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【Mリーグ2023-24】「終戦」は本当に「終戦」なのか?

Mリーグ2023-2024のレギュラーシーズンも遂に最終週の4日間を残すのみになりました。
残り試合は渋谷ABEMASとTEAM 雷電が残り2試合、それ以外の7チームは4試合。

セミファイナル進出に関して言えば、首位のU-NEXT Pirates、2位の赤坂ドリブンズ、3位のKADOKAWAサクラナイツまではさすがに当確で、
4位のKONAMI麻雀格闘倶楽部、5位の渋谷ABEMASもよほどの大事故さえ起こらなければほぼ大丈夫でしょう。

一時は大激戦だったボーダー上の争いはEX風林火山が抜け出し、他の3チームがついていけなかったことでややムードが沈下した感はあります。
ただ、改めて考えてみると、大きく離された雷電とセガサミーフェニックスを含めた下位3チームに可能性がほとんどないのかといえばそうとも思えない気はしてきました。

なので今回はそんなセミファイナル進出へのボーダー争いについて連連と書くことにします。



日吉辰哉pの実況への違和感

Xのタイムラインを見ていたら、こんなnoteの投稿を見つけまして。
公開から1日で物凄い反響があって、自分も読ませていただいたのですが、いろいろとわかりみが深い内容でありました。

詳しい内容については是非リンク先から読んでいただきたいのですが、その中で特に自分が考えさせられたのはこの箇所でした。

ファンは千差万別なので、「今期終わったわ」って思っている人はもちろん、口にしている人もいますが、それはファンだから自由であって、そのうえでチームに何を求めるのかもまた自由です。ひとつでも勝ってくれよ、でもいいですし、もう見ない、という人もいるでしょう。

でも、その「終わり」を、なぜ実況が勝手に決めるようなことを言うんですかね。選手も、ファンも、共通して「終わり」と言っているわけではないそれを、選手でもファンでもなく中立的な立場であるはずの実況者が、なんでひとり先に「終わり」って表現するんでしょう。そんな無神経でひどいことはないですよ。

3月21日の第2試合終了後、2戦で3着・2着に終わった雷電と2着・ラスに終わったフェニックスに対し、実況の日吉辰哉p

雷電とフェニックス、雷電残り2ゲーム、フェニックス4ゲーム、これはレギュラーシーズン通過の夢が途絶えたと言っても過言ではないような着順という結果となりました。

と伝えたことに対しての憤りともいえる言葉です。

元々この日は2試合を通して雷電とフェニックスに比重が寄りすぎてる実況だなとは感じてました。
日吉pは前々から判官贔屓なところは出ていて、もはやレギュラーシーズン終盤戦の恒例となりつつもあるのですが、
その日吉pがあっさりと「途絶えた」という言葉を使ったのには自分も驚きましたし、同時に強烈な違和感を持ちました。

この日のオフショット動画にて、日吉pは雷電の高柳監督に対し、
「今日の結果いかんでは『雷電は終わった』と言いかねない」
と伝えてはいます。
それに対し高柳監督も特に抵抗は見せてはいませんでした。

一方で、それに対して「言わせませんよ」と返す本田朋広選手の爽やかすぎる笑顔が印象的でしたし、
実際の試合でも和了れこそしなかったものの四暗刻単騎を聴牌し、最後まで希望を繋ぐ闘いを見せてもらったと思っています。

確かに数字だけで見れば雷電は厳しい位置かもしれません。
ただ、過去にも黒沢咲選手が四暗刻単騎を和了ったりフリテンの7pツモで逆転トップになったりと、終盤戦では数々のドラマを見せてきている雷電だけに、このままあっさりと終わるようには思えませんし、
自分の中ではMリーグチームのファンの中では1番熱量があるとまで思っている雷電ユニバースがそんな簡単に諦めるなんて微塵たりとも思っていません。
同じことはフェニックスのサポーターに対しても言えます。

当然日吉pもそんな雷電ユニバースの熱量については十分に知ってるはずなのですが、その雷電ユニバースに対して「途絶えた」という言葉を使ったのには違和感を覚えずにはいられませんでした。

雷電もフェニックスも総じてレギュラーシーズンでは苦戦しがちで、こういったボーダー上の争いも何度も経験しているだけに、
それぞれのサポーターからしてみれば慣れたくなくても慣れてしまった感まであるかもしれませんが、だからこそ僅かな可能性に対してでも希望を持ちたくなるというものだと思ってます。
そこに対して当事者でもない、何なら本来は中立の立場でいるべき実況があっさりと望みを断ち切るようなことを言うのは、さすがに当事者の立場からすると興ざめするものがあるように感じます。

もちろん変に希望を持たせないことも時には必要ですが、
どれだけ厳しいと思われた条件でもクリアできてしまうことが割と頻繁に起こってしまうのも麻雀であり、それが1つの醍醐味だったりします。
どちらかといえば日吉pもそれを常に期待してる寄りのスタンスだと思うだけに、尚の事「途絶えた」発言には違和感を持ちました。

日吉pの件についてはnoteを投稿したいすかさんの方がより詳しく書いていますので、自分としてはこの辺りまでにして、ここからは別の切り口で書いてみます。

それはズバリ、
「雷電とフェニックスは本当に終戦したのか?」ということです。


3月22日終了時の状況

改めて、これが3月22日終了時点での順位表。
セミファイナル進出ボーダー上の6位・風林火山と7位・BEAST Japanextとの差は101.2p。
風林火山と8位・雷電は約290p、9位・フェニックスとは約400pの差。

そして、残り4日間の対戦カードがこちら。

3月25日
ドリブンズ🆚風林火山🆚サクラナイツ🆚Pirates

3月26日
格闘倶楽部🆚フェニックス🆚雷電🆚BEAST

3月28日
格闘倶楽部🆚ABEMAS🆚フェニックス🆚Pirates

3月29日
ドリブンズ🆚風林火山🆚サクラナイツ🆚BEAST

先述の通り、ABEMASと雷電だけが残り2試合。
かつ雷電は全9チームの中で最も早く3月26日に全日程を終えます。

もちろん現状の数字だけで言えば上位5チームのセミファイナル進出はほぼ当確で、残る1枠も風林火山とBEASTの一騎打ちになった感は強いです。
その中で雷電とフェニックスにどれだけ可能性が残されているのか。
決して途方も無いほど非現実的ではない、考えられるだけのシナリオを考えてみました。


【雷電の場合】

3月25日:風林火山がトータル-50pに終わる
3月26日:雷電が80000点トップ2回(+200p)
3月28日:(特になし)
3月29日:風林火山がトータル-50pに終わる

このようになれば風林火山と雷電は300pを詰めることになり、
今の約290p差をひっくり返すことになります。

トータル-50pは決してラス2回というわけでもなく、20000点の2着(0p)と10000点のラス(-50p)、
あるいは15000点の3着(-25p)2回でも達してしまう数字であり、決して滅多に現れないようなものではありません。

風林火山はおそらく勝又健志選手松ヶ瀬隆弥選手の「カツガセ」で来ると思われますが、
その「カツガセ」でも1月26日にトータル-50pに近い結果となっているだけに、ここから風林火山が2開催続けて-50p以下を叩くことも有り得ない話ではありません。

80000点のトップ2回というのも、Mリーグの半荘歴代最高スコア(112800点)を塗り替えるほどの難易度ではないですし、
手が入ってきさえすれば十分に有り得るレベルではあります。
おそらく登板するのは瀬戸熊直樹選手黒沢選手になるでしょうけど、
瀬戸熊選手は既に今期90000点台のトップを経験済み、そして黒沢選手は何と言っても半荘歴代最高スコアの前記録保持者(112700点)と、まさに相応しい2人が揃った感があります。

当然BEASTのことも気にはしないといけませんが、3月26日の直接対決時にどちらかの試合でラスを引かせられれば、3月28日の最終日に厳しい条件が残りそうなだけに、雷電の通過の可能性はより高くなるはずでしょう。

まずは3月25日の風林火山の結果がどうなるか、そして3月26日の雷電に手が入ってくれるか(できれば役満)、この2点が焦点になりそうです。


【フェニックスの場合】

3月25日:風林火山がトータル-50pに終わる
3月26日:フェニックスが70000点トップ2回(+180p)
3月28日:フェニックスが50000点トップ2回(+140p)
3月29日:風林火山がトータル-50pに終わる

このようになれば風林火山とフェニックスは420pを詰めることになり、
今の約400p差をひっくり返すことになります。

フェニックスもまずは風林火山がある程度下がってくることが大前提にはなりますが、
雷電よりも2試合多い4試合を残しているだけに、求められる1試合あたりの素点は雷電よりもやや軽め。
3月26日で理想通りの結果が出れば、3月28日は大トップ1回と素点を持った2着でも条件を満たす可能性はあります。

過去にはチーム5連勝を達成するなど、何気に連勝のイメージは強いフェニックス。
最終週の初戦となる3月26日の第1試合でトップが獲れれば、怒涛の4連勝のシナリオも現実味を帯びてきます。

もう1つのポイントである素点については、今期は半荘最高スコア60000点台の醍醐大選手以外の3選手がいずれも半荘最高スコア40000点台と苦戦していますが、
過去には魚谷侑未選手が2019-2020シーズンで半荘最高スコア賞を受賞(94400点)、茅森早香選手は2022-2023シーズンで半荘最高スコア90000点をマーク、東城りお選手もルーキーイヤーの2021-2022シーズンで半荘最高スコア77200点をマークしており、いずれも過去に爆発的に勝った実績を持っています。
しかも、ここまで苦戦を強いられたということは、そろそろその鬱憤が爆発してもおかしくない頃合い。
元々打点を仕上げられるメンバーが揃っているだけに、手が入った時にはとてつもないことをやってくれそうです。

また、雷電と同じくBEASTに関しては3月26日の直接対決時にどちらかの試合でラスを引かせられれば、
たとえ全体の最終日である3月28日に闘えずともBEASTの上で終えられる可能性は高く、風林火山の結果次第で通過の可能性は大いに有り得ます。


信じてこその可能性

というわけで、自分なりに雷電とフェニックスのセミファイナル進出の可能性を探ってみたのですが、決して1試合で何十万点という数字が求められるというものでもなく、割と現実的な数字になったかと思います。

もちろん、そう上手く事が運ばないのは十分に承知の上ですが、セミファイナル進出争いに限らず、優勝争いにしても個人タイトル争いにしても、
こういった可能性というのは信じてこその可能性だと思ってますし、それを考えることこそがファンとしての1つの楽しみ方ではないのかと自分は思っていたりします。

たとえ周囲が無理と言ったとしても最後まで折れないのがファンの鑑だと思いますし、そんな想いが報われるような展開が訪れることにもどこかしら期待をしております。

もちろん風林火山ファン、BEASTファンも「ウチが」という想いではいるでしょう。
各チームのファンの想いが全て叶うわけではないのが残忍なところではありますが、
たとえどういう結末になろうと、心の底から「全チーム最後まで頑張った」と言えるような、そんな熱い闘牌を期待しております。



ちなみに、最終週では風林火山とサクラナイツが4戦を闘います。
サクラナイツはボーダー上ではないですが、おかぴー(岡田紗佳選手)のMVPの可能性が残っているだけに、こちらとしてもトップは欲しいところ。
風林火山ファンの皆様には申し訳ないですが、こちらもこちらで全力でトップを獲りにいかせていただきますので何卒🙇


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