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等身大の姿—アラブの王族の姿—


今回はいつものような形式ではなく、読んだ本の感想を思ったことを書こうと思います。


先日、鷹鳥屋明さんの『私はアラブの王様とどのように付き合っているのか?』という本を読みました。著者の鷹鳥屋さんは中東で一番有名な日本人と言われるほど、中東で人気がある方です。鷹鳥屋さんを調べると、湾岸諸国の民族衣装を着られている写真が出てきます。白装束の名前はUAEではカンドゥーラ(サウディアラビアではトーブ)と呼ばれています。鷹鳥屋さんを知ったのはサウディアラビアのサルマン国王が来日される際のインタビューを受けている時に初めて知り、東京のとあるレストランで実際にお見かけしたときに本当にカンドゥーラを着られている姿を見て衝撃を受けたのを覚えています。僕もUAEの空港で買い、2着持っています。鷹鳥屋さんが「激レアさんを連れてきた。」で仰っていたのですが、カンドゥーラは国によって異なるので、UAEとサウディアラビアでは異なるようです。ご興味のある方はぜひ、調べてみて、良ければ現地で買ってみてください。

本題に入ります。今回、なぜ、この本を取り上げようかと思ったかと言いますと、中東のことについて書かれた本はよくありますが、基本中東情勢やイスラム教を題材にした本が多く、そこに住んでいる人たちを取り上げた本が少ないからです。

この本は向こうに住まれている人との交流を通して、向こうの人がどのような人であるかということについて書かれています。学者が書いている本ではないため、ありのままの姿が書かれています。著者の鷹鳥屋さんが中東にハマったきっかけはお酒が全く飲めなくて、サラリーマン時代、苦労をされていたそうです。そんなときにサウディアラビアへ行くことになり、食事の席でお酒を飲まずに楽しむことができるのかと思い、ハマったそうです。イスラム教ではお酒は禁じられているのでアルコールを口に入れるなんてもってのほかです。そういったことがきっかけで中東にハマり、今では中東で一番有名な日本人です。どこで何があるかわからないとはこのことかもしれませんね。

中東で日本のアニメが人気で、向こうの人は相当アニメに詳しいそうです。著者の鷹鳥屋さんもアニメに詳しいので、向こうの方とよくアニメの話をしているそうです。アニメの話で白熱し、現地の人と喧嘩になったそうです。この本に出てくる現地の人は王族の方が非常に多いです。王族であっても一般の人と似たようなものが好きで、その距離の近さをこの本を読んでいて感じます。

「アラブの石油王」と言えば、大金持ちのイメージがありますが、実は向こうで石油を扱っている会社は国営で、働いている人は公務員になります。この本で知りましたが、石油王と呼ばれるような人たちはいないそうです。むしろ、石油以外のビジネスで儲けている人が多く、アニメのようなサブカルチャーを扱う会社やある会社の製品を独占的に販売するディーラーの方がお金を稼いでいるそうです。財閥の力もあるとは思いますが、彼らは常にビジネスチャンスを見つけているように思います。現地の人との交流を通して見えてくる中東の世界は非常に新鮮です。

中東に近寄りがたいイメージが付いていますが、鷹鳥屋さんの本を読むとそんなイメージも和らぐと思います。僕も中東は好きですが、まだまだ知らないことがたくさんあるなと思いました。等身大の姿を映し出した本は少ないですし、鷹鳥屋さんだからこそ内容だと思いました。


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