心の中の宝物

田んぼの真ん中にある農家の家に生まれた私
小さい頃は自然が今より豊かで
おじいちゃんの自転車の荷台に乗っかって、ホタルを見に行っていた

小さい頃、我が家は大家族で
最大で９人暮らしだった

〈内訳〉
①ひいおばあちゃん
②おじいちゃん
③おばあちゃん
④おじいちゃんの妹
⑤父
⑥母
⑦兄
⑧姉
⑨わたし


家も築100年は超え
戸の隙間も1番大きい所で5cm位あった
玄関は多分18畳くらいあって
もちろん土間
その玄関に5、6人座れるソファーも置いてあって
野良作業して汚い足元のまま、そのまま休憩できるようになっていた
近所のおじさんが来たらお茶が始まるし
近所のおじさんおばさんが、勝手に玄関を開けて「いねぇかぁー」って入ってくるのはいつものこと
もはや鍵なんてかけていないし
扉も開けっぱなし
(今は建て替えてカギもかけてます)


平成生まれだけど、the昭和の家だった


同級生でこんな家に住んでる人はほぼいなかった


でも、
他の人の家に行って綺麗な家を羨ましいと思ったことは

なかった


私はこの家族環境が大好きだったんだと思う


こんな所で育った私は

おじいちゃんおばあちゃんと呼ばれる世代の方達が大好きになっている


おばあちゃんが作ってくれた
自家製の梅干しや、梅ジュース、梅酒
干し芋やら、干し柿

おじいちゃんが外で火おこしして、釜で炊いたもち米から作る、おもち

おじいちゃんが編むしめ縄

おじいちゃん、おばあちゃんが作る
新鮮な野菜に、お米

おじいちゃんの妹が作る
手作りのコロッケや、ポテトサラダや
お月見のお団子


田んぼのふちを全速力で走り回って遊んで

田んぼに水が入るとカエルが一斉に鳴き出して

稲の成長と共に田んぼの色が変わり、匂いが変わり、五感を通じて1年の季節の変化を感じる


いま考えると、
自然の中で思いっきり遊んで
新鮮なものを食べて
贅沢な経験をさせてもらった


この思い出と
この経験は


私の中にある宝物


そう、宝物なのです


私の土台となるものが
ここから作られたのです

とても大切な宝物




今は大好きだったおじいちゃんたちは誰も生きていない


おじいちゃんのお葬式で火葬を待っている時、頻繁には会えない叔母さんから、こんな話を聞いた

「おじいちゃんさ、〇〇ちゃん(兄のこと)が生まれた時に、〇〇ちゃんが大きくなったら食べれるようになるようにって、ブドウの木を植えたんだって、すっごい嬉しそうに話してたのが印象的だったな」


初耳だった



ブドウの木は当たり前にあって

酸っぱくて美味しいわけじゃないけど

いつも目に入っていたブドウの木

そこにあるのが当たり前のそのブドウの木に

そんな想いが込められていたとは…(感動)


実家の庭には色々な果物の木があって
色々な種類の木もあって
庭の一角が日本庭園風になっているところもある

きっとそれらも、先祖の誰かが何かを思って
大事に育んだもので

そこに先祖の想いがつまっている

そう思うと

あって当たり前だったものに、想いを馳せてしまう


いったいどんな思いで植えて
どんな気持ちで育ててきたんだろう


その形だけがずっと残って存在している

当たり前にあったものだけど、それはもう当たり前ではなくなった



今はもう

ひいおばあちゃんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、おじいちゃんの妹も

この世にはいない

会った事のないご先祖さんたちも

私が大好きだったおじいちゃん達のように

残してくれた愛を感じる


目には見えない大切な想いがいっぱいある

気づけてすらいない、大切な想いもあるだろう




世の中には理不尽なことも
恨みたくなるようなことも
人生に絶望することも
ひとりぼっちだと感じることも

いっぱいある

でも私たちはやっぱり、


ひとりじゃない



私が生まれるまでに、色々な人生のドラマを生き抜きながら

私まで繋いだ命がある

あなたまで繋がった命がある

壮絶な人生があった時もあるだろう

想像を絶する人生があった時もあるだろう

でもこうして命が繋がっている

この想いは、私の中に生きているし

みんなの中にも生きている

おじいちゃん、おばあちゃん達が私にしてくれた愛は

私の中にある大切な宝物

でも、
先祖からしたら、「あなたが宝物だ」と言うだろう


つまり、
地球上に生きてるみんな
一人一人が誰かの大切な宝物のような存在ということだ



みんなの愛を感じながら

みんなの想いを感じ取りながら

今まで大切に守ってきてくれたものを

私は大切にしたいと思う



みなさんはどんな宝物をお持ちでしょうか💐

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子どもの頃のことを考えていたら、壮大な話になってしまったけど😂

最後まで読んでくれた方
ありがとうございます✨