見出し画像

対立が起きても諦めない!TOCクラウドを使った対立解消方法(事例付き)

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

突然ですが、みなさん対立が起きたとき、どのように対処しているでしょうか?

対立の典型的な例として、以下の2パターンがあります。

・Aをするか?Bをするか?
・Aをするか?Aをしないか?

こうした対立が起きると、人間は次のような行動をとってしまいがちです。

・決断を先送りする
・相手に譲歩させる
・自分が譲歩する

確かに、この2つの選択肢だけを見ていると、二者択一のように見えてしまい、先送りや譲歩・妥協といった結果を招いてしまいます。

しかし、もし両立を目指すことができるとしたら、そのアイデアを実現できるように頑張ってみようと思いませんか?

こういうことを言うと、「両立なんか無理だよ」という諦めの声が聞こえてきそうですが、実は対立を両立へと転換できる思考法があるのです。


対立を解消できるTOCクラウドとは?

その思考法とは、TOCクラウドと呼ばれるものです。

先日、以下のツイートをしました。

実はここで描いている対立解消図こそがTOCクラウドなのです。

これはTOC理論を生み出したエリヤフ・ゴールドラット氏によって提唱されたものです。

ツイートの中で示したサラリーマンとフリーランスの例を含むTOCクラウドの詳細は以下の記事に掲載しています。

この記事には、対立を両立へと転換させるための以下の手順を書いているので、詳しい手順はリンク先を見て頂ければと思います。

・対立している要求に対する共通目的と要望を洗い出す
・要望を両立できる解決手段を考える

私自身も判断に迷う事柄が出てきたら、TOCクラウドを使って頭を整理しています。

この手順で対立が解消できると、次のような良いことが起きます。

・甲乙つけがたい選択肢に迷って立ち止まることがなくなる
・深刻な対立が起きたときに、お互いの言い分を冷静に整理できる
・従来は対立であると思っていたことが両立できることで、より高い次元での解決策を打ち出すことができる

先のツイートに関しても、このような声を頂いています。


こちらのnoteでは、記事には載せていない事例をいくつか紹介していきます。みなさんの仕事やプライベートの中で起きる対立を解消するための参考にして頂ける思っています。


対立事例1(本業か?副業か?)

最近は大手企業でも副業を解禁する動きが出てきます。

副業の話をすると出てくるのが、副業をやらずに本業を頑張るのか?、本業をそこそこに副業を頑張るのか?という議論です。

本業か?副業か?だけ見ると、二者択一のように見えますが、TOCクラウドを使って要望と目的を整理すると次のようになります。

画像1

このようにクラウドができると、本業を頑張るのも、副業を頑張るのも、その目的は「経済的に安定する」ことであることがわかります。

次に考えるのは、以下の2点です。

・要求と要望をクロスして成り立たせる方法はないか?
・要求ではなく、要望を両立させるアイデアはないか?

図にするとこのようになります。

画像2

ここまで整理できるといくつかの解決策が出てくると思います。

解決策1(要望1と要求2を満たす)
副業で培ったスキルを本業に活かして、効率よく本業を終わらせる。(要求と要望のクロスを実現する)

解決策2(要望2と要求1を満たす)
本業で頑張って、その知見を副業にも転用する。(要求と要望のクロスを実現する)

解決策3(要望を両立する)
本業を頑張って、スキマ時間で副業に全力投球する。(2つの要求ではなく、2つの要望を両立させる)

例えば、このような感じです。

例えば、解決策2を実現しているのが、「転職と副業のかけ算」の著書で知られるmotoさんでしょう。

解決策3を提唱しているのが、「週末起業」や「インディペンデントな働き方」の著書で知られる藤井孝一さんです。


対立事例2(上司に意見をするか?しないか?)

上司が言っていることが何か間違っているようにも思う。

そんなときに、上司にはっきり意見をするべきか?意見をしないでおくべきか?迷うことがあります。

これも二者択一の対立のように見えますが、TOCクラウドを使って整理してみると、例えば次のようになるのではないでしょうか。

画像3

このように整理をすると、結局「ストレスなく仕事を進める」ことが目的になるのでしょう。

ここでも同様に以下の2点を考えてみます。

・要求と要望をクロスして成り立たせる方法はないか?
・要求ではなく、要望を両立させるアイデアはないか?

画像4

解決策1(要望1と要求2を満たす)
上司が意見を聞いてくれる人を味方につける。例えば、上司の上司や、上司から信頼されている同僚を通じて意見を言ってもらう。

解決策2(要望2と要求1を満たす)
上司が怒るポイントを事前に押さえて、それを回避しながら意見を言う。(

解決策3(要望を両立する)
上司が自分から気づくように仕向ける。例えば、「一般論としては◯◯のようですよ」とか、「**大学の研究によると、△△が一般的だそうですよ」など権威を使う。


対立事例3(どちらの仕事を優先するか?)

3つめは組織でよくある事例を考えてみます。

ある製品を作っている会社で、顧客から急な仕様変更要望があり、営業部門から技術部門に仕様変更の依頼をしたとします。

この場合の対立するのは以下の2つです。

・その仕事をやる
・その仕事をやらない

営業部門は、顧客の要望を受けて次の案件にもつなげていきたいと思っています。

一方で、技術部門は他にもたくさん抱えている仕事があるので、元々の約束になかった仕様変更依頼を受けずに他の仕事をやりたいと思っています。

営業部門の強い会社だと、「顧客の要求には、全部対応するべきだろ」となって、技術部門が無理をしながら対応します。

技術部門の強い会社だと、「約束に無いものは。できないに決まっているだろ」となって、営業部門が泣く泣く顧客に言い訳をする羽目になります。

このような一方的な解決策はWIN-WINではないので、TOCクラウドで整理して解決策を考えてみます。

画像5

これまで同様に、要望の両立策を考えていきます。

画像6

解決策1(要望1と要求2を満たす)
技術部門がすぐには対応できない理由を顧客に直接説明する。。わざわざ技術部門が出てきて誠実に回答されると、顧客側の社内で「できない理由の説明がつく」として、逆に感謝してくれる場合があります。

解決策2(要望2と要求1を満たす)
もし他の仕事も同じ営業部門が営業を担当しているなら、交渉をして他の仕事の納期を調整してもらう。(厳密には他の仕事を優先すべきという前提を見直す解決策です)

解決策3(要望を両立する)
仕様変更することによる値上げを顧客に認めてもらい、残業して対応する。

解決策4(要望を両立する)
今ある仕事のうち、アウトソースできる仕事を外注して、顧客の要望に対応する。

他にもアイデアはあると思いますが、大事なのは「やるーやらない」の押し問答をしないようにして、裏に要望と目的を丁寧におさえながら解決策を見出していくことです。


TOCクラウドを使って対立を解消するためのポイント

改めて、ポイントをまとめます。

・対立を要求のまま捉えるのではなく、その裏にある要望と目的を整理することで二者択一の対立関係から抜け出す。
・次に、要求と要望をクロスさせる方法と、要望を両立する方法を考えてみる。(練習すると、いくつもアイデアを出せるようになってきます)
・チームで対立が起きている場合は、チームメンバー全員で議論をすることで、チーム同士の対立を無くして共通の目標・ゴールを設定することができる。

以上、みなさんが日々直面する対立を解消するヒントになるようでしたら幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?