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だんだん高くなる宝石【ショートショートnote_31/創作】

家内が私を追求するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。


ショートショートnoteカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。


今回は、家内に、あらかじめスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。

今回のお題は、この5枚から選んでもらう

家内が選んだ2枚は、これだ。

なんだか当たり前過ぎて、こういうのも、困るんだよね

家内のお題から。


では、本編、「だんだん高くなる宝石」、410字を、どうぞ。




☆    ☆    ☆

エージェント小十朗が、絶体絶命の状態から奇跡的にミッションをコンプリートした鍵は所持していたお守りの宝石であることは明らかだった。

それは即座に本部に接収され、解析プロジェクトが立ち上がり、躍起になって研究を急いだ。

ところがある日、それは何者かに盗まれ、突如フリマアプリで売り出された。

各国諜報部が必死で落札を試み、だんだんと高騰し篦棒べらぼうな金額につり上がった。

やがて本部は絶望的な結論に辿たどり着いた。すなわち、そのお守りには最初の持ち主が刷り込まれ、その人物でなければ奇跡は発動しないことが判明したのだ。

本部は解析プロジェクトを解散した。その途端宝石は暴落し、フリマアプリから瞬時に消え去った。

それからである。小十朗がミッション・インポッシブルに投入されるようになったのは。

お守りは未返却なままだ。だが本部は犯人を小十朗こじゅうろうと断定し、ミッションをこなし続ける限り罪は問わないことを決定したのである。

冤罪えんざいとは、実に過酷なものである。



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