内容項目「親切、思いやり」(第5学年及び第6学年)
育休中にチャレンジしてみたいことの一つとして、道徳の授業づくりをしています。
授業をつくっても実施できないので、noteにまとめて誰かの教材研究に生かしてもらえたらと思います。
Gakken新版みんなの道徳 5から「くずれ落ちただんボール箱」の授業づくりをしたいと思います。
今回のこの記事では、「くずれ落ちただんボール箱」の内容項目である「B:主として人との関わりに関すること『親切、思いやり』」について自分なりに分析(?)したことをまとめていきます。
内容項目について
「くずれ落ちただんボール箱」を通して学ぶ内容項目は、B:主として人との関わりに関すること「親切、思いやり」。
5・6年生では以下のような文言になっています。
「誰に対しても」とあるように思いやりの心をもつ範囲がかなり広くなっていますね。
1・2年では「身近にいる人」、3・4年では「相手のこと」ですから、親しい人だけでなく、初めて会うような人やたまたま居合わせたような人に対しても思いやりの心をもつことが求められているんですね。
「思いやり」
では、具体的に「思いやりの心」ってなんでしょうか。
学習指導要領の(1)内容項目の概要にはこう書かれています。
つまり、「自分だったら…」と想像力を働かせることで相手の気持ちや立場を理解しようとすることだと言えます。
ちなみにgoo辞書では、「思いやり」の意味が以下のように書かれていました。
例えば、給食のとき。
配膳しているときにおかずを落としてしまった子がいるとします。
たまにありますよね。
それを近くで見ていた子が先生に頼まれて片付けていたとします。
行為としては一緒に片付けているので親切な気もしますが、
「めんどくさいなぁ」
「落とすなんてどんくさいなぁ」
「なんで自分がやらないといけないんだ」
と考えながら片付けていたら思いやりの心があるとは言えないですよね。
「恥ずかしかっただろうな」
「申し訳ない気持ちでいっぱいだろうな」
「自分だったらパニックになって泣いちゃいそう」
と想像力を働かせて落としてしまった子の気持ちや立場を考えることこそ、思いやりの心があると言えるのではないでしょうか。
「親切」
続いて「親切にする」とはどういうことなのでしょうか。
(2)指導の要点の◾️第5学年及び第6学年には以下のように書かれています。
この文言を見ると「思いやりの伴った行為が親切にすること」であると考えられます。
さらに(1)内容項目の概要をもう一度見てみます。
土台には「思いやりの心」があり、相手のためになると自分が判断したことを(何もしないことも含めて)実行することが「親切にする」ということなんですね。
4象限で表してみる
「親切、思いやり」について掘り下げてきましたが、この内容項目について4象限で表してより理解を深めたいと思います。
縦軸を「思いやりがある(ない)」、横軸を「親切にしている(していない)」とします。
それぞれどのような姿がイメージされるでしょうか。
①思いやりがなく、親切にしていない(左下)
ここに当てはまるのは「相手の気持ちや立場を想像することなく、何も行動しない」姿です。
このような姿の人は他人に対して無関心なのかもしれないですね。
②思いやりの心はあるが、親切にしない(左上)
ここに当てはまるのは、「相手の気持ちや立場を想像するものの、相手にとって良かれと思うことを実行しない」という姿です。
先ほどの給食の例に当てはめると、
「恥ずかしかっただろうな」
「申し訳ない気持ちでいっぱいだろうな」
「自分だったらパニックになって泣いちゃいそう」
と想像するものの、
「めんどくさいし…」
「自分が汚れるのは嫌だな…」
「給食を食べる時間が減っちゃうし…」
などと自分のことを優先して親切な行為を行わないのかもしれません。
③思いやりの心はないが、親切にしている(右下)
ここに当てはまるのは、「相手の気持ちや立場を想像することはないが、相手のためになる行動はしている」という姿です。
「そんな人いる?」と思いますが、「思いやり」で取り上げた事例がこの姿に当たります。
「先生に言われたから仕方なく手伝う」
「いい人だと思われたくて手伝う」
など、相手の気持ちや立場を想像しているのではなく、「他人に自分がどうみられるか」を重視して行動しています。
これでは、自分に利益があると判断できる時にしか親切(そうな)行動をすることはないでしょう。
④思いやりの心があり、親切にしている
ここが道徳的価値を実現できている姿ですよね。
「相手の気持ちや立場を想像して、相手に対して良かれと思うことを行う」姿です。
③と④は自分の気持ちに意識が向いていますが、④は相手に対して意識が向いていることが大きな違いだと考えます。
相手の気持ちや立場を想像し、それを行動に移すことは勇気が必要なことでもあります。
けれど自分の起こした行動が相手のためになったと感じられたとき、親切にした相手だけでなく自分自身も充実した気持ちになることができるのではないでしょうか。
自分なりに「親切、思いやり」について考えてみました。
5、6年生では対象が「誰に対しても」とあるのでかなり広くなっていますよね。
初めて会う人やたまにしか会わない人などそこまで親しくない人に対しても思いやりを持って親切にすることは難しいかもしれませんが大事なことです。
関連しそうな内容項目としては、「礼儀」や「正直、誠実」、「よりよく生きる喜び」などが思い浮かびました。
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