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菖蒲湯

この記事を書いているのは、5月6日である。その日に菖蒲湯とは、ちょっと、1日遅いのではないかと言われれば、まさに、その通りである。

家内は、本については、気に入っていても一行も読まずに図書館に返却したり、転売したりするのだが、まずまず、きちんと季節感を醸し出しながら生活することを好んでいる。

私は、あまり季節感を感じない、どちらかというと、ルーチンワーカーなので、家内のこの季節感は、大したものだと、いつも、感心している。

実は、5月2日に、きちんと、菖蒲は、購入していたのだ。そして、こどもの日の、菖蒲湯の準備をしていた。

だが、夕方になって、長男を新幹線の駅まで送ることになった。そして、帰宅したのが、夜半であった。そのうえ、次女は、友人宅に泊まりで課題提出をするとのことで、我が家には、私と家内の2人きりになった。


家内が、言った。

さあ、菖蒲湯に、入りましょう。

2人だけだけれど。



だが、私が、提案したのだ。

どうせ今からお湯を沸かすのならば、もう、明日にしよう。

1日遅れても、子供はいないし。

2人だけだから、繰り越して明日入っても、罰は当たらないだろう。

もう、片付けて、明日の準備をして、シャワーで、済まそう。


家内は、本来ならば、そこで、こだわるのだが、すぐに、引き下がった。

よほど疲れていたのだと思う。

何せ、家内の要望とは言え、運転は、家内が、全部する(注1)のだ。


だから、本来、家内にマッサージをしてあげることくらい、お安い御用なのである。


だが、昨晩は、流石に足を出してこなかった。

遅くまで、フリマアプリの件で、長男とやりとりしていた。

フリマアプリは、家内にとっては、重要な節約のためのツールなのである。


心の中の、リトルkojuroが、ぼそっと、呟いた。

少なからず、満足に繋がっているのだから、外野がとやかく言わないでおこう。


家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。

それが満たされれば、家内は、上機嫌なのである。そして、家内が上機嫌であれば、我が家は、明るく平和を保てることになる。



昨晩は、不覚にも、私が先に、寝入ってしまった。

1日遅れの菖蒲湯に浸かりながら、私は、週末は、黙ってマッサージをしてあげようと思い至ったのである。

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お風呂上がりのバスタオルは、微かに、菖蒲の匂いがした。


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