素直にさらけだしたり、弱さを認めたりすることまで含めて、「vulnerbleであること」は恥ずかしくないということが、QEの中では何度も出てくる。

お互いの vulnerability を認め合うこと。そのことが、いまの分断が広がるばかりのような気がする世界で、一番大事なことな気がする。

自分が傷つきやすいことが分かっていたら、そんなに人のことを簡単に傷つけられなくなる。

特に、力を持っている人、強くあれ!と言われてきた人、泣いたら負けだと教えられてきた人、世間に笑われないようにと言われてきた人、疲れたと言えない人、自分を殺して麻痺させて生きてきたひとにこそ、QEは効くと思う。

殻が厚い人ほど見て欲しい。

そうは言っても見て欲しい人ほど見ないものなんだけどQEの布教は進める、地道に。

これを読んでQueer Eye見てくれる人が一人でも増えたらもう本望です!!


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