あなたのその行動、目的ですか?手段ですか?_備忘録
今の行動が目的なのか?それとも手段なのか?を見分けることは、自分では難しい…
そう感じたことはないだろうか?
ある生徒が「新しく同好会を作りたい!」と言ってきた。
私「なぜ、つくりたいの?」
生徒「活動するためには何か枠組みが必要だから。あと、みんなにこの活動を知ってもらいたいから。」
私「それって目的?手段?」
生徒「???」
この生徒はあるボランティア系の活動を学校の中で広めたかったそうだ。このボランティアは、他の学校なら当たり前にやっていることなのに、うちの学校ではそんなに認知されてないからその活動を広めたいのだと言う。
「うん、良いことだね!」
「でも、なぜ新しく同好会を立ち上げる必要があるの??」
学校にはボランティア部がある。今のボランティア部が活動していることと、彼女がやろうとしていることは、細かいところでは違うが大まかな点では同じである。
「既存の部活動があるのに新しい同好会を立ち上げる必要があるの?」
そう問いかけると
「必要あるんです!」
と彼女は答えた。
私はさらに質問を続ける。
私「その活動内容だと、ボランティア部と似たところがあるし、もしかしたら同好会として認められないかもよ?もし同好会が認められなかったら、そのときはどうするの?」
生徒「みんなに告知して、活動を知ってもらいます!」
私「それって、同好会を立ち上げてからしかできないの?」
生徒「???」
なぜ私がここまでこの生徒につっかかったのか?それは同好会を立ち上げることが目的化してしまっているのではないか?と思ったからである。
彼女は、同好会をつくらないと活動ができないと主張していたが、実際にそういう枠組みをつくらなければ活動はできないのだろうか?
いや、できる。
同好会が認められようと認められまいと、その決定がわかるのは5月ごろだ。認められなかった場合でも、彼女は活動をおこなうと言っていた。
「ん?それなら、その活動って今からできるはずだよね?」
彼女の目的は、あるボランティア活動をしていくことを通じて学校内のみんなにそれを知ってもらうことだ。
同好会をつくるのは、あくまで手段であって目的ではない。
目的を達成するにはいくつか手段があり、そのときに適した手段を選択する必要がある。
彼女が目的達成のために今、取れる手段は
・同志を集める。
・実際に同志と活動をおこなう。
・その活動の報告会みたいなものを企画して、みんなに知ってもらう。
・告知用のチラシをつくる。
・既存のボランティア部の中で活動できないか、該当の顧問の先生にお願いしにいく。
・同好会を立ち上げるべく、まずは新しい顧問の先生を探す。
といったところだろうか?
ざっくりと手段を考えてみたが、同好会をつくるとしても、つくる前から活動できるものがあることはご覧のとおりだ。
つまり、行動する順番が逆なのである。
「枠組みをつくる」→「活動する」
ではなく
「活動する」→「必要だったら枠組みをつくる」
という順番であるべきなのである。
多くの人は何かしたいことがあるときに、言い訳をつくりたがる。(うーん。私もやりがち…)
「〇〇をしたいけど、◆◆がないから…」
「△△は、□□がないとできないよね」
本当にそうだろうか?今回の場合は
「同好会みたいなのがないと、ボランティア系の活動ってできないよね」
というように当てはまる。
たしかに学校全体にその活動を広げるのであれば、何か枠組みみたいなのがあったほうが良いかもしれない。
しかし、その手段には、新しい同好会を立ち上げる以外にも、既存のボランティア部を利用する手も考えられる。
その生徒はどうしても新しい同好会を立ち上げることに固執してしまっていた。
私「なぜ、新しく同好会を立ち上げる必要があるの?」
生徒「インパクトがあるから。」
たしかに新しい同好会を立ち上げることで告知の効果は期待できる。しかし、それがあくまで手段であるということが分かっていなければ、手段が目的化してしまうのである。
たとえ、同好会が立ち上げられなかったとしても、活動するのであれば、今、活動すればいいのである。
その活動を通じて、同好会のような枠組みが必要になれば、そのときにつくってしまえばいいのではないだろうか?
目的と手段。
偉そうにいろいろ書いてしまったが、私も普段、目的と手段を勘違いしてしまうことがよくある。
今回の生徒との対話の中で、私も改めて気をつけなければならないなと感じた。したがって、備忘録的にまとめてみた。
本当の目的を達成するために、手段があるはずなのだ。
その手段を目的だと思ってはいけない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、高校生と地域貢献をするのための活動費用として使わせていただきます。