よっちゃん
このあいだ、長女を空港まで迎えに行き、一瞬だけ、我が家に立ち寄った。そして、また、駐車場に戻る途中、エレベーター内で、長女と次女が、よっちゃんを、食べているのを目撃した。
長女に言った。
それ、俺のだよね。
うん。
勝手に持ち出したの?
うん。
俺の好物だって、知ってるよね。
うん。
でもね、コジ。
これ、私の、いや、私たちの、好物でもあるの。
そこで、家内が、割って入った。
私にも、ちょうだい。
私以外の3人が、よっちゃんを、頬張っている。
心の中の、リトルkojuroが、寂しそうに、つぶやいた。
もう、これ、コジの元に、戻らないね。
よっちゃんは、いくつかの、種類がある。
我が家は、私のみならず、全員が、ファンである。
このあいだの、キャンペーンダンサー(注1)期間に、家内が、買い足しておいてくれた。
ただ、これを売っているお店は、キャンペーンをやっていた、隣町に、ある。だが、キャンペーン対象外のお店だった。
長女の自宅に着き、よっちゃんは、綺麗に無くなっていた。
そして、空いた、入れ物が、残った。
私は、それを、もらって帰った。
家で、綺麗に洗い、今は、こんな感じになっている。
中身は、全部、凡打の山である。つまり、ホームランバーと、チョコボールのハズレ、である。
だが、もちろん、これ以外に、この空き容器は、いろいろ、使える。
心の中の、リトルkojuroが、感慨深げに、つぶやいた。
よっちゃんは、みんなの、よっちゃんだな。
独り占めは、できないな。
空いた容器を眺めつつ、私は、つくづく、確かに、そうなんだと、思った。
我が家は、家内をはじめ、家族が仲良くしてくれているから、明るく、平和なのである。
だから、
これで、いいのだ。
その夜は、ベランダから見える家々の灯りが、ほのぼのとして見えた。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?