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Mリーグ2023-24ドラフト会議の予想と希望

神域リーグだシンデレラファイトだMトーナメントだとなっていたら、
あっという間に今年のMリーグドラフト会議(以下ドラフト)まで1週間を切りました。
いよいよドラフト指名予想なんかも白熱してくるということで、こちらでも書かせていただきます。

ただ先に言わせてもらうと、今回のドラフト対象チームの指名についてはドリブンズ以外は粗方見当がついていて、
新規参戦のBEASTJapanext(以下BEAST)とセガサミーフェニックス(以下フェニックス)にはそこまでのサプライズもないのでは?と思っております。
従ってかなりオーソドックスな予想になってるかと思います。
なので今回は予想に加えて、この人が入ったら面白いのに、という個人的希望についても書かせていただきます。


(6/29追記)
公開から1日で多数のスキをいただきありがとうございます。
Mリーグドラフトへの注目度の高さを改めて実感しております。

他の方のドラフト予想noteもいくつか見させていただき、名前を挙げられていなかったプロが複数いたことに気づきましたので、いくつか追記で補足させていただきます。


(6/30追記)
ドラフト当日にドラフト前の最後の追記。
あの「天鳳位」プロについての見解を書かせていただきました。

BEAST:オーディション参加組の扱いは?

まずは新規参戦ということで優先的に4人を指名できるBEAST。
そのうちの1人は先日終了したドラフト会議指名オーディションで優勝した菅原千瑛pと確定している。
もちろんドラフト当日に指名しないという選択肢をとってはいけないわけではないのだが、
もしそれをやってしまえば、せっかくここまで築き上げてきたムードと好感度が台無しになるだけに、さすがにそんな暴挙はしないものと思っている。

オーディション優勝の菅原千瑛p

その菅原pとともにオーディションファイナルを闘った新井啓文p浅井堂岐p内田みこpの3人もファイナル終了後から称賛の声が止まず、
いっそファイナルを闘った4人でチームを組めばいいじゃないかという意見も多数見られた。

確かにこの4人でチームを組んだら熱いものがあるし、話題性も集めそうではあるのだが、
結論を言ってしまうと、おそらくその可能性は限りなくゼロに近い。

そもそも端から4人をオーディションで決めるというのならそういうレギュレーションにしているだろうし、
今回これだけ盛り上がったのは最後まで3人に優勝の可能性があったからで、
これが誰か1人の圧勝になっていたらここまで話題は呼んでいないし、
それこそ4人でのチームを見たいという声もほとんど挙がっていなかったはずなのだ。

ただ、新井啓文p浅井堂岐pが今回のファイナルで相当印象を良くしたのは間違いなく、
今後のMリーグドラフトに向けて優位性は高まったとはいえそうではある。

BEAST:1位指名

一部からの情報によれば、BEAST内部に日本プロ麻雀連盟(以下連盟)の関係者がいるらしく、
その情報が正しいとするならば、チームのベースとなるのは連盟所属プロとなりそうである。
ただでさえ連盟所属Mリーガーが多い中でまた連盟か、とゲンナリする人もいそうだが、
それだけ連盟には実績や人気でパワーを持ったプロが溢れかえっているというのもまた事実なのである。

そんな数多犇く連盟プロの中で、新規参戦するBEASTの1位指名を勝ち取るのは誰なのか。
1つの目安として、これまでの各チームのドラフト1位を振り返ってみる。(敬称略)

【2018】
赤坂ドリブンズ(以下ドリブンズ):園田賢
EX風林火山(以下風林火山):二階堂亜樹
KONAMI麻雀格闘倶楽部(以下格闘倶楽部):佐々木寿人
渋谷ABEMAS(以下ABEMAS):多井隆晴
フェニックス:魚谷侑未
TEAM雷電(以下雷電):萩原聖人
U-NEXT Pirates(以下Pirates):小林剛

【2019】
KADOKAWAサクラナイツ(以下サクラナイツ):内川幸太郎

印象的なのは風林火山とフェニックスが女性プロを1位指名したこと。
二階堂亜樹選手魚谷侑未選手も人気・実績ともにトップクラスという、連盟が誇る看板選手である。

それ以外のチームも、親会社の博報堂のグループ会社の社員であった園田賢選手を1位指名というある種の「コネ指名」をしたドリブンズを除けば、
どのチームも人気もしくは実績のいずれかを持ったプロを1位指名している。

萩原聖人選手はMリーグ入りを熱望して2018年のドラフト直前にプロ入りし、プロとしての実績は何一つなかったものの、
雷電はドラフト1位で指名し、萩原選手にチームの顔としての箔をつけている。

このように、ドラフト1位はエースとして、そしてチームの顔として他の選手とは違う特別な意味を持つ。
それだけに、BEASTの1位指名もそれに相応するようなプロが指名されるものと踏んでいる。

それを踏まえて、自分が予想するBEASTの1位指名はこのプロだ。



そう、今年5月5日に連盟入り、プロ雀士となった鈴木大介pだ。

麻雀最強戦2019を優勝するなど、アマチュア時代から実績を残してきた大介pであったが、
日本将棋連盟の常務理事退任のタイミングで連盟入り、プロ雀士となった。
しかし、プロ雀士としてのデビュー時期としてはリーグ戦の開幕月である4月か10月が通例であり、5月にプロ入りというのは実に中途半端という印象を受ける。
何故10月を待たずに5月でプロ入りしたのか、そこにはきっとそうせざるを得ない何かしらの事情が絡んでいるはずなのである。

当初はそれが6月12日開幕のMトーナメントを見据えてのことだと思っていた。
そこでプロ雀士としてのキャリアをド派手にスタートするものと思っていた。
しかし、Mトーナメントの各団体の推薦はどうやらプロ間での投票で決まっていたようで、
その当時はまだプロではなかった大介pが選ばれることは当然ながらなかったのであった。
となれば残される理由は、6月30日開催のドラフトと見てほぼ間違いないだろう。
それならば中途半端な時期でのプロ入りにも合点がいく。
言うなれば2018年の萩原選手と似たような形である。

大介pにはまだプロとしての実績はない。
しかし、アマチュアとして最強位を獲得していることは十分な実績である。
大介pが最強位を獲得した2019年当時は、最強位獲得にはファイナルで2回連続でのトップ獲りが必要で、今よりもトップ獲りが偉いルールだった。
また、決勝で破った相手には、今期限りでフェニックスと契約満了(→監督就任)した当時の最強位の近藤誠一選手、後にサクラナイツに入団する堀慎吾選手がいる。
Mリーガー相手に大舞台で結果を残しているという点も大きいところだろう。

2019での優勝以降も、最強位として出場した2020を含め、昨年まで4年連続で最強戦ファイナルに出場。
昨年は連覇を果たした瀬戸熊直樹最強位と最後まで死闘を演じての準優勝と、直近でも結果を残している。
プロ雀士としてのリーグ戦の経験はないものの、一発勝負での勝負強さは間違いなくMリーグの舞台でも活かされるはずだ。


そして大介pを語る上で欠かせないのは、将棋プロ棋士とプロ雀士の「二刀流」という話題性だ。

奇しくも今年は藤井聡太七冠が誕生し、元祖七冠の羽生善治九段は日本将棋連盟の会長に就任と、
将棋界はいや増して注目を集めてきている。
また、ジャンルこそ違えど「二刀流」といえば、WBCやメジャーリーグでの大谷翔平選手の活躍もある。

将棋界、そして「二刀流」が注目される今、その両方に縁のある大介pがMリーグ入りすれば、
他のプロよりも群を抜いてメディアで取り上げられることは想像に難くなく、新規参戦のBEASTからすれば申し分ないアピールができるともいえる。
まさにチームの顔としてはこれ以上ない存在といえるのではないのだろうか。

そのプレースタイル(強打など)が一部で物議を呼んだりはしているものの、
そういった点を含め、耳目を集める存在としてMリーグで闘う姿を自分も見てみたいと思っている。

BEAST:遅れて来た実力者たち

1位指名予想の鈴木大介pに続く指名予想としては、
予てからドラフト候補に名前が挙がっていたものの、タイミング等に恵まれずに指名されずにきていた中、
この1年で印象に残る結果を残し、遂にタイミングが噛み合ったといえる2人を挙げる。



2位指名予想はHIRO柴田p。

ビッグタイトルに縁遠かった中で迎えた第39期鳳凰位決定戦では、
当時の鳳凰位であった格闘倶楽部の佐々木寿人選手をはじめ、前田直哉p吉田直pと歴代鳳凰位経験者3人を相手に遂に鳳凰位を獲得。
その勢いのまま第13期グランプリMAXも優勝し、連盟の五大タイトルのうちの2つを同一年度で制する二冠王に。


鳳凰位決定戦では寿人選手、グランプリMAX決勝では風林火山の二階堂瑠美選手、ABEMASの白鳥翔選手を相手にいずれも制しており、
先日のMトーナメントでもサクラナイツの内川幸太郎選手を下して予選2ndステージ進出と、直近の対Mリーガーの対局では好成績を残しているのも好印象。

奥様の蒼井ゆりかpとの仲睦まじい姿も含め、BEASTの主なファン層となるであろうシニア層からの好感度も高そうで、
その人間性を含めて、チームの軸としては相応しい存在といえるのではないのだろうか。



3位指名予想は仲田加南p

こちらは女流桜花4期、新人王など数々の実績を残し、ドラフト候補として度々名前は挙がっていたものの、
各チームの方針と噛み合わなかったこともあり、これまで指名はされてこなかった。

そんな仲田pだが、今年に入って印象に残る結果を立て続けに残してきている。

まずは女流プロ麻雀日本シリーズ2023。
仲田pにとっては2020以来2回目の優勝なのだが特筆すべきは決勝の対戦相手で、Piratesの瑞原明奈選手、フェニックスの魚谷侑未選手、サクラナイツの岡田紗佳選手と全員がMリーガーである。
しかも瑞原選手岡田選手は優勝経験者、瑞原選手魚谷選手はMVP経験者である。

内容としても、逃げる瑞原選手を最終戦で捉え、最後はオーラスで瑞原選手からの1000点直撃条件をクリアしての差し切りというまさに強者の勝ち方で、改めてその存在感を示す形となった。

そしてもう1つが、新設された第1期JPML WRC-Rリーグ。
WRC-Rとは一発裏ドラ槓ドラありのWRC(リーチ麻雀世界選手権)ルールに、Mリーグと同じく3種の赤牌が1枚ずつ入ったルールで、
順位点はMリーグとは異なるものの、それ以外のルールはほぼMリーグと同じというものだ。

ここでも仲田pは最終戦オーラスで、優勝条件である「奈良圭純p(現リーチ麻雀世界王者)からの満貫以上直撃」をクリア、
Mトーナメントにも参加した奈良pの5回目のタイトル獲得を阻止しての初代王者となった。

今年だけで最終戦オーラス直撃条件クリアでの優勝が2回、それも2回目のWRC-Rリーグはドラフトまで1週間を切った6月24日のことだ。
ドラフトへの注目度が高まってきているこのタイミングでの優勝はある意味「もってる」証明ともいえる。
これはいよいよMリーグ入りも現実を帯び始めたといえるのではないだろうか。

仲田pは今年でプロ20年目となるまさにレジェンド級のキャリアを持ち、
プライベートでは孫がいる「おばあちゃん」でもある。
そのビジュアルも含め、今までの女性Mリーガーにはいないようなタイプではあるが、
BEASTのメインのファン層となるであろうシニア層からすれば、キラキラした若手の女性プロよりも、仲田pのようなどこか安心感があるプロの方が親近感が湧きそうだし、
孫がいるという点でもシニア層からの好感が得られやすそうではある。

既にBEAST入りが決まっている菅原千瑛pからしても、女性が自分1人よりは頼れる先輩がいる方が心強いというものだろう。
そういった点でも、仲田pの存在はチームを引き締める意味で必要なのではないかと考えるのだ。


というわけでBEASTのドラフト指名予想は以下の通り。

1位指名:鈴木大介p
2位指名:HIRO柴田p
3位指名:仲田加南p
4位指名:菅原千瑛p

「剛腕」大介pに「アサシン」HIROpに「ラリアット」仲田p、ここに「黒魔術師」の菅原pが加わると、なかなかにワクワクするチームなのではないかと思っている。

BEAST:個人的希望

上に挙げた菅原千瑛p以外の3人は自分の希望込みではあるものの、
それ以外で挙げるとするならば、やはり新井啓文p浅井堂岐pになりそう。
特に浅井pは麻雀最強戦予選「タイトルホルダー頂上決戦」で素晴らしい内容でファイナル進出を決め、また評価が上がったような印象。
当の本人は既に気持ちを来年に切り替えているようだが、今年のドラフト指名も十分に有り得そうではある。


(6/29追記)
候補としてかなり名前が挙がっている猿川真寿pについては、ここ1、2年でのビッグタイトル獲得ないしそれに準ずる成績がなく、インパクトとしては乏しいと思っている。

麻雀最強戦では今年で6回目のファイナル進出を決めているが、大介pと違い優勝経験はなく、過去5回出場のファイナルで決勝卓進出は2回だけ。
しかも最後に決勝卓に進んだのは2017年とかなり前のことで、大舞台に強いというイメージはそこまで感じない。
もちろん6回のファイナル進出という成績は素晴らしいのだが、その強さを感じられるのは余程の麻雀熟練者であり、
そこまで麻雀を知らない人たちからすれば、やはりタイトル獲得はステータスとして評価されやすいわけで、その辺りが大介pHIROpと比較すると弱く感じてしまう。

麻雀界屈指の将棋好きということで大介pとセット指名されるのではという意見もあったが、
大事な初年度のドラフトで麻雀以外の要素をそこまで重視するとも思えない。
同じ将棋好きなら直近でインパクトを残している新井pの方が余程整合が取れるような気がしている。

レジェンドクラスでいえば荒正義p伊藤優孝p、元Mリーガーの前原雄大p沢崎誠pなんていうのも面白いといえば面白い。
世代はまさにシニア層だけにBEASTの主なファン層にも合致しそう。
個人的には昨年の麻雀最強戦ファイナル決勝卓を闘った前原pがボディ麻雀で再びMリーグを沸かす画は見てみたい気がしている。


女性プロでは特にこれといった存在は浮かばない。
オーディション参加組の内田みこp宮内こずえpは印象的に物足りない気がするし、
名前が挙がってきている中田花奈pはさすがにまだ実績と場数が足りていない印象で、
BEASTの方針からもやや外れているような気がするだけになさそうと見ている。


(6/29追記)
Mトーナメントで予選2ndステージ進出を決めた山脇千文美pは実績十分ではあるものの、オーディション優勝の菅原pと世代が近く、
わざわざ同世代の女性プロを2人獲りにいくメリットをそこまで感じなかったので名前を挙げていなかった。
同じことは中田花奈p内田みこpにも言える。

世代的には和久津晶pも無くはないところだが、過去にMリーグで成績が残せていないことに加え、先日のMトーナメントでも逆転負けで敗退したことで印象がかなり薄れた感がある。



フェニックス:グリグリの大本命

ドラフトの順番としてはBEASTの次に回ってくるのが今期Mリーグ最下位に終わったフェニックス。
近藤誠一選手の勇退&監督就任、他3人の女性選手との契約更新に伴い、レギュレーション上男性プロの指名が必須となる。
これはMリーグドラフト6年目にして初となるケースだ。

近藤選手改め近藤監督は最高位戦プロ麻雀協会(以下最高位戦)に所属、今や副代表でもある。
今期は自身とドリブンズの村上淳選手が契約満了となり、最高位戦所属の男性Mリーガーが2人減ることを考えると、
やはり指名のメインとしては最高位戦所属ということになるだろう。
ワンチャンスで連盟以外からの他団体からの指名はあるかもしれないが、基本は最高位戦からと考えて良さそうだ。

そんな事情などを踏まえると、指名予想にはグリグリの大本命がいる。



そう、醍醐大pだ。

第45期最高位など実績は折り紙付きで、最高位決定戦には4年連続登場中、今期A1リーグでも上位につけており5年連続の決定戦登場も有力視されている。
ここ最近はBEASTオーディションの決勝など解説でも存在感を示し、打ち手としてもMトーナメントで風林火山の勝又健志選手を破って予選2ndステージ進出を決めている。

その醍醐pが何故にグリグリの大本命といえるのか。
それはひとえにこの動画の存在に他ならない。


YouTubeチャンネル「麻雀遊戯王」の人気コンテンツの1つ「Mリーグチームを作ろう!(以下Mつく)」。
Mリーガーや有力プロが自身が監督(選手兼任不可)となる仮想のチームを作り、ドラフト同様に指名したい選手を挙げていくというものだ。
対象となるのは収録時点でMリーガーでないプロではあるのだが、「Mつく」で名前が挙がった後にMリーガーになったプロも複数出てきており、以外と侮れない企画なのである。


ABEMAS・多井隆晴選手が挙げた東城りおpは、
動画公開の翌年のドラフトでフェニックスが指名


風林火山・二階堂亜樹選手が挙げた堀慎吾pは、
動画公開の年のドラフトでサクラナイツが指名


Pirates・瑞原明奈選手が挙げた渋川難波pは、
動画公開の3年後のドラフトでサクラナイツが指名


そんな「Mつく」で当時(2021年)の近藤選手が1位指名として挙げたプロこそが醍醐pなのだ。

動画内ではこれでもかとばかりに醍醐pを褒めちぎり、挙げ句には「醍醐がいれば優勝」とまで評している。

動画公開から2年、史上初となるMリーガーからの監督転身で、遂にMリーグチームの監督となった近藤監督
あの時から醍醐pに対する評価が落ちていなければ、やはり心は決まっているのではないだろうか。
当の醍醐pも予てから信頼してくれている近藤監督からのラブコールとなれば、それに応えるのではないかと見ている。

醍醐pの打ち筋は時にあっと言わせるものがあり、どこか近藤監督の打ち筋に似たものを感じさせる。
また、近藤監督と通ずるような物腰の柔らかさもあり、フェニックスの女性選手3人ともすぐに溶け込めそうに見える。
年齢も47歳と大黒柱としては適齢期に近く、最近ではYouTubeチャンネルを開設するなど発信力も強化してきている。
唯一の懸念はフェニックスポーズだが、きっと近藤監督同様に笑顔で決めてくれることだろう。

フェニックス:対抗馬を挙げるなら

ハッキリ言ってフェニックスは醍醐p以外の画が見えてはこないのだが、
万が一にも先行のBEASTが醍醐pを指名する可能性は考慮しなければいけないだろう。

もし仮にBEASTに醍醐pを獲られてしまったならば、対抗馬として挙げたいのはこのプロである。



今やMトーナメントで評価爆上がり中の麻将連合・忍田幸夫pだ。


(6/29追記)
忍田pは最高位戦の所属ではないものの、セガが運営する麻雀アーケードゲームおよびアプリゲームの「MJ」シリーズに長く携わっており、
セガへの貢献度という意味でも指名されて然るべきであると思っている。

また、これは何となくのイメージでしかないが、今までのフェニックスの空気感をできる限り保ちたいという意味で、
「三姉妹」の長女・茅森早香選手より年下の選手は指名しないような気がしている。

忍田pが持つ空気感は「三姉妹」ともすぐに溶け込みそうで、新たな化学反応というものにも期待したくなる。


忍田pは現在59歳で近藤監督とは同学年にあたる。
近藤監督は体調面の不調もあって選手勇退となったが、忍田pには年齢を感じさせない若々しさがあり、Mリーグの長期戦も闘える体力は十分にありそう。
実績面では何といっても永世将王であり、Mトーナメントなどでもその打ち回しには称賛の声が挙がっている。
解説では時におどける一面を見せるなど、その物腰の柔らかさも評判を呼んでいる。
そして何より、忍田p本人がかねがねMリーグ入りを公言し続けており、その熱意は大いに買われるべきだと思っているし、きっとフェニックスポーズも可愛く決めてくれるはずだ。

フェニックス:個人的希望

挙げるとするならBEASTと同様に新井啓文p浅井堂岐p
最高位戦ということでいえば現最高位の竹内元太pや現マスターズの浅井裕介pも挙げられるのだが、
いずれもどことなくしっくりこないところはある。
やはり、醍醐pもしくは忍田pが堅いのではないかというのが見解だ。

ドリブンズ:越山剛監督のインタビュー

実はドリブンズに関しては途中まで書き進めていたのだが、6月27日にキンマWebにて越山監督のロングインタビュー記事が上がったのを受けて急遽書き直すこととなった。

記事自体はいろいろとツッコみたい点もあって、それだけでnoteが1本書けそうなのだが、それはドラフト終了後にゆっくり書かせていただくことにする。

今回のドラフト対象3チームの中で、最も指名順が遅くなったドリブンズ。
2期連続でのレギュラーシーズン敗退に伴い、レギュレーションにて最低1人のメンバー入れ替えが必須となり、
結果として村上淳選手丸山奏子選手という「ずんまる」の2人が契約満了となった。
これにより最低1人の女性プロ指名が必須となった。

最低1人ということは2人女性プロを指名することも可能ではあるが、記事を読む限りドリブンズにその選択肢は毛頭なかったように感じる。
そもそも丸山選手の起用をあれだけ渋っていたぐらいなのだから、越山剛監督には女性プロに対する信頼というものがそもそもなさそうで、あまり重要視しているとも感じられない。
記事を読む限りでは指名予定の女性プロに対しては良い印象を持ってはいるようだが、だからといって園田選手鈴木たろう選手と変わらないくらいの出場機会を与えられるのかというとそうとも思えない。
やはりあくまでも軸はドラフト指名選手を含む3人の男性選手であり、女性選手は必要最低限ないしそれに近い扱いに留めるのではないかと思っている。

記事の中で越山監督はドラフト指名予定の2人についてこう語っている。

・男性プロ

ドリブンズとしては色々な武器を持っている選手が欲しい、と思いました。手段を限定せず、なんでもやれる選手がチームに欲しいと思ったのです。

以前から「この選手がうちに入ったらいいな」と思っていた、もし選手枠が5人に増えるなら真っ先に獲得したいと以前から思っていた選手です。

園田、たろう、もう一人の新加入女流選手と一緒に戦うことで、さらに飛躍的に強くなれるんじゃないか、それはその選手だけでなく4人共が、と思える選手です。そういうケミストリーを生み出す才能があるのではないかと。

麻雀の選択において何が得かを正しく考えて、それが人と違う選択だとしても堂々とできる強さがあります。放送対局だからといって萎縮せず、人と違うことも含めて臆せずやれる、みたいなところは魅力的ですね。Mリーグだけではなく、このまま麻雀プロとしてのキャリアを重ねていったら、すごく強くなるのではないでしょうか。存在や選択が「ドリブンズらしい」選手だと思っています。

性格的な部分に触れると、ものすごい努力家で、相当探究心が強いと思います。麻雀というゲームに真摯に向き合っていることは伝わってきます。だからMリーガーになっても努力し続けると思いますし、そもそもMリーグに入ることがゴールではなさそうな選手です。どこまでも麻雀を探求していけそうなところはうちっぽいと思います。その選手がMリーグで、麻雀界でさらに飛躍していくことを期待していてください。

越山監督インタビュー記事より

・女性プロ

こちらで20名ほどの選手をピックアップして声をかけ、セレクション、トライアウトをやりました。内容としては論理的思考力を試す筆記試験を2回、麻雀の筆記試験、実際の対局を行って牌譜を見ながらそれぞれの選択の思考を深く聞く、というものです。

テストの成績が優秀で、非常に論理的思考力が高い、聡明な女性です。麻雀としっかり向き合っていて、多くの引き出しを持つ選手です。

実は彼女はMリーガーになりたいと思っていたことはなく、今回のセレクションも悩んだ結果参加してくれたと聞きました、でも、麻雀がとても好きで努力し続けることができる選手で、性格も素晴らしく、3人の選手と共にクラブハウスでのいい空気を作り出せる選手になると思います。そして、今以上にもっと強くなるポテンシャルを持っている。とにかく期待しかないです。

越山監督のインタビュー記事より

これらのコメントから抱いた印象としては、とりあえずMリーガーになりたいという熱意は何の考慮にも入ってなさそうだということだ。
男性プロに関しては熱意うんぬんはわからないが、女性プロに関しては「Mリーガーになりたいと思っていたことはなく」とハッキリ明言している。
おそらくはMリーグに何の興味もないというよりは自分の実績やキャリア的にMリーグ入りが想像できないということなのだと思われる。

女性プロの年齢・キャリアについては明言を避けているが、ある程度の実績やキャリアがあればさすがにMリーグは意識するものと思われるだけに、実際はそこまでの実績がないのではないかと推測している。

また、男性プロも下馬評ありきという感じではなさそうで、現時点で有力候補に挙がっていないプロである可能性も捨てきれない。
「もし選手枠が5人に増えるなら真っ先に獲得したいと以前から思っていた」ということは、
近年の対局で結果を残しているとも限らないといえそうだ。


BEASTオーディションがあれだけの盛り上がりを見せ、フェニックスが近藤監督を誕生させたのとは相対的に、特に大きな動きもないままドラフト当日を迎えそうなドリブンズ。
それに加え、記事を読む限りではMリーグ入りの期待が高いプロの指名の可能性は高くはなさそうで、注目度は他2チームにはどうしても劣ることになりそう。
それで結果が出なければまさに踏んだり蹴ったりであり、指名される2人にのしかかる重圧はなかなかにエグいものになりそうではある。
では、そんなドリブンズが指名するのは誰なのか。

ドリブンズ:インタビュー前&後の予想

実は越山監督のインタビュー記事が上がる前の段階で1度予想は立てていた。


男性プロは現最高位の竹内元太p
醍醐大pも考えたのだが、おそらくフェニックス指名になりそうということで竹内pとした。

園田選手とは共に「VS研」という研究会を行っており、関係性はかなり深いところにあるといえる。
また、越山監督自身が最高位戦所属のプロ雀士であり、記事でも最高位戦所属プロが候補選出の中心になっていることを明かしている。
そんな最高位戦所属プロの頂点である現最高位の竹内pならばドリブンズのカラーには相応しいのではないかと。

BEASTオーディション、麻雀最強戦と直近の大きな対局では結果が残せていないものの、
近年の対局結果を考慮しないというのであれば何の関係もない。
実績は十分だし、放送対局での堂々たる打ちぶりも印象的ではある。



女性プロは小宮悠p
第16期麻雀女王(夕刊フジ杯個人戦優勝)など、対他団体での実績は豊富。
なかなかスターが出てこない最高位戦所属の女性プロの中でも一二を争う次世代のスター候補。

元々最高位戦所属の女性プロの中では最有力候補と見ていた中で、予想の決め手になったのが上のツイート。
練習相手となったのがPiratesの鈴木優選手、そしてドリブンズスタッフとしても知られる鈴木聡一郎pだ。
ドラフトが近づいてきたこのタイミングでこの2人と会っているということにはどうしても意味を感じたくなってしまう。
着々と足場が固まっているような、そんな印象を受けたのだった。

もちろん小宮pがセレクションに参加していない可能性もあり、実際に候補なのかどうかはわからないところだが、少なくとも選ばれて然るべきプロであることは間違いないだろう。


そして今回、越山監督のインタビュー記事を受けて、改めて予想を立ててみた。



まず男性プロは坂本大志pだ。

最高位戦所属プロの中では醍醐p竹内pが有力候補として名前が挙がる中で、坂本pの名前はそこまで挙がってはいない。
しかし、最高位、最高位戦Classicなどタイトル獲得実績は近年の最高位戦の中でも上位であり、
最近ではMトーナメントに参戦し、格闘倶楽部の佐々木寿人選手を下して予選1stステージを突破している。

そして、坂本pを語る上で欠かせないのが麻雀への探究心だ。

坂本pのMトーナメント参戦にコメントを出したのが園田選手で、全国各地の勉強会に参加していることを評価している。
竹内pも参加している「VS研」にも当然のように名前を連ねている。


園田選手坂本pのことを「色んな人の麻雀を取り入れたハイブリッド型」と評しており、越山監督が語っていた「手段を限定せず、なんでもやれる選手」という選手像と合致するところがある。

個人的には醍醐p竹内pよりも「ドリブンズらしい」要素があるのではないかと思っているし、
人気や話題性に流されたくないという意思が見えるドリブンズがいかにも指名してきそうに感じるのだ。


女性プロはセレクションへの参加有無がハッキリしないだけに予想が立てづらい面はあるが、
「論理的思考力の高さ」、「実績・キャリアがそこまでない」、「ドリブンズとの親和性」という3点を主な軸として考えたときに浮かんできた2人を挙げる。


1人目は最高位戦の梶田琴理p
「ことり」ということで愛称は「ぴっぴ」。
女性プロとしては珍しい天鳳勢の1人であり、競技かるたA級6段の肩書を持つ「二刀流」でもある。
現在はシンデレラファイトシーズン2に参戦中だ。

プロ歴は4年目で大きなタイトル獲得はなし。
ただ、プロ入りの理由が「もっと麻雀を勉強できる環境を求めて」というだけに麻雀への探究心は相当に高そう。
競技かるたの実力者でもあるだけに論理的な思考力も高そう。
ドリブンズの控室配信のスタッフ経験者ということでドリブンズとの親和性も高く、セレクションにも声が掛かっていそうではある。


2人目は最高位戦の小西雅p
実は、丸山選手がドリブンズを去ることになった時に、次に入ってくるのではないかと自分が密かに思っていた女性プロでもある。

プロ歴は3年目で、現在は園田選手のYouTubeチャンネル「その研」の編集担当である。
「その研」といえば園田選手鈴木聡一郎pが中心であり、まさにドリブンズのど真ん中といっていいチャンネル。
そんな「その研」に携わっているのであれば、当然ドリブンズとの親和性も高い。

ちなみに「その研」には演者としての出演経験もある。


小西pもこれまでに大きなタイトル獲得経験はなく、現在は関西在住ということもあり、全国的な知名度もまだまだ。
しかし、昨年のシンデレラファイトシーズン1では三人麻雀ながら放送対局で役満・大三元を和了。
登場時のジョジョ立ちも含め、視聴者に強烈なインパクトを残している。

シンデレラファイトシーズン1の事前インタビューでは、目標とする麻雀プロに園田選手を挙げ、
Mリーガーになれるならどのチームに入りたいかという問いにはドリブンズと答えている。
現在は関西在住ということもありMリーグ入りはそこまで明確に意識していなかったかもしれないが、
「その研」の編集を任せられ、シンデレラファイトシーズン1敗退後には「その研」で牌譜検討までしてくれたということは、
園田選手小西pに対して全権の信頼を寄せていることは明白で、セレクションにも声が掛かっているものと思われる。

Mリーガーになれば上京ということになるが、そうなれば「その研」としてもより編集作業がスムーズになり、小西pも勉強の機会が増えるというWin-Winの展開となる。

奇しくもドラフト当日はシンデレラファイトシーズン2の初戦の日でもある。
シンデレラファイトに先駆けて行われるドラフトで指名され、Mリーガーとしてシンデレラファイトに臨むという怒涛の展開は訪れるだろうか。

ドリブンズ:個人的希望

越山監督のインタビュー記事を読んだ限りでは、まず連盟のプロが選ばれることはなさそう。
最高位戦所属の越山監督としては、連盟のMリーガーが多数いる現状でわざわざ連盟から選ぶようなことはしなさそうではある。

というわけで連盟以外から探すと、まず最高位戦なら新井啓文p浅井裕介p
越山監督との衝突は必至そうだが、ある種の劇薬として友添敏之pなんていうのも面白い気がする。


(6/30追記)
越山監督のインタビュー記事にて「天鳳位」というワードが出たこともあってか、天鳳位経験者にして今年最高位戦入りしてプロとなった渡辺太pの名前もチラホラ見かけたのだが、
まだプロとしての成果はおろかリアル対局の場数も足りていない中で「天鳳位」の肩書だけで指名するのはさすがにまだ尚早なのではと思うし、
当の渡辺pも「今はさすがに…」と思っているような気がする。

第一、「天鳳位」を経験したからどの舞台でも勝てるというものではないし、逆に結果が出ないようなら「天鳳位」の肩書は足枷にもなりかねない。

2018年ドラフトにて「天鳳位」からプロ入り1年目でPirates入りした朝倉康心pも、大三元和了や100000点超えがあったとはいえ、
在籍4シーズンで大きく目立った功績は残せず、むしろ錯チーや誤ツモで悪い方に目立ってしまった印象が強い。
錯チーや誤ツモがネット麻雀中心でリアル対局の場数が足りてないが故かは定かではないが、そうした例がある以上、おいそれと「天鳳位」にすがるのもあまりいいイメージは湧かないし、
それならリアル麻雀で結果を残してきているプロを獲る方がよほど印象としてはいいと思っている。

あと、一部では朝倉pの名前も挙がってはいたが、本人もTwitterで言及しているように、今はまだMリーグ復帰を目指せるような立場ではないような気もするし、
これだけの有力候補が渦巻く中でわざわざPirates以外のチームが獲りにいくことがあるのかと考えるとそうとは思えない。
ただ今後、最高位を始めとする何かしらのタイトルを獲得するようなことがあれば、一躍有力候補に躍り出てくるとは思っている。


一方で女性プロにはピンとくる人はいない。
候補として挙がってくる現女流最高位の西嶋千春pは直近の対他団体の実績があまりに乏しくて活躍するイメージが湧かない。


(6/29追記)
最高位戦の女性プロでいえば、自分もたまにYou Tubeチャンネルをチェックするかじりさ(梶梨沙子p)が抜けていた。
動画から滲み出てくる聡明さや性格の良さは確かに選手として見たいと思わせるものはあるが、
梶田p小西pと比べてやや知名度・人気がついてきていることに加え、ドリブンズとの親和性もそこまで感じないため、
そもそもセレクションに参加してないまであるのでは?と思ったため指名予想には入れていない。
というか、かじりさはむしろドリブンズ以外のチームに入って、より活躍する画の方が見たいまである。


日本プロ麻雀協会なら何といっても現雀王・浅井堂岐p
雀王繋がりでいえば矢島亨pもアリではある。
女性プロなら実績十分の佐月麻理子p、「IKUSA」で決勝を闘った逢川恵夢p
現女流雀王の水崎ともみp西嶋p同様、直近の対他団体の実績が乏しいのが微妙なところ。

RMUは現令昭位の楢原和人pを筆頭に有力な男性プロは軒並みベテランで、わざわざ獲りにいくような感じではなさそう。
女性プロなら現Aリーガーの白田みおpが面白いところではある。

麻将連合もRMU同様に男性プロが軒並みベテラン揃いで獲得のイメージは湧かない。
女性プロなら天鳳勢の梅村日奈子p、MENSAの藤川まゆpあたりが面白そうと見ている。

終わりに

気がつけば今回は12000文字を超える大ボリュームとなりましたが、
それだけ今回のMリーグドラフトは内容として濃いということです。

自分の予想がどこまで当たるかはさて置いて、6月30日の新たなMリーガー誕生の瞬間を心待ちにいたしましょう。


(6/29追記)
追記分を含めたら14000文字を超えました😅
これだけ長いにも関わらず、読んだという報告を数多くいただいて嬉しい限りです😊

他の方のMリーグドラフト予想noteも逐一チェックしておりまして、気になる名前を見つけたらドラフト開催までにまた少しずつ追記させていただきます。


(6/30追記)
ドラフト前の最後の追記により、遂に文字数は15000文字を超えました。
これだけの反響をいただいたことが何よりのモチベーションになりました。
スキを下さった皆様、Twitterでいいねやリツイートを下さった皆様、本当にありがとうございました🙇

まだまだ気になるプロはいるにはいるのですが、さすがにこれ以上書くと見境がなくなるのでこの辺にしておきます😅

運命のドラフト当日、自分は仕事でリアルタイム視聴ができそうにありませんが、どうにか情報を遮断した上でABEMAにて追っかけ視聴させていただきます📺


あと、ドラフト終了後には予想の答え合わせ、所感、総括をテーマにnoteを書く予定ですのでそちらも是非🙇


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