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実話怪談のすすめ

どうも、実話怪談大好きオタクです。急に思い立ったので、出汁用昆布を齧りながら《推しジャンル》について語りたいと思います。

突然ですが実話怪談というジャンルをご存知でしょうか。古今東西、世界中には数々な怪異譚が溢れていますよね。創作されたものや人伝に拡がり昔話のようになった怪談もあるでしょう。
実話怪談とは、体験者への取材や自身の体験をもとに書かれた怪談のこと。先に述べた創作や出処不明の怪談とは違います。ざっくり言えば稲川淳二さんの語りも、稲川さん自身の体験に基づいているため、実話怪談に含まれるのです。

わたしはこのジャンルが大好物です。初めて出会ったのは今から2~3年前のこと、黒木あるじ氏の『無惨百物語 はなさない』が全ての始まりでした。タイトルに【怪談実話】とあり、かねてより好んで読んでいた形式が「実話怪談(怪談実話も同義)」と知ったのです。

どのような話なの?

概要は上記に述べた通りです。筆者の体験や取材に基づいて書かれたもので、創作された怪談とは違いリアルさがあります。
例えば、コロナ禍ならではの怪談、震災に纏わる体験談、職場・学校あるいは家など身近な場所での恐怖体験など、十人十色の怪異譚があり、中には「因果応報が全くわからない怪談」も存在する……。ここに実話怪談の面白さが詰まっていると個人的に考えているのです。

ここ好きポイント


『原因もわからないし解決もしてないけど、なんか不思議な体験をした』というのは次第に日常に埋もれてしまうと思うんですよ。当人にとってそこまで重要じゃないことは忘れてしまう。「なにか怖い話ない?」と聞いて「そういえばね……」って切り出されたらワクワクしませんか?

怖かった、不思議だった体験が語られることなく忘れ去られていくわけです。もったいない!なんてもったいないんだ、と怪談ジャンキー(?)のわたしは思うのです。
創作された怪談の良さだってもちろんありますし、ホラー作品は大好きです。しかし実際に体験したものって原因なんてわからないんですよ。言い換えてしまえば起承転結なんてないんです。読み手が(なんだったの?)と想像するしかない。そのフワフワした恐怖の余白が、お風呂の中やひとりで歩く夜道、あるいは体験談と同じような状況に置かれた時に、ふっと首をもたげるわけです。

それってめちゃくちゃ怖くないですか?

おすすめ実話怪談本


そんな恐怖体験がぎゅぎゅぎゅ〜っと詰まったおすすめの怪談本をちょっとだけ紹介させてください。

・ほとんどが2、3ページで読み終わる。
・因果関係が不明。
・解決していない、現在進行形の話もある。
・ヒトコワ系は苦手なので省いている。

だいたい私の好みがこの辺に詰まっているため、この系統が多いです。(ヒトコワ系は人間関係が原因の、所謂、呪いのような話を省いています。定義が曖昧なためここは主観が強いです。ご了承ください)

まずはお世話になりっぱなしの竹書房怪談文庫(https://kyofu.takeshobo.co.jp/)さん。なんと実話怪談を中心に刊行している怪談レーベルです。毎月、クオリティの高い怪談をお届けしてくださりありがとうございます、今後ともよろしくお願いします。

『無惨百物語』シリーズ     黒木 あるじ
先に紹介した怪談実話短編集。わたしがこのジャンルを知るきっかけになった本書は短くともガツンとくる恐怖が詰まってます。黒木さんは怪異の描写がリアルで丁寧に描かれており、読み終わるとしばらくゾクゾクします。

黒木あるじさんは他に『怪談売買録(全2巻)』『FKB怪談実話シリーズ』など最高に怖くて面白い本が多々あります。おすすめです。

『瞬殺怪談』シリーズ     平山 夢明 他
平山さんを初めとする複数の作家が恐怖を綴ります。我妻俊樹さん、小田イ輔さんなどおすすめ作家さんも名を連ねているので是非とも読んでみてください。

『恐怖実話 実録都市伝説 ~社怪ノ奇録~』
鈴木呂亜
  
鈴木さんが実際に現地に赴き都市伝説を集めて検証している本書、すごい読み応えがあります。なにより“生きた都市伝説”という感じが最高に怖いんです。鮮度がいい。実話怪談とは少し違った面白さがあります。

『第五脳釘怪談』シリーズ    朱雀門 出
こちらのシリーズ、第五とありますが最初の一冊がこれです。めっちゃ怖くて最高。中には(それ……宇宙人では…?)のような想像力を掻き立てる話もあります。シリーズの中に筆者の自費出版があり、なかなか手に入らない一冊があります。

最後に

ここに挙げたのを読んで「面白い!」と思ったそこのあなた。ようこそ実話怪談の世界へ。5chのオカ板が好き、怖い話が好き、そんな人たちへおすすめしたいジャンルのお話でした。


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