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今年も、また、この季節になった。2年前から、梨が、レジェンドから送られてくるのだ。

レジェンドというのは、以前、「縁」という記事で書いた人である。長女が属していたスポーツチームに、大事な試合は遠方から、必ず駆けつけてきてくれる。それは、何十年も前からなのだ。みんなにレジェンドと呼ばれているのだが、OGの保護者ではない。チームとの縁は、どんな縁なのだろうか。そのきっかけについては、誰も真相を知らない。みんな、恐れ多くて気軽に喋りかけたりは、出来ない人だ。



一箱送って頂いたので、私は、まだまだ先が長いと、思い込んでいた。ところが2、3日も経った頃、箱の中身を覗き込んで愕然とした。

残り、僅かなのだ。

えっ、えっ、ちょっと待ってよ....

いつもの如く、心の中で膝から崩れ落ちながら落胆して呟いた。あくまでも心の中の声だったが、私があまりに長時間寂しげに箱を凝視していたのを見て家内が言った。

当然、お裾分け、でしょ。

いやいや。お裾分けというのは、お裾を分けるわけで、これじゃ、こっちがお裾じゃないの?

と、これも、心の中で小声で呟いた。


チームに対して、レジェンドも私も、最前線で応援した。全身全霊で応援した。だが、今年は、新人戦こそ出場したものの、春期も、地域ブロック大会も、夏期も、インハイも、すべて中止になった。いちばんかわいそうなのは、チームの選手達だ。あまりにも可愛そう過ぎて、本当に言葉がない。

こんな状態がいつまで続くのだろうか。レジェンドへのお礼の葉書を書きつつ、また、一緒にチームを応援しに行きたいものだと、切に思った。

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