まちに生きる、ねこ

斜面地のねこ事情

長崎はねこの街として有名です。その理由はいろいろありますが、その一つは長崎特有の斜面地に家が密集しているからです。そこには狭くて急な坂道や階段が多く、車の侵入を妨げているために、ねこにとって安心、安全な住処となっているのです。
 先日、初めて調査に行った地域も斜面地に広がる戸建ての多い地域でした。ところがほかの場所と比べてねこの頭数が少なく、道路に糞尿の臭いもほぼありません。また「ノラネコにエサをあげないでください」と書かれたマナー看板やポスターを1枚も見つけることができませんでした。これまで調査で訪れた場所には必ずと言っていいほどマナー看板やポスターが掲示されていたので、不思議です。
 同じ斜面地でありながら、この違いはどこから来るのでしょうか? 歩きながら考えてみました。このエリアはかなり上まで広い道路が通っていました。新しく立て替えた家に若い世代が住んでいるらしい住宅があちこちにありました。日常生活に車が使えるか、どうかは、住民の年齢構成に影響を与えるのだと、歩いてみてよくわかりました。
しかし、住む人にとって便利な(快適かどうかは別として)ところは、ねこにとってはあまり住みやすい場所ではなさそうですけどね。
(塾長 中島)

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