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その都度新しく新鮮に

Sep 30, 2005(楽天blogより)

「その都度新しく新鮮に」

「その都度新鮮に、というのは本当に難しいです」

…木曜クラスのFさんがしみじみ言いました。

これは火曜クラスのTさんからも聞いたばかりです。
「その都度新鮮にと言われ続けていますけど
 いやあ、これほど難しいことはないです」

二人とも感覚の優れた、熱心なメンバーです。
なかなかそうはいかないと苦心していればこそ出てくる
実感のこもったことばです。


実際これは、毎回レッスンの度に一度は口にすることばです。
ああ、いつものアレか・・・と決めてしまった途端、
感覚することを放棄し粗雑になってしまうからです。
熱心な人は(出来る・出来ない)の表層の技術に
走りがちになります。

毎日の暮らしのほとんどは繰り返しの連続です。
これをつまらなくて飽きることと感じるのか、
興味や好奇心で面白いと感じるのかで、
暮らしの仕方から、その積み重ねとしての人生まで
大きく違ってきます。

野口体操も自らのからだへの興味であり、好奇心です。
動きの中で次々沸き起こってくることに寄り添って
いざなわれて行きます。
外から見える動きは「からだの中身の変化」と向き合う具体的な結果として現れたものです。

集中しなさいとか、集中力がない、などと子供の頃から言われ続けてきた教育的で抽象的なことばではありません。

体操のあり方も、暮らしのあり方も、
同じ自らのからだの中の出来事だと思っている人は
あまりいません。
ぴったり一致した時の発見が大きいことが分かっている人も
あまりいません。


「まったく新しい感覚をとらえるために大切なことは、
 すでに体験している感覚があらわれることを
 けっして期待し予測してはならないということである。
 結果的に、すでに体験していた感覚に
 似ていたとしても・・・」
                 (野口三千三)


*(2023年9月現在は火曜クラスのみです)

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