夢を与える【感想文】

「私は、彼を愛していました」

「そんなに醜い顔をしていましたか?」

「それが醜いと言うのなら」

「人は人を愛してはいけないと思う」


あらすじ

 フランス人の父、元モデルの母から生まれた阿部夕子。幼少期からそのスター性を見出され、企業のCMオーディションに合格し、芸能界へ進む。 目まぐるしい日々を送る中で、周囲からのプレッシャーや自身の葛藤に苛まれる中、とある青年と恋に落ちる。しかし、その恋が夕子の人生を大きく揺るがすことになるーー。 小松菜奈氏、菊地凛子氏W主演で送る、綿矢りさ氏作の芥川賞受賞作品。


感想

 圧巻されました。約1時間×4回ありますが、最終話にこの作品のメッセージが込められていたと思います。 また、主演の小松菜奈氏(前半幼少期は谷花音氏)の演技もさることながら、特筆すべきはやはり彼女の持つオーラですね。魅入られます。 ストーリーは、夕子の10代後半までの芸能活動に焦点を当てたものになってます。子役から人気に火が付き、時には悩みながらも、走り続ける彼女の姿はなんとも儚いです。 そんな中で、仕事でダンサーの正晃と恋仲になります。辛い日々の中で夕子にとって、唯一と言える安らぎ。その正晃にすがる彼女の姿もまたいじらしいです。 そして紆余曲折あり、ラストシーンへ。
夕子の独白。目が離すことができませんでした。
1人の女性タレントとしての、そして、まだ未成年の女の子として、等身大の心からの独白は観て後悔することはないと思います。


与太話

 芸能人は、その存在を「消費」されています。
そうされることが仕事ではあるのですが、行き過ぎた消費のされ方は、その人を崩壊させてしまうこともあります。 人間は、目に見えない部分をも消費させ、また消費されます。 とある作品で女の子が言っていました。
 「キスは無限じゃないんだよ。消費されちゃうんだよ」と。
 冗談のひとつで「減るものではないからいいじゃないか」という文言がありますが、どうやらそうした『冗談』か通じない人が増えてきたのではないかと思います。 つまり、目に見えないことに対して「鈍感」な人々。「想像力」ない人。とも言い換えることができるかもしれません。 想像力が欠如した人が、過剰な消費を行い他者を傷付け続けている。夕子は、他者からの奇異の目に晒され、消費されすぎてしまいました。 この作品は、それらに対し『警告』をしているのではないかと。 まだ『消費』について言いたいことはありますが。 これ以上は、流石に長すぎるのでまた機会があれば書きたいと思います。

興味がある人は、原作小説もオススメです。Netflixにあるので是非観てください。小松菜奈氏の演技も素晴らしいので。全4話です。




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