【書評】1日の2割で8割の仕事を_なぜ、あなたの仕事は終わらないのか_中島聡
久しぶりに意識高い系の本を読んだ。
この本の内容は、マイクロソフトでWindows95の開発にも携わったという中島聡さんが実践していた仕事時間術のことが書かれていた。
今回はその内容をまとめたいと思う。
こんな人にオススメ
「最近、自分のやりたいことができてないなぁ」
「仕事が全然終わらなくていつまでも帰れない…」
と思っている人にオススメです。
この本に書かれていることは、やりたいことを効率的に進めることではなく、
・どうしたらやりたいことをやる時間をつくるのか?
・やりたくないことを素早く終わらせるには?
といったことだったように感じています。
また、筆者は仕事が終わらない原因として、多くの人たちがラストスパートという概念を持っているせいだとしています。
ポイント①:まずはプロトタイプをつくる
考えてから手を動かすのでなく, 手を動かしながら考える。
皆さんはプロトタイプという言葉を聞いたことがあるだろうか?
プロトタイプとは、簡単にいうと試作品のことだ。
どんな仕事においても、まずはこのプロトタイプをつくってしまうほうが良いと筆者は言っている。
特に、すべての仕事はやり直しになることのほうが多い。自分の中では、いくら完璧にした仕事でも必ず訂正が入る。どうせ訂正が入るのであれば、大体のかたちができたものを一度つくってみた方が良い。
そして、インタラクティブに訂正箇所を直していくように仕事を進めたほうが結果的に早いのである。
プロトタイプの段階では、多少のバグは無視する。
仕事をリズミカルに進めていくためには、入念に石橋をたたいている暇なんてないのである。
ポイント②:プロトタイプは、2割の時間で8割の完成度を求めよ
仕事を進める上で一番重要なことは、「期限を守る」ということ。
期限を守れなければ、全体の進行に影響を与えてしまい、自分だけでなく他者にも迷惑をかけてしまう。そうなってしまうと、自分の信用を失うこととなり、最悪の場合、仕事を失ってしまう。
そうならないためにも、手元に来た仕事が期限内に完了できそうなのか?を正確に見積もることが必要となる。
この見積もりの際に重要なことが、その仕事にかけられる時間の2割で8割のプロトタイプをつくるということだ。
8割というと、まぁほぼ完成に近い。
たとえば期限が10日後だと仮定すると、最初の2日で8割のプロトタイプをつくってしまうことになる。
筆者はこれを「ロケットスタート」としていた。
ロケットスタートの期間で8割のプロトタイプが完成しなければ、期限の見直しを申し出るのだそうだ。
ポイント③:1日を半分に切る
筆者はロケットスタートをするときに、丸2日はその仕事のプロトタイプだけをつくるのに専念するそうだ。
電話もメールも断ち、人とも極力会わない。
しかし、それは筆者がプログラマーという仕事だったからこそできたことであり、実際の仕事ではそのように進められることは稀である。
では、どうしたらいいのか?
その解決策として挙げられるのが、「1日を半分に切る」ということである。
まず準備として、前日の夜に次の日にやるべきタスクをすべて洗い出す。
このときのタスクはできるだけ、短時間(15分〜30分)でできるまで細分化しておく。
あとは次の日の早朝から、1つずつ消化していくだけだ。
朝は、誰かから話しかけられることも、メールや電話が来ることもない。集中してタスクをこなすことのできる時間だ。
やるべきことを、たとえば4時〜6時半までの2時間半でやってしまう。
その後も休憩をとりながら、午前中いっぱいまで取り組む。
そして、午後からは流しの時間として、ゆっくりと自分のやりたいことに取り組むのだという。
まとめ
この本で1番、参考になったのは発生した仕事のプロトタイプを最初の2割の時間でつくってしまうということだ。
プロトタイプさえあれば、その後の予期せぬ修正にも余裕を持って対応することができる。
仕事の全体像を俯瞰して眺めることができるため、ゆとりを持った仕事ができるのだ。
そのためには、まずは集中できる時間を確保する必要がある。
早朝に仕事をやってしまう、というのは私も一定の期間続けていたことだ。21時には寝て、3〜4時には起きる生活を1年くらい続けていた。
しかし、他の人と時間が合わなくてやめてしまった。
この筆者の時間術を本気でやろうとすると、かなり覚悟がいるだろう。
もちろん「仕事で成功したい」「もっとスキルアップしたい」とやる気のある人にはオススメのやり方だと感じる。
「えぇ、早朝になんか起きてられないよ…」
「そこまでしたくない」
という人にも、まずはプロトタイプをつくるという考え方は取り入れてほしいと思う。
また早朝生活を始めてみようかなぁ…
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