『キチガイ地獄』夢野久作【読書感想文】

「これは怪しからん。どこがトンチンカンですか。私は立派に順序を立ててお話ししているつもりですが……」

あらすじ

とある重罪人を追って調査を続けていた新聞記者Aが、入院している病院の医院長へ語りかける形式で進む短編小説。 終盤までは件の重罪人と呼ばれる男についての経歴が語られる。 しかし、終盤に向かうにつれて話の辻褄が狂い始め、気がついたときには……。

感想

 今回も、敬愛する夢野久作先生の小説です。
あらすじからも、彼の作風からもですが相も変わらず狂っておられます……。(褒め言葉) 読み進めていくうちに、あれ?変だな……?と思っていたら、結部でゾッとする。 いったい、どうすればこのような筋書きを思いつくのでしょう。笑
 また、彼の特徴の1つかもしれませんが、随所に現れるカタカナ表記。これもまた、文体とリズムに狂気を帯びて読者の脳に飛び込んできます。 短篇ほどの長さながらも、文字のチカラを存分に感じられる一冊です。


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