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私が妊娠するまで


記憶を遡ってみる。

なんとなくだけど、自分は、子どもはできづらい体質なんじゃないかと思っていた。仕事は比較的激務な方だし、管理職なのでストレスもそれなりにある。周りの友人や仕事の先輩にも、不妊治療して授かった、とか、卵子凍結してみた、といった話はちらほら聞いていたし、「そうだよな、自然に授かるのって奇跡だよな」みたいな感覚があった。

結婚して3年。去年の秋頃から、パートナーと少しずつ子どもについて会話するようになった。「授かりものだし、まぁ難しければ養子も考えようね」といった感じで。できたらハッピー、できなくてもハッピー。大きなショックを受けないように、自分たちに保険をかけながら。

ずっとコロナで行けなかった海外。妊活前、最後にどうしてもふたりで行きたくて、帰国前の検査が免除された11月初旬にフィンランドへ飛んだ。幸せで大満足な旅だった。コロナが落ち着いて本当によかった。

本腰入れて妊活だ!と、1月中旬に「神田ウィメンズクリニック」を予約。30歳、極力ムダな時間を過ごしたくなかったので、まずは自分が妊娠可能な身体なのかしっかり検査をした。数回通院して4-5万円ほどかかった。結果が知らされるまではやっぱりドキドキした。

妊娠しづらい身体ではなさそうだったので、タイミング法を開始。このズボラなわたしが毎日ちゃんと基礎体温を測った。毎朝同じ時間に、口で測って、アプリで自動でスマホに飛ばせるやつを買った。ルナルナで、なんともわかりづらい体温の推移を見て、「もうすぐ排卵期かも」と彼に伝えたりして、毎月の妊活が始まった。彼も意外と(といったら失礼だけれど)協力的で助かった。
排卵日より3日前くらいがいちばん妊娠しやすいっていうのも厄介ものだ。(最初の1-2回はとんちんかんな日に妊活しちゃったりしていて、ムダにしていた気がする)

妊娠できたのは運良く早い方だったと思う。けれど、それまでは、やっぱり生理がきたら「あ〜ダメだった」というがっかりはそれなりにあった。彼もわかりやすく落ち込んでいたし。

予定日から少しでも遅れると、期待でドキドキした。いつ来てもいいように、生理用ナプキンは念のため敷きつつも、「お願い、今月こそ来ないで〜!」と祈ったり。帰宅するたびに、彼から「どう?生理きた?!」って聞かれたり。

忘れない、東京マラソンの日。予定日から1週間ちょっと経っても生理が来ていなかった。期待はあった。自宅に戻って妊娠検査薬を初めて使った。1回目は便を催して断念w 2回目試してみて、彼といっしょに「せーの」と裏返して結果を見た。陽性の線が見事に存在していて「わーい!」と子どものようにふたりで喜んだ。

命が、おなかの中にあるのか。実感は全然なかったけれど、とりあえず、自分の身体を、これから大事に大事にしなきゃ、と思った。

初めてのエコー。「卵胞ありますね」とちっちゃい白い丸みたいなのを指された。すごい。ちっちゃい。これなのか。

そのあとの検診で心拍確認。ちっっっっっちゃい心臓がドクンドクンと動いているのを見て、うわっ、かわいい。愛おしい。そう思えた。
初期の検診は月に1回。次の検診はこんなに先なのかと驚いた。まだ胎動もないから、ちゃんと我が子は生きているのか結構不安だった。流産する率ってこんなに高いのか、と妊娠して初めて知った。(そんなときに限って、SNSでは流産報告の動画ばかり流れてくる)

妊娠も出産も、ほんとうに奇跡だな。と改めて思う。ありがたい。無事、何事もなく産まれてきてほしい。




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