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アイアコッカ わが闘魂の経営5

誘いの手                                手腕も実績もある彼に、いろいろ高いポジションの誘いが来るなか、業界3位ながら経営危機を迎えていたクライスラー社の会長自ら入社を打診されます。印象は「全治1年かそこらといった傷」。やれないことはない! と社長就任を決意。しかし現実は”超”惨状でした。

後悔、ショック                            「あのとき、クライスラー社がどんな状態かを知っていれば、どんなに金を積まれようとも、社長なんか引き受けなかった」、と彼は言います。        製造、販売、経理はばらばらに動き、外は在庫の山。「まるで会社の体をなしていなかった」 会長は現実を隠したのではなく「経営陣さえ問題の本質を的確につかんでいない」実態を知らなかった!のでした。                 チーム                               彼一人ではどうにもならず、信頼する腕利きを招いて対処します。しかし、そこへ1979年第2次オイルショックの衝撃波が。ガソリン高騰とすさまじい不況で、大型車中心の同社は文字通り吹っ飛ばされてしまいます。コスト減らしのため、工場を閉め、土地を売り、大切にしていた戦車部門を売り、仕入れ調達ぎりぎりに制限。しかし資金繰りも追い付かず、遂に身を斬る大量解雇に。「解雇ほど苦しいものはない」                              絶対絶命                              思えばフォードモーターの頂点から一転して解雇に。ずたずたの身から再起を誓ったクライスラー社は空前の不況で傾く船同然。そして遂に1979年夏、「何か抜本的な策をとらないかぎり、もはやクライスラーは救えないとの結論に達した」 続く不況に増える一方の赤字。自力浮上が不可能な今、アメリカ政府による救済しか手がありません。あの自由競争の鬼ヶ島みたいなアメリカで、です。                          切り替え・集中砲火へ                         悪いことに、フォード時代は自由競争支持の活動者クン! として、政府に対し、企業経営に口を出すな、と主張していた彼。しかし今は逆転。すがってでも銀行融資を政府に保証してもらわなければならない・・・。 最大落差を持つこのジェットコースター最後の、地獄の道のりがスタートしました。                 続く=

           


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