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ふたりの生活は続く

残念ながら、初めての胚移植はうまくいかなかった。

血液検査で妊娠判定を受ける数日前から下腹部に鈍い痛みがあった。着床痛だったらいいなとか、妊娠して身体が変わってきているのかも知れない、と薄い期待を持っていけど、同時にこれは生理前のいつものやつかも知れないとうっすら考えていたのも事実。

妊娠してるかもと期待しすぎると、結果がネガティブだったらその分落ち込むから、先回りして自分を守っていたとも言える。

判定日の午後、担当看護師からかかってきた電話は「残念ながら今回は…」というこれまで何度も聞いた言葉を伝えるものだった。

高い治療費を払って、山ほど注射を頑張って、薬を飲んで、病院に通って、物凄く質のいい胚が出来たのに、体外受精で示される分類ではまだギリギリ若いはずなのに、それでもうまくいかなかった。簡単じゃない。涙が沢山でた。

夫はわたしをぎゅっと抱きしめて「だいじょうぶだよ」と何度も言ってくれた。わたしも同じように腕に力を込めて、「そうだよね」と繰り返した。

これまでも2人だったし、差し当たってはこれからも2人で生きていくということが、再び一旦決まった日だった。それもまたいいよね。

だいじょうぶ、私たちは大丈夫。
あったかくして2人でまた頑張ろう。

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