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「なぜ売れる?」と思ってしまった80年代の曲

前回の「これは売れる!と思った80年代の曲」の続編です。
前回は一聴して「これは売れる!」と思った曲でしたが、今回は逆で、「なぜ売れる?」と何度聴いても思ってしまった曲のご紹介。
基本的に私は「売れるには理由がある」と考える方なので、たとえ個人的に好きではなくても「売れるだろうな」とは思うことも多いのですが、今回ご紹介するのは好き嫌い抜きにしてもわからん、と感じたものです。

グレゴリー・アボット 「シェイク・ユー・ダウン」

1986年、突如としてヒットしたグレゴリー・アボットのデビュー曲。あれよあれよという間に米1位、イギリスでも6位、年間チャートでもなんと3位になってしまった(しまったということもないが)大ヒット曲。
今回まさに当時ぶりに聴き直してみたんですが、印象は変わらず。よくあるブラコンのバラッドだなとしか思えない…。
アボットは調べてみると有名大学出身のエリートだったようで、当時はマーヴィン・ゲイ亡き後のセクシー・シンボルとしてのイメージもあったようです(なるほど、わからないではない)。このヒットの後、アルバムを2011年までに4枚出すもヒットせず。典型的な一発屋になってしまったようで、近年の活動状況もあまりわからず。

バングルス 「エジプシャン」

85-86年にかけて、アルバム「シルバースクリーンの妖精」から「マニック・マンデー」(米・英2位)、「ホワット・シー・ウォンツ」(米29位・英31位)のスマッシュヒットを出した後の3枚目のシングルカット曲(米1位・英3位)。
これはもう曲調からコミカルなダンスから何から何まで当時嫌いでして。前2曲が爽やかな青春ポップスだっただけにそのギャップが大きい印象でした。というか、これどう聴いてもノベルティ・ソングとしか思えない。曲の作者はリアム・スタインバーグというソングライターだそうですが、調べてみてもこれ以外のヒット曲は見当たりませんでした。
彼女らはこの後、サイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」の名カバーや名バラッド「胸いっぱいの愛」を生み、「エジプシャン」がバンド唯一の代表曲にならずによかったなと思う次第。
そういえば、結局この曲は87年の全米年間チャート1位になってしまい、年間チャートを予測することを楽しみにしていた私として心底ガッカリした思い出が。好き嫌いは抜きにしてもそこまでいい曲ですかね?

レディ・フォー・ザ・ワールド「Oh シーラ」

85年米1位(英50位)。聴いての通り、完全にプリンスのフォロワーなわけで。おまけに歌詞はプリンス・ファミリーのシーラEがネタということで、ここまで露骨にやっちゃっていいの?としか言いようがなかった曲。
とは言うものの、この曲に関しては今聴くとカッコいい(まあそれでもやはりプリンスの顔が浮かびますが)。また、その後「ラヴ・ユー・ダウン」(86年米9位)というヒット曲を出したり、モロにプリンスなのは実は「Ohシーラ」くらいだったことから考えると、十分に実力はあった人たちなのかなと。
ということで近年出たこの曲収録のリマスター盤を持っていたりします。

マイケル・ボルトン「ウィズアウト・ユー」

今となっては重鎮となったマイケル・ボルトンの89年の大ヒット曲(米1位)。いや、いい曲だと思うんですが、彼の重いくぐもった声(正直苦手)には合ってないんでは?と当時思っていたら、案の定、元はローラ・ブラニガンに82年に提供した自作曲だそう。ということで、この曲に関してはローラ・ヴァージョンの方が良いと思うんですが、それにしてもこの人がここまで人気が出たのもよくわからないんですよね。15歳のときから音楽活動を始め、この曲のヒットのときが36歳という苦労人で、現在は基金を作り多額の援助をするといった素晴らしい人物ではあるんですが。

ジョージ・マイケル「ファーザー・フィギュア」

87年、ワム!を解散したジョージ・マイケルによるアルバム「FAITH」からの4曲目のシングル(米1位・英11位)。実は大ヒットした「FAITH」、私はあまり評価していなくて、あまりにも散漫な内容ではないかと思っていました。
で、この「ファーザー・フィギュア」ですが、地味だとしか言いようがないなと。なのにあっという間に1位に。もっとも「FAITH」からのシングルは6枚全てトップ5入り、うち4枚は1位を取っていたわけで、この頃のジョージのアーティスト・パワーのなせる技だったのかもしれません。
ワム!好きな私としては、ここまで老成していいのか?という疑問が。当時まだ24歳ですよ?? だから96年の「オールダー」はこの「ファーザー・フィギュア」調の曲も多いですが、しっくりきました。そういうのも私の印象にあるのかもしれませんね。

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