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ショートショート_手始め

懐かしい響き。それは、私にとっては、なぜか、放課後のブラスバンドの練習の音だ。

ブラスバンドのメンバーは、なぜか、校舎から校庭を向いて楽器を吹く。その音が始終、グラウンドを漂っている。

練習の音だから、リズムやメロディがあるわけではない。それが、絶えず漂っているのである。

夕方になると、今でも時々、鳴ってもいないのに、そういう音を感じたりする。

青春はいつもほろ苦く切なかったけれど。なんだか希望の匂いや響きがするのである。


そんなつまらないことに頭を巡らせながら、日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「懐かしい」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【ときめきビザ】で。裏のお題が【ひらめき膝】|д゚)チラッ、ということだ。


そしてそして、山根あきらさんのお題は、ちょっと早めに出る。

「#魔法の言葉」というお題で、作品を投稿してみませんか😊?ということで。

今回は、表お題も、裏お題も、文中に入れさせてもらおう。


また、今回は、ムーミンママさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。

シロクマ感想文を書こうと、「シロクマ文芸部」・「流れ星」で、検索して飛んでいったのだ。今回はこの記事でシロクマ感想文を書いてみようと思う。

食べ物の匂いが懐かしい記憶を呼び起こすことが、確かにある。食べ物でいうと、私はスイカである。この匂いはすごく懐かしさを誘う。

あと、グラブの匂い。ボールの匂い。これは、新しいものわ匂うと、思わず何度もクンクンしてしまう。

でも、学生時代の、あの頃を思い起こしたところで、結構切ない想い出しかない。残念ながら。そうした匂いを辿って出てくるのは、どこか、切ない、やりきれないものなのだ。でも、そんなこんなを思い出してしまい、匂いを二度匂いしてしまう。

私はかなりの変わり者で、悪ガキだった。学生時代は、思い起こすと、どうしても塩っぱい感じがする。それでも、なんだか、若かりし頃、学生時代というのは、ほんのり暖かくて優しくて。もう戻れはしないし、戻ろうとも思わないけれど。

平和な時代だったということが、ほんとうに有難かった。今回も、懐かしさを、思い起こしてくれる、言い記事だった。


生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。




小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。3人の企画は、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃる。だが、毎週お題を出すだけでも大変だと思うのである。

ほんとうにありがたい。毎週の日曜日の、私の励みである。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のお題、山根あきらさんのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで加えると5重の荒技。

あまりにもやりすぎじゃないかな。



うむ。まあ、私にも事情があって。本当は、ひとつひとつ丁寧に書きたいのだが、まだ、それが、どうしてもできない。

これで何週間だろうか…。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まあな。申し訳ないな。みなさんに。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?


うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。


私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、そうそううまくはいかず。いつも、反省している。少しばかり。


なんのはなしですか。


多くは望まない、欲はかかない



さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「手始め」約410字を、どうぞ。



☆         ☆         ☆

懐かしいもの。それはカステラなのである。

3人は次に、カステラをオーダーした。


「この匂いは、頭を巡らせる」

財前は不意に、膝を叩いた。


そしてテーブルに小さなチップを3枚置いた。

皆、スマートウォッチに仕込む。


涼が画面をタッチしようとすると財前が制した。

「魔法の言葉は、テクマクマヤコンだ」


一瞬、場が凍てつきかけたが、気を取り直して涼が提案した。

「手始めに、店を変えよう」


会計を済ませると、泉が小声で唱えた。

「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、3人ともドミノに行けぇっ!」


無事、瞬間移動できた。



すぐさまピザをつつきながら3人で問題点を整理した。

①我々は秘密警察。アッコちゃんではない
②まして、その存在こそ秘密
③呪文を唱えるのが面倒
だが財前からは、常に物理的にボタンを押せる状況とは限らないと、まともな意見も出た。


結局、脳内で目的を唱えて起動する瞬間時空移動チップに仕様が改まり、実用化となった。


財前。真面目か否か、微妙な男だ。


☆         ☆         ☆


荒技も、もう、やり始めて1年以上になる。何回目だろうか。また今度、数えてみよう。

振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。

今夜も、マッサー、頼むわ。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。


まあ、明日も元気にいこう


(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。




この判子があると、締まる





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