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1分しまうま【ショートショートnote_35/創作】

先週に引き続き、お題の企画に、記事を投稿しようと思う。

企画ものが苦手で、創作も苦手。面倒臭がりで、期限が守れない、超マイペースな私が、どうしてだろうか。

ショートショートは、いつも、ウンウン言いながら、捻り出す。時間と労力が、むちゃくちゃ、かかる。この程度でも。

だが、今日は、更に短く。2時間くらいしか時間がなかった。何とかかんとか、1次案が出て来たが、それをそのまんま、投稿する。

しかも、かなり、飲んでいる。日本酒、「桃川」純米吟醸。五臓六腑ごぞうろっぷに染み渡った。単なる酔っ払いである。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

飲んだ方が、むしろ、いいかもよ。


だとしたら、少し、寂しいな。


1分しまうま


では、たらはかにさんの記事のお題から。

本編、「1分しまうま」、約410字を、どうぞ。


☆    ☆    ☆


ひかりは、ショットバーのバーテンをやっている。幼い頃から、テレパシーというのか、不思議な力を持っていた。

店に最近、よく来る男がいる。作業服のような出で立ちで。独特の動物臭がする。

カウンターに座り。寡黙かもくにワンショット飲み、壁を遠目にぼんやり眺め。最後にため息をついて帰る。


光は、みだりに人の心の中に立ち入らない。




ある雨の日の深夜。ガランと、扉の鈴が鳴った。

あの男だ。


カウンターに座るなり、オーダーしつつひかりに話しかけてきた。

「俺、飼育員なんです。でも、明日、友人を残して田舎に帰ります。」


ひかりは、言葉を、ゆっくり、静かに交わした。


「寂しくなりますね。」

「ええ。」



ひかりは、テレパシーで、一瞬の間に、すべてをさとった。


男は、疲れているのか、1分ほど微睡まどろんだ。


ひかりは、男に、しまうまの太朗たろうから受け取った惜別せきべつの気持ちを伝えた。


男は、ハッとして目覚めた。

一筋の光がほほを伝った。



「あがりがとう。来て良かった。」



男は、柔らかな笑顔を残し、店を出た。

☆    ☆    ☆

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