書評 「ディーふらぐ!」

本作は2014年にアニメ化された学園ギャグ漫画です。今でも漫画雑誌に連載され続けていることからも、その人気が伝わってくると思います。

主人公の風間堅次は、学校でちょっとした有名?不良でした。二年生になり、仲間たちと学校を威張って歩いていると、「ゲーム制作部」と書かれた部屋を発見します。不良らしく、物色しようと入ると、なんと中でヒロインたちがキャンプファイアーをしていました。火事になる寸前で風間は水で火を消します。一件落着したところでゲームを奪おうとした矢先、ヒロインたちが強すぎて、圧倒的な力で風間は倒されました。彼女たちは新しい部員を探しており、風間に部員になるようせがみます。風間は拒否して一度は逃亡するものの、ふとした拍子に学校の窓から落ちかけてしまい、すんでのところでロリ部長、柴咲芦花に助けられます。そのお礼として正式に部員となります。しかし、その部は「ニセ」ゲーム制作部でした。その存在を以前から思っていなかった「本物」ゲーム制作部の部長、高尾が風間を呼び出し、その事実を伝えると、両者は互いの存続をかけて、今度の文化祭でどれだけ人を呼べるか勝負することになります。以後、風間はそのニセゲーム制作部のツッコミ役になりながら過ごしていくことになります。

この話の一番の魅力は可愛らしいヒロインたちもさることながら、その一人一人に属性がついていることだと思います。例えば、芦花は火属性(といっても燃えるのではなく、萌える方で、そこが面白いところですが)かつ闇属性と自称しており、そこを前面に出してきます。他のメンバーにも、水属性、土属性、雷属性などが振られていて、それに応じた攻撃(とはいっても、たいそうなものではありませんが)をしてきます。攻撃手段としては、例えば芦花が闇属性なだけに、相手の頭に被せて視界を奪う「袋」を使って攻撃します。しかしどういう経緯か、その「袋」をめぐってちょっとした運動会みたいなものが行われる羽目になります。バカバカしい内容になりますが、アニメでも、また漫画も何度も読み返すくらい面白かったです。

他に笑いが止まらなかったところは、何と言っても「橋本名選手の冒険島」編(未アニメ化、漫画7巻から8巻にかけて)でしょう。ゴールデンウィークに、芦花から「アレ」があるので来て欲しいと言われた風間は、妹と一緒にその場所に向かうことに。出発時からゴタゴタしていたものの、船に乗ってようやく目的の島に到着しました。そこには他校のゲーム制作部のメンバーが集まっており、ナンバーワンをかけて勝負をすることになりました。一泊二日の間、他校にゲーム進行を乗っ取られはしたものの、見事そこで優勝します。結局、橋本名選手なんて言いながら主催者である橋本がいなかったことに風間は最後憤慨しながら幕を下ろします。

他にもメンバーに災難が降り注ぎます。最新刊である16巻までに、前生徒会長との対決、芦花の家に隕石が落ちて後始末をする、高尾の家に忍び込む、VRMMORPGの世界に飛び込むなど数多くのイベントがあります。ぜひ読んでみてください。

特に他校の不良たちとの対決するあたりは、ヒロインたちの強さを見ることができると思いますので、そちらもいかがでしょうか。

2014年以降アニメ化はされていませんが、第二シーズンが製作されてもいいくらいの出来映えだと思います。ただ、アニメ版だと若干ラブコメ要素が前に出すぎな感じもしたので、純粋なギャグをを楽しみたいという人がいたら、漫画版を読むことをお勧めします。


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