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『Legacy』Mansun(思い入れのある曲シリーズ)

前回に引き続き、今回も洋楽を取り上げます。
今回取り上げるMansunは、これまでに取り上げてきた中でもかなり知っている方の少ないアーティストかもしれません。

Mansun(マンサン)はイギリス出身のバンドで、主に1990年台に活躍し、現在は既に解散してしまっています。

筆者がこのバンドの存在を知ったのは、バンドが解散した後のことでした。
当時は大学生で、よくラジオを聴き漁っていました。
そんな時たまたま聴いていたPIERROTのギタリストアイジさんがパーソナリティを務めていたラジオでこの『Legacy』が流れていたのです。

下に曲のリンクを貼っておくので是非一聴してみてほしいのですが、この曲ものすごいインパクトじゃありませんか?
筆者はラジオから流れるこの曲を聴いて、なんてヘンテコな曲なんだ!と面食らいました。

某邦楽アーティストの有名曲に似た美しいアルペジオから始まり(一応言っておくと『Legacy』の方が古いです)、しばらくはそれに呼応した美麗な歌メロが続きます。
ところが途中でテンションコードの箇所から急に空気が変わり、ボーカルもバックの演奏もどこかヤケクソ感のあるテンションに。
その後再び落ち着くのですが、またサビの終わりに向けてはどんどん昂っていきます。

このテンションの上がり下がりと、美しい箇所とそれをぶち壊すようなヤケクソな箇所の対比に謎の狂気を感じ、このバンドはただものではないに違いないと考えて当時TSUTAYAにアルバムをレンタルしに走ったのを覚えています。

CDレンタルし歌詞カードを見てみたところ、そこに書かれていたのは曲の狂気の根源になっているのではないかと思うような厭世的な内容でした。
Legacyというと我々日本人的には正の側面を、遺産や功績としてイメージするかと思います。
ただ、この歌詞の中で描かれているのは、そんなものには何の意味もなかったというような負の側面で、読めば読むほどに陰鬱な気分になってきます。

これくらいの時期のUKのバンドにはこういった表現が見られることも多かったと思いますが、Mansunはやはり曲が独特で、美しさと荒々しさが共存しているところが無性に魅力的に感じられます。
Plastic Treeが好きな方には是非お勧めしたいアーティストです。


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