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コレサワになりたい、なりたくない、

コレサワという女の子がいる。めっぽう気が強くて、でも多分結構寂しがりやで、恋をしたりしなかったりしている。私たちのために歌を作って、歌ってくれる可愛い女の子だ。

コレサワが作る全ての曲が好き。可愛くて、でも皮肉もパンチもしっかり効いている。コレサワの曲に出てくる女の子は多分いつも同じ。すごく普通の女の子。音楽が好きで、こだわりが強くて、お茶目でちょっとワガママ。私はコレサワの中身を何も知らないので、どうしてもこの子がコレサワなのかなと思ってしまう。


こういう考え方は良くないかもしれない。曲を作るときに自分ではない誰かのことを歌ってることなんて腐るほどあるだろう。「全部が私のことだと思うなよ」とコレサワもaikoも大森靖子も思っている気がする。あと椎木知仁も。だから冒頭に書いたコレサワの性格なんて私が曲を聴いて想像したに過ぎない。ごめんなさい。

でも、やっぱりコレサワは可愛い女の子だと思う。これは私が曲の中に出てくる「アタシ」をある程度はコレサワ自身だと思っているからなんだけど。私はいつも彼女みたいな考え方や言葉選びを出来るイイ女になりたいぜと思っている。

ただそれと同じくらい、こんなクソ女になってたまるか!とも思う。アーごめんなさい。でもマジでそう。「コレサワさんあんた世界一可愛い女だぜ!」という日と「てめぇそのよく回る口縫い付けたろか」という日がある。なんでなんだろうね。今回はそういう記事です。


コレサワは、強くて弱い。ワガママを言う時は大抵愛を確かめたい時。でも本当はそんなこと思っていなくて、強気なことを言った後すぐに「やっぱり嘘!」と慌てて言うような女の子。ちょっとウザくて結構かわい〜ね。

あたしが死んでも

あたしが死んでも彼女は作らないでね
恋をしないで あたし以外と あたし以外と

あたしが死んでも / コレサワ

この曲はカップルのたわいもない会話から始まる。「ねえ、あたしが死んだらどうする?」まあ普通にダルい。知らん。でも彼氏はそんなエベレスト級にダルい質問にも極めて真摯に答えてくれる。「最後の日までずっと側にいるよ、もうトイレにだって行かないよ」と。

偉い


ぶん殴っても罪には問われないというのに。指の1本や2本へし折っても大丈夫なのに。でもコレサワという女はそんな回答じゃ満足してくれない。「ああ、なんだ一緒に来てくれないのね」と言い放つ。完全に拗ねている。

マジかよ


なんて女だ。トイレにも行かないって言ってるんだよ?排泄を犠牲にしてお前と一緒に居たいって言ってるんだよ?なあ、おい。


で、その後の歌詞が冒頭のやつなんだけど、ズルいなあと思う。こんな理不尽に怒られた後にあたし以外と恋をしないで。なんてハッキリ言われたら思わず笑ってしまう。そうだね、君以外となんてしないよと思わず言ってしまいそう。そんなこと気にしてるんだ、さっきまで文句ばっかり言ってたくせに、可愛いねって。

これだけでもコレサワという女は十分可愛いのに。彼女はこんなもんでは終わらない。

あたしが死んだら彼女は作らないでねって
言ったけど 嘘だからね 嘘だからね
あたしよりもいい彼女はいないと思うけど
恋をしてね あたし以外と あたし以外と

あたしが死んでも / コレサワ

コレサワ〜!!!!!

なんて、なんて可愛い女の子だろうか。散々ワガママを言って恋なんてしないでよなんて言ってたのに。彼女は本当はそんなこと思っていない。自分がいなくても幸せになってほしい。次の恋だってちゃんとしてほしい。一緒に死ぬなんて言わないでほしい。でも、次に誰かと恋をした時にこの会話を思い出してほしいのだ。

ぜーんぶもしもの話。ただのバカップルの戯れである。それなのにラストではぐっと心を掴まれる。これがコレサワの強さと弱さ、ひいてはウザさと可愛さのバランスなんです。



コレサワ(の曲に出てくる女の子)は気が強い。いや、気が強いというか「あたしを愛しているのならちゃんと態度で表しなさいよ」というメッセージがびしばしと伝わってくる。それは本当にそう。コレサワが正しい。

ただ、実はコレサワ(以下同文)が付き合う男は大体ちょっとだらしない。お前みたいなキュートでイイ女ならもっとちゃんとした男と付き合えるだろ!と言いたくなるやつばかりが出てくる。でもコレサワはいつも100%の想いで彼を、彼らを愛している。だから可愛い。そんな彼女らしさ全開なのがこの曲。

ぷんぷん

タイトルの通り怒ってます。でもタイトルの通りほんとはあんまり怒ってません。そういう曲。付き合っている彼はだらしない。買ったアイスクリームを冷凍庫に入れるのを忘れたり、女の子がいる飲み会に連絡せずにほいほい行ったりする。うぜ〜ね。殴っていいよ〜

あなたと交わしたキスと
あなたが忘れてる約束を
数えたらどちらが勝つでしょうね

ぷんぷん / コレサワ

怖い


いや、今回は彼氏がしょうもないからいいんだけどさ。あなたの彼氏バカだからこういう嫌味言っても気付かないんじゃないかな。コレサワにはこういうところがある。所謂「俺の彼女怖いんだよね」ムーブをナチュラルにしてしまう。そりゃあ事の発端は彼氏だし、彼氏を殴っても罪には問われない。でもそれ言っちゃうんだ…って感じのことを言っちゃうのは彼女の悪いところ。私だったらこんなこと言わない。

誰とも遊ぶなって そんなこと言う女じゃないわ
だけどさ、あの子はあなたのことが好きよ
優しさを間違えて 分からないふりなんてしないで

ぷんぷん / コレサワ


でもコレサワはここまで言える女の子なのだ。さっきまでの嫌味もこんなこと言われたらノックアウト。ヤキモチの焼き方が上手すぎる。本当は分かってるんでしょう、と少し悲しそうな顔で言われたら全部かなぐり捨てて飲み会もブッチして帰るってもんですよ。

私は自分の男がウザいなって思ってもこんなだるい嫌味は言わない。自分に非を作りたくないし、大人なので腹が立ったことを腹が立ったと言うのはなんかダサい気がしてしまう。だからコレサワになんてなりたくないね、と思う。こういう女でないことに優越感すら抱いたりする。

だけどコレサワは、コレサワという女はちゃんと最後にはめちゃくちゃ可愛い女になることができる。それは最初のワガママや嫌味なんて吹き飛ぶくらい素直でお茶目で魅力的だ。私が見てくれを気にして変に大人ぶっている間に、彼女は圧倒的な魅力で諸問題を蹴散らしていく。

やっぱりコレサワみたいになりたいかも、と思ってしまう。



コレサワという人は、多分マジで気が強い。これは曲に出てくる女の子の話じゃなくて中の人のこと。他は全部推測だけどこれだけは言える。この女は絶対に絶対に気が強い。

死ぬこと以外かすり傷

タイトルから気の強さが漏れちゃってる。気が弱いやつはこんな言葉をタイトルに持ってこないんだよ。

どうやらコレサワはちょっとヤンチャな、ギャルい青春を過ごしていたらしい。友達が回転寿司で食べたお皿持って帰ろうとしたり、バイクを飛ばして真夜中のドンキに行ったりと大層青春を謳歌されている。怖いよ。

君が頑張れそうな朝を
イヤホンからプレゼントしたいよ
うちらが持っている根拠のない自信だけ
無くさないでいこう

死ぬこと以外かすり傷 / コレサワ

でも強い分だけ優しい彼女だからこそこんな歌詞が書けるのだ。コレサワは恋をしている時は面倒だし怖いし弱虫なのに、世界に向けて私に向けて歌う時にはものすごく煌めいている。

SPARK!!

叶わなかった夢 数えないで
愛されていないフリなどしないで
腐らないでよ

SPARK!! / コレサワ

私が世界で一番好きな歌詞はこれかもしれない。こんな、こんな最高なことを真っ直ぐに歌われたら眩しすぎてくらくらしてしまうよ。コレサワの強さは、本当は強くないのかもしれないけど強く見せようとしてくれるその優しさは、いつも私を救ってくれる。コレサワみたいに生きたい。「前を向いて生きよう」なんて言われる1億倍いい。最高だよ。



コレサワという女の子は、多分めちゃくちゃ面倒くさい。メンヘラだし。こんな女にはなりたくねえな〜と思う。そう思っているはずなのに気が付いたら彼女のことが羨ましくてカッコよくて眩しくて堪らなくなっている。きっとこれが才能ってやつなんだ。魅力的な女の子に振り回される気持ちってこんな感じなのかな。

こういう女になることはきっとできない。私は暗くて見栄っ張りなので。でもこんな女の子が隣の部屋に越して来たらいいなと思う。そして友達になりたいな。格好悪い私のことを笑い飛ばして、真っ直ぐな瞳で大丈夫だよと言ってほしい。コレサワという歌手は、私にとってずっと「なりたくてなりたくない、でもやっぱりなりたい」存在なのだ。


最後に新曲の「最後の行ってきます」で私が痺れて動けなくなっちゃった歌詞を紹介して終わります。同棲を解消することになった2人の歌です。私も愛しい人と別れたらこう言います。痛いかな。

なんで?なんて周りに聞かれたら
もうこう答えよう
私は火星に あなたは水星に
出張が決まりましたのでこれでさよならなの

最後の行ってきます / コレサワ

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