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【考える訓練】わからないを禁句にする努力

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

部下と話をしていると、ときどきこんな場面があります。

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私:「◯◯さん、これ、なぜこういう結果になったのだろう?」

部下:「わからないです」

以上、終わり!
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「いや、そうじゃなくて、もう少し考えようよ」と言いたくなるのですが、現実場面においては、難しい問題であればあるほど「よくわからない」と言いたくなるのが人間です。

しかし、私が今まで観察してきた限りでは、「よくわからない」まま終わらせる人と、「なぜ、そうなったのか?考えてみよう」と思って考える人では、後者の人の方が圧倒的に成長しています。

私もついつい「わからない」と言って思考停止になることがあるのですが、上記のようなことを振り返って、自分自身への戒めも込めて「わからない」を安易に使わないようにしようと思っています。

とはいえ、世の中には「よくわからない」ことはたくさんあるので、ただ根性論で「考えてみよう」と言ったところで、考えられるようになるわけではありません。

では、どうするとよいのでしょうか?

「わからない」状態を脱却して、粘り強く考える人間になるための3つのポイントを書いていきます。


わからないことは推定してみる

まず大事なのは、わからないことを推定してみることです。

その際に使えるのが、フェルミ推定の考え方です。

フェルミ推定とは、「ネット通販市場における日本酒の市場規模」のような未知の数字に対して、推定可能な単位にまで分解した上で、推定値を出す方法のことです。

フェルミ推定の詳しいやり方は、以下の記事で解説しています。

わからない問題に遭遇したときには、わかっていることから推定するのは有効なアプローチです。

他にも有効なのが、このnoteでも何度か書いている演繹法や帰納法です。(演繹法と帰納法の活用方法は以下の記事に書いています)

「他の事象で◯◯という前提条件があったから、今回の事象でも◯◯という前提条件があてはまるのではないか?」

このように考えてみることで、推定の幅が広がります。

例えば、フランスの経済学者フランソワ・ケネーは、経済学者になる前は医者でしたが、医者のときに学んだ血液循環説から経済循環の着想を得たと言われています。

これは、経済にも血液と同じような前提が成り立つのではないか?というところから発想されています。

このようにして推定してみるだけでも、「わからない」という状態から、「もしかしたら、こうかもしれない」という状態へと一歩進むことができます。


普段から専門分野の周辺分野に知識を広げる

わからないことを推定する訓練をしていると、自分の知識だけではカバーできないことがわかってきます。

例えば、自分の専門分野が貿易関連だとしたときに、単に輸出入の伝票を取り扱う知識だけでなく、扱っている商品の背景知識や、品質管理に関すること、関税や法律関連の知識が増えていくと、「わからない」問題に対する引き出しを増やしていくことができます。

また、専門分野以外のことでも、往々にして役立つものがあります。

先ほどのフランソワ・ケネーの例も、医学という経済学とは異なる分野からの着想だったように。

このように他方面の知識を組み合わせることで、目の前にある「わからない」問題に対して突破していくための切り口になっていくのでしょう。

そういう意味では、人間古来からの不変の行動原理を記している歴史、哲学、生物学などを勉強しておくと、「わからない」問題への対処の切り口になるのかもしれません。

歴史、生物学に関しては、以下の本が平易にまとめられています。


自ら出した推定解を実行して成果につなげる

上記のプロセスで思考実験して推定してみたことを検証することで、より「わからない」問題への自信が深まっていきます。

もちろん検証してみると、うまくいかないこともあるでしょうが、うまくいかなったときの前提条件を注意深く見直してみることで、次の推定の精度をより高めることができます。(以下の記事に、失敗を未来に活かすための対処法を書いています)

推定 ⇒ 検証 ⇒ 失敗 ⇒ 再度推定 ⇒ 再度検証 ⇒ ・・・

これを繰り返すことで、単に「わからない」で立ち止まっていた状況から大きな進歩が得られることがわかります。

「わからない」で片付けるのは脳みそへの負荷が少なく簡単なことですが、ここで粘って考えてみる(推定してみる)ことで、頭が鍛えられて、将来的に大きなアウトプットの差になっていくのでしょう。

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