炊飯器
家内のこだわりポイントは、ポイ活とクーポンと節約である。
だが、いかに拘りのある家内とは言え、本質は変わらないという話である。
逆に、家内の本質とは、ひと言で言うと、面倒くさがりということである。
我が家には、かなり安めの、Amazonでもタイムセールでしか買えないような安い炊飯器がある。
家内は、ご飯を炊き、そのごはんが無くなると、内釜は必ず洗う。
だがそれが乾いたら、炊飯器にセットするということは、しない。それは、私の役割なのである。
そしてもう一つ。
内釜の蓋があるのだが。
これは、絶対に洗わない。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
普通、内釜と内釜蓋は、セットで。綺麗にしたいなら、同時に外して同時に洗い、同時に戻すよね。
家内にとって綺麗にしなければならないのは、ご飯粒が入っている釜であって、その蓋は、関係ないのである。
家内には独特独自の「鉄の哲学」があるのである。それは、我が家の憲法のようなもので。何人たりとも犯すべからざるものなのである。
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、そんな屁理屈こねて私を困らせる暇があったら、マッサージね。
……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。