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【図書室】『これが鳥獣戯画でござる』【子育て】

カエルとウサギの相撲。

可愛らしい動物たちがイキイキと描かれる絵巻の子ども用解説絵本。

著者の「ござる」口調は幼稚園児に読み聞かせると受けましたし、そもそも文字がない絵巻ですから、年少の末っ子も絵だけで楽しめました。

「鳥獣戯画はむかしむかしのニッポンの絵巻物 みんなが大好きなマンガやおわらいのご先祖様だ」と著者が説明するように、次々現れる動物たちが笑いを誘います。

ウサギたちの他に、サルやキツネなど出てくる様々な動物がでてきて、そこに軽妙な言葉が添えられています(幼稚園児には黒文字の部分だけを読み聞かせしました)。

ウサギとカエルの甲巻はよく目にしますが、乙巻、丙巻、丁巻はこの本で初めて目にしました。
それぞれの巻の特徴やどこに所蔵されているかも載ってあり、小学校中学年くらいで興味が広がれば、調べ学習にもつながりそうです。

そして本の結びの部分。
このあたりは幼稚園児にはまったく見向きもされませんでしたが、いつの時代にもつながるメッセージだと思います。

鳥獣戯画がえがかれた平安時代のおしまい頃は
社会の中心が貴族から武士へと移る
先の見えない時代だったんだ
だからみんな遊びながらわらうことで
不安な日々を生きぬいたのでござる

pp38-39

「先の見えない時代」という表現はあまり好みませんが、不安な日々を遊びながら笑って生きぬく、そんな強靭でしなやかな生き方を大人もしたいものです。

☆こんな子にオススメ

・動物が好きな子

・マンガが好きな子

・筆の線が好きな子

・読み聞かせが好きな子

☆対象年齢

・4歳くらいから


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