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宇喜多の捨て嫁@読書感想文

久しぶりに読書感想文を書きます。

高校時代に信長の野望の野望に一時期ハマったことがあって以降、結構戦国時代好きです。(よくゲーム使っていたのは大友宗麟。立花道雪などマイナーな割に家臣団が優秀。あと本人が根暗っぽいのが◎)

大河も戦国の年だけ見ます。なので、どうする家康も見ています。

というわけで、僕のいくつかある読書分野のうちの一つが時代小説です。

本を読んでいてよくあるのが、主人公になったとたんにいいやつとして書かれるパターンです。今回紹介しませんが、松永久秀(一般的には戦国3悪人に数えられる人)が主人公の本があるんですが、やけにいい人として書かれています。

まぁ、主人公なんでいい人にしないと話が成立しにくいんだろうな・・・。と思いますが、この急にいいやつに書く、というのがご都合主義を感じてあまり好きではありません。

この【宇喜多の捨て嫁】の主人公である宇喜多直家も戦国3悪人の一人なんですが(ちなみに残る一人は齋藤道三)、宇喜多の捨て嫁では、そのバランスがよくとれています。

(宇喜多の捨て嫁はいろんな登場人物を主人公にした短編を集めて、一つの長い話にしているので、厳密にいえば、直家だけが主人公というわけではありませんが)

最初に直家の娘が主人公の話から始まるので、歴史的には最後の方から物語がはじまります。その場面では、直家は娘を政略の道具に使うどころか、娘が嫁いだ次々家を滅ぼす恐ろしい男として書かれています。(最初の主人公(末娘)の姉たちが嫁いだ家を滅ぼしていたり、自分の舅を打ち取ったり)

なぜ直家がそんなことになったのか、ということが読み進めていくと分かる仕組みになっているところが面白い点です。時系列で並べなおすと最初は純粋でいいやつだった直家が仕方なくどんどん狡猾で残酷になっていく、そういう話になっています。

最終的には直家はやばいやつになるんですが、話のところどころで、やばいやつが他にも出てきます。サイコパスというのか・・・。ちょい役立ったり、メインの悪役だったり、その短編の主人公だったりします。

でもよく考えたら、殺すか殺されるか、みたいな戦国時代だったらやばいやつもいっぱいいただろうな、という気もします。じゃないと生き残れないもの。

たまたま?大名クラスだった宇喜多直家や松永久秀の悪名が残っただけで。

非常に面白かったのでおススメできる本です。

この話の直接の続編というわけではないですが、【宇喜多の楽土】という本が同じ著者から出ています。こっちは直家の息子の秀家が主人公ですが、こっちでは直家が急にいい人として書かれています。それがちょっと残念です。


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