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私の名前が意外に伝わらない話

電話口で、自分の名前を説明することってありますよね。
たとえば、安倍晋三さんだったら、

・安定の「アン」
・2倍、3倍の「バイ」、で「アベ」。
・高杉晋作の「シン」
・漢数字の「サン」、で「シンゾウ」。

とかいうように説明するのではないかと思います。職業や部署もよるでしょうが、弁護士の場合、そこそこ頻度が多い。

「山下」はいいけれど

で、私の名前、山下瑞木なんですけど、

・山・川の「ヤマ」
・上・下の「シタ」でヤマシタ

まではいいのですが、「瑞木」(みず・き)で結構苦労します。

みずみずしい」だと、「水水しい」という書き方もある。

「瑞」を使った熟語に「瑞兆」とか「祥瑞」とかあるんですけど、聞きなれないし、なんか仰々しい。「ズイチョウのズイ」って耳で聞かされて分かる人、どれだけいるのか。

久坂玄瑞」とか「河村瑞賢」とか、歴史上の人物もいますが、ちょっとマイナー。久坂玄瑞ってかなり有名だと思ってたんですけど、Microsoft IMEだと「日下玄随」ですよ。これだからMicrosoftは...。

東京都西多摩郡にある「瑞穂町」とか、「瑞」を含む地名もいくつもありますが、いずれも、「誰にでも口頭で伝わる」かというと、そうでもないように思われます。

「瑞」を伝えたい

図4

ということで、漢字をかみ砕いて、「王ヘンに…」と説明することが多いのですが、右側(旁)の方がこれまた説明に苦しむ。「山の下に而」って、ついさっき「山下」って言ってたのに、また山の下かと。


「而」も伝えにくい。哲学好きには「形而」(けいじ)、当業界の(古めの)人だと「而して」(しかして)、孔子ファンには「而立」(じりつ)とか、伝わりそうな用法はあるけど、これでカバーできるのって全人口の何パーセントですか?って話。

結局、「はしっこの端みたいなやつです。ヘンが違いますけど。へへへ。あ、そうそう、それです。ズイです」、みたいに説明してしまうことが多いですね。

その結果(?)、山下「端」木さん宛てのお手紙をしょっちゅういただきます。

悔しいのは、どんなに「みず」と打っても「端」は出ないところです。名刺をお渡ししていたり、メールのやりとりでも、そこそこの頻度で「端木」は現れます。つまり、彼らは、「はし」と打って変換している。名刺にもメール署名欄にも「Mizuki」を入れているのに、電話口でもなるべく「ヤマシタミズキです」と名乗っているのに、です。実に納得いかない。

挙句の果てに、最近作った印鑑まで

図3

これ、「山下瑞木」と楷書で送って作ってもらった結果なんですよ。何が悔しいって、自分でも一瞬気が付かなかったところです。こういう書体なのかと。これが「瑞子」さんだと「端子」になるということですね。よく接続できそう。(※印鑑店には、その後迅速に対応していただきました)

「木」を伝えたい

図5

最後の難関は「」です。これが意外と難しい。だめな例からいくと、

・「一番普通のキ」 「普通」が人によって違うので、「樹」「希」「貴」「紀」などなど、自由に間違えられます。

・「樹木のモク」 「樹木」まで言った時点で「樹」の勝ちです。早ければ「じゅも...」の時点で「ジュですね」と言われます。

・「安っぽい方のキ」 親からもらった名前を安っぽいとは云々。

・「この木なんの木気になる木のキ」 悪くないですが、世界ふしぎ発見を見ている人が実はそれほど多くない。あと長い。

ということで、最近は「木曜日のモク」ということが多くなっています。これで「木」を間違えらることはかなり減りました。ただし、「曜日」に引きずられるのか、「瑞」が「水」になってしまうことも。

ちなみに、経堂の美容師さんで、私と同姓同名の人がいるようです(面識、交流なし)。ぜひ、この悩みをシェアしたいですね笑

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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