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すこし思い出ばなし


自殺未遂、最低の四字熟語を自分がした行為にあてはめてまた自己嫌悪に陥る、また最低の四字熟語。準備は全て整っていた。
 少し苦しい。
 なんでおれはこんな人間になってしまったんだろう。頭の中で生まれてからどこで材料が揃っていったのかを考える。
 苦しい。
 小さい頃の両親の離婚で全ては始まっていったのかもしれない、もっと言えばおれが生まれてしまったその瞬間から。小さい頃の親から受けた愛情や言葉、それがその人間の性格や人間性、どんな人間になるのかの土台になっているんだと思っている。親からあまり愛情を受けられずに、愛されていると感じられずに育ってしまった人間の自己肯定感の低さ、誰の事も信じられない辛さ、独りになる怖さ。
 苦しい。
 小学校時代はストレスで毎日吐き気と戦っていた気がする今考えても本当に頑張ったと思っている、病院に行けばよかったとか周りの大人にちゃんと説明をして少しでも自分が楽になれるように誰かに助けを求められたらよかったとも思った。もう遅い。
 中学生になって初めてできた彼女にはメンヘラのプレゼントをしてもらった。嫉妬と束縛。ここからまた少し拗らせてしまった。人を信じることがまたできなくなった。
 苦しい。
 高校一年生、教室が怖くなり学校に行っても教室に入れずにそのまま帰ってしまう。学校に通えたのは週に二、三回だった。
その時期に付き合った女の子がおれの人生の全てになった。
 苦しい。
 その子と一緒にいた時間はおれの人生の中で一番大切な時間だった、その子を生きる理由にして、頑張る理由にして、
家族よりも何よりもその子の事が大切だった。
 おれはその子を今までの人生でもらった材料を使って束縛して、傷つけ、たくさんの幸せを無理やり貰った。
 その子に振られて別れて、今。
 大切なものは全て無くなった。
 親に貰った最低な土台と、生きていく中で周りに貰った最低な経験。材料は順調に揃っていっていた。
 長めの走馬燈ともよべそうな頭の中での考え事を整理させる。
 苦しい。
 準備も全て整っていた。

 最低の土台を完全に蹴った。
  失敗しないように。

 二回目は上手くでき


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