歴史知識ゼロの僕がどうやって18年間 歴史マンガ「センゴク」を描き続けられたのか@読書感想文
センゴクシリーズという歴史漫画があります。全部で70巻以上あるんですが。連載が始まったのが僕が大学生の頃で、終わったのが去年くらい。
仙石久秀という戦国武将を主人公に信長が美濃を落としたあたりから徳川幕府の成立あたりまでを舞台にしています。
この仙石久秀という武将、僕は信長の野望シリーズを4タイトルくらいやっているにも関わらず、聞いたことが多分ありませんでした。
基本的に僕が大友宗麟でプレイするため、美濃出身の仙石久秀に出会わないからかもしれませんが、彼はモブ武将レベルの能力しかないからというのが主な原因だと思います。
ただ若い頃から秀吉に仕え、最終的には江戸時代まで生き残ったので戦国時代を一通り書くにはいい武将でした。
その作者(宮下英樹さん)がセンゴクを描いた舞台裏について本を出したので読んでみました。
この本を読むまで漫画というのは、最初のアイデアとかストーリーの大筋は作者が一人で考えているものかと思っていたんですが、新作を歴史漫画にするのかヤンキー漫画にするのかは編集部で企画書を出し合って話し合ったそうです。
才能ある作者が全部やってる訳では無い、というところは驚きました。
センゴクは最初は別のジャンルの漫画(スポーツ漫画とか)の組み立てを入れていたのが、中盤から歴史観が変わって群像劇のようになっていったと書かれています。
確かに漫画を読んでいて、最初は分かりやすいというか、ベタな少年マンガ感があったのですが、途中からテイストが変わった印象がありました。地味というか、リアルというのか。それと勧善懲悪的な話ではないのでわかりにくい…。(歴史を下敷きにしているのでしょうがないっちゃあ、ないんですが)
作者の歴史観が分かってすっきりしました。
この本を読んでからまたシリーズを読み返すと分かりにくかったところというか、作者が伝えたかったところがだいぶわかる気がします。副読本としてちょうどいいかも。
仙石久秀は九州攻めで大失敗をします。その後に、謹慎したり放浪みたいなことをするのですが、そこで見出した生き方というのは何だか今の僕にもしっくり来ます。
自分が求める人生と人から求められる人生の折衷点を探す、そういう生き方です。
センゴクシリーズの続編というか派生で大乱 関ヶ原が連載されています。
読む気無かったんですけど、買っちゃいました。
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