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生まれてから失明するまでの記憶を、忘れないよう記録として書き留めました。
記憶に基づいた記述のため不正確な箇所や不鮮明な箇所があるかも知れませんが、一人の人間の生きた痕跡として、…
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#神戸
転院(僕が失明するまでの記憶 11)
阪急神戸線の駅を降りて北上し、並木道を進み、瀟洒な家々が立ち並ぶ路地を抜けたところにその病院はあった。敷地に入っても建物にたどり着くまでにはかなり急な坂を登る必要があって、車でも明らかに傾斜を感じられるほどだった。
無機質で、ややもすれば威圧的でもあった大学病院の門構えとは異なり、簡素でこじんまりしていて、病院というよりは海外の寄宿舎か研究施設みたいに見えた。六甲の山間の斜面に沿っていくつか