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ものづくり初心者が意識すべき基本的な考え方とは?

私はものづくりに関して、全くの初心者…

しかし、最近、3Dプリンタを利用して、ものづくりに関わることが多い。

その活動を通じて、この一年で出会ったものづくりのプロの考え方に触れた。
はじめはその考え方がよく理解できなかったが、最近やっと自分なりに理解をできるようになった。

非常に感銘を受けた考え方なので、備忘録的にまとめたい。

ものを生み出すということには、大きく分けて2つの属性が存在するのだ。

0を1にするものづくり

我々は、多くの工業製品に囲まれて生活をしている。

冷蔵庫に、掃除機、洗濯機、空気清浄機など、今ではなくてはならない存在にまでなっている。
これらの製品がない家庭は「え?大丈夫なの??」と思われるくらいだ。

しかし、このような製品が本当になければ生活できないのだろうか?

たしかに、これらの工業製品は我々の生活をかなり豊かにした。買ったものは腐らないし、掃除は簡単だし、スイッチ1つで洗濯が終了する。これまでとは比べ物にならないくらい、多くの時間がそこで生まれるようになった。

一方で、多くの無駄も生まれた。
腐らないからといって多くの消費を買ってしまい、性能の悪い製品を買い求めることで消費する電力の割にはきれいにならない、乾燥という自然のままでも起こる現象を電力に頼るようになった。

0から1を作り出すというと、すごく偉大なことのように聞こえるが、すべてがそうとは限らないのだ。

私は最初ものづくりというと「0から1を作り出す」という、この考え方が一般的なのだと思っていた。いや、たぶん一般的だ。

しかし、このものづくりは「なくても生活できるよね?」という見方もできる。

今では広く一般化されてしまった工業製品だが、個人の困りごとから生み出されていないため、これらの工業製品がいらない人たちも一定数いる。

私も最近、いらないなぁと感じることがある。

一人暮らしで、そんなに商品を買わないので冬場などは冷蔵庫の電源をつけているのがもったいないと感じるし、掃除機よりはほうきで掃いたほうが、それよりも雑巾で拭いたほうが綺麗になると思っている。

洗濯機はまだまだいるかな?笑

「なくても生活できるよね?」
と、個人で問いかけたときに、
「YES!」
そのように答えられるのが0を1にするものづくりなのだと思う。

-1を0に戻すものづくり

私が感銘を受けた考え方は「マイナスをもとの0に戻す」という考え方だ。

ここでは、さきほどの大衆向けの製品ではなく、個人の課題に基づいた考え方をする。

個人の課題とは何だろう?

それは、普段自分が困難に感じていることだ。(そのままだ笑)

これは他人と共有されていなくても良い。
自分自身が一番困っていて、それを解決したい!と思うときに必要となるものづくりの考え方だ。

たとえば、上手く箸が持てない人がいたとする。箸が持てない→ご飯がうまく食べられないので、この状況はマイナスである。

もちろん、箸なんか持てなくても、素手で食べれば食べられるので、もしそれで良いならこの問題は解決する。

ただこのご時世、周囲からの視線に耐えられるツワモノ(当事者だけでなく、付き添っている人も含めて)などなかなかいない。

そんな人が、自分のマイナスをゼロに戻すために、自分自身が持ちやすい箸を作ったり、そもそも箸ではなくスプーンを作ったりすれば、その人の課題は解決されたことになる。

この製品?は、広く一般的になるわけではないが、少なくともその人のマイナスはゼロに戻っているのである。

ものをつくるということ

このような考え方の視点で、ものづくりを眺めてみると、この世界には0を1にするものづくりが多いことに気付く。

もちろん、その考え方が悪い!というわけではない。私もそのものづくりに支えられて生きているので、否定するつもりはない。

しかし、3Dプリンタなど、自分で自由にものづくりができるようになった時代に、0を1にすることにどれくらいの価値があるのだろうか?と一度は考えてみてほしい。

せっかく、自分の困りごとを解決できる技術があるのに、ある種余計なものづくりをしてしまう考え方は、3Dプリンタをただのおもちゃとしてしか捉えられない発想になってしまう。

ものをつくるということは、自分の生活を豊かにすることだ。この豊かは、余計なことを生み出すということではない。

つくったもので「これなくてもいいよね?」と突っ込まれるわけではなく、「あぁ、これがあって助かった」と感じられるものづくりを目指したい。

そう思った今日この頃である。

#ものづくり #3Dプリンタ #製品 #fab #ファブリケーション #初心者 #備忘録

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