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石倉洋子氏(新デジタル監)の本3冊を紹介【キャリア・考え方を鍛えるのにおすすめ】

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

2021年9月1日、デジタル庁の事務方トップとして石倉洋子氏が就任すると発表されました。

ネット上では、石倉氏が72歳と高齢であることに加えて、「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」と謙遜する発言があったことで「そんな年齢で大丈夫?」という声も少なくなかったようです。

私は、石倉氏の著書を何冊か読んでいたこともあったことから、石倉氏が国際感覚が豊かで多様な経歴を歩んできた人だと知っていたので、ネットの反応を意外に感じていました。

しかし、以下の記事にあるように、石倉氏に対して誤解を抱いていた方の中には、経歴を見てから見方が変わった人もいるようです。

(一方で、以下のような問題も発覚してしまいましたが。)


石倉洋子氏の経歴

石倉氏は自身の著書「グローバルキャリア」に、40代前半までの経歴が詳細に書かれているので、その内容を元に簡単に経歴をまとめました。

・英語を勉強したくて上智大学外国語学部英語学科に入学。英語は一生懸命やったが、明確なキャリアプランはなく、漠然と留学したいくらいにしか思っていなかった。
・大学3年で留学の機会を得るが、一生懸命やっていた英語がアメリカでは通用せずに、毎日図書館に通っていた。
・帰国後に就職活動をするも、準備不足で不合格ばかり。プロとして個人で仕事をしたいという思いもあり、フリーの通訳・翻訳の仕事を始めて7年間続ける。
・キャリアの行き詰まりを感じていた頃に、通訳の仕事で出会ったドイツ人の教授にバージニア・ビジネススクールへの留学を進められて留学を決意。
・卒業後は、一般企業への就職の道もあったものの、個人で勝負するプロフェッショナルになることを目指してハーバードビジネススクールの博士課程に進学。
・アメリカでの通算7年の生活を経て日本に帰国し、マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社に入社。40代前半まで勤めて、青山学院大学の講師に転職。

フリーの通訳者が、大学の博士号をとり、外資系トップのコンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社という、異色の経歴の持ち主であることがわかります。

石倉洋子氏の著書3冊紹介

冒頭に書いたように、私は石倉洋子氏の著書を何冊か読んでいるので、そのうちの3冊を紹介したいと思います。

3冊のうち2冊やキャリアや考え方に対するもの、もう1冊は高度な人材を多数排出するイスラエルの人材育成の秘密に迫るものです。

グローバルキャリア

本書には、10代~30代に向けてキャリアの考え方が書かれています。

冒頭では「組織から個人へのシフト」、「物理的な場所や時間からの解放」など、21世紀に起こる環境変化から、従来型の雇用やキャリアの考え方ではなくユニークなキャリアをいかに形成することが大事かを説いています。

そして、そのユニークなキャリアを形成するための考え方や、トレーニングの方法を解説。「好きなことをやろう」、「もし好きなことがないなら、好きらしいことから始めてみよう」など。

本書は、2011年に書かれていますが、時代背景やキャリアの考え方は、現在にも十分通用する内容になっています。

今後のキャリアに迷いがある20代、30代の方におすすめです。

世界で活躍している人が大切にしている小さな心がけ

国内外問わず幅広く仕事をしてきた経験と、近年の時代背景を踏まえて、活躍している人が大切にしている心がけをまとめた一冊です。

・正しくやってみることをむやみにやってみることを考える
・完璧を目指さない
・自分しか語れないことを作る
・成功か失敗ではない、何を学ぶか
・やらないことを明確にする

など、全部で28個の心がけを石倉氏の経験談も交えて解説しています。

本書では、失敗談も含めて、私が経験したこと、見聞きしたことから、誰でも少し発想を変えればできることを紹介します。どこから試してみてもよい ので、「これはできそうだな」と思ったところから始めてください。

今よりもさらに成長をしたいという方におすすめです。

タルピオット イスラエル式エリート養成プログラム

イスラエルは、人口約900万人と日本の1/10以下ですが、次々とイノベーションが起き、多くの会社が立ち上げられては大手企業に売却され、その資金を元手にして、また新たなイノベーションが生まれるというサイクルが出来上がっています。

では、なぜイスラエルでは、イノベーションが次々に生まれていくのか?

その背景には徴兵制と軍隊での教育があり、その中でも特に影響が大きいとされるのがイスラエル国防軍にある毎年50人だけが選ばれるエリート育成プログラム「タルピオット」だそうです。

タルピオットでは、徹底的に疑ったり権威に挑戦したりする姿勢、軍隊だからこそ扱える最先端技術、若いときから現場に出ることによって培われるリーダーシップなどを徹底的に鍛えられます。

そうしたタルピオットで身につくのが以下7つだとしています。

・課題を見つけ、解決策を生み出すクリエイティブ思考
・組織の中でも外でもイノベーションを生む力
・現場の声に耳を傾ける「顧客視点」
・協力し、迅速に成果を上げるチームワーク
・失敗を恐れず困難に挑戦する前向きさ
・粘り強く任務を遂行する精神力と時間管理能力
・仲間意識、ネットワーク

後半では、こうしたイノベーションの土壌を持つイスラエルと日本企業との協業のメリットや、協業をする上で大切にすべき姿勢などについて書かれています。

本書は、イスラエルのイノベーションに興味がある方に加えて、人材育成の指針を得たい方にもおすすめです。

まとめ

以上、デジタル監に就任した石倉洋子氏の経歴、著書の紹介でした。

なお、イスラエル式の考え方は「タルピオット」以外からも学べます。

その中で世界的に有名なビジネス書は、イスラエルの物理学者ゴールドラット氏がTOC理論として描いた「ザ・ゴール」です。

こちらは、コミック版も出ているので、TOC理論をざっくり理解したいという方にはコミック版がおすすめです。

同じくゴールドラット氏は、イスラエル流の考える力を身につけるための方法論を「教育のためのTOC」として発表しています。

その「教育のためのTOC」をわかりやすく紹介した本が、「考える力をつける3つの道具」です。

本書は、考える力をさらに高めたいという方におすすめです。

その他、私が読んでよかったビジネス書は、以下の記事で紹介しています。


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