見出し画像

弁護士自転車雑記帖|人と自分と警官と

新型コロナ流行をきっかけに自転車通勤を始めた人が増えているようです。

私もその一人。記事では、

新型コロナの感染リスクについて、9割近くが「公共機関での通勤より自転車通勤のほうが感染リスクは下がっていると感じる」(88%)と回答した。

とされています。

たしかに、天候とかスケジュールの都合とかで電車に乗ると、人多いな、近いな、と感じます。感染症予防の専門家ではありませんから、感染リスクが下がってるのかどうかを判断することはできませんが、少なくとも、気分的なものが改善したのは間違いありません。

車、そして歩行者

とはいえ、自転車通勤だからといって「人とのかかわり」がなくなるわけではなく、むしろ増える面もあります。そして、それは、感染リスクよりも怖いものかもしれません。

まず怖いのはです。車は速い。車は強い。ぶつかったら、ひとたまりもなくやられてしまうでしょう。

画像1

多くの道路では、最近、自転車レーンが設けられています。幅は1m弱くらいでしょうか。大きい道だと、自転車レーン分、左側の通行帯が広くなっています。ですから、車に追い抜かれるときでも、危険を感じるほど近づくことはありません。

夜道ならテールライトがマストですね。自分から後ろは見えないので、存在感をアピールしておかないと。私は、赤色点滅灯をつけています。フレームに取り付けるにはやや狭かったので、サドルバッグにつけるタイプ。

未導入ですが、反射材をバッグやヘルメットに付けるといいかなと思います。

自転車レーンを走っていれば安心かというとそうではなく、狭い道では、自転車レーンがなかったり自転車レーンを車が走っていたり。そうした場合は、歩道に入って走ることになります。

そこで怖いのが、歩行者。自分が加害者になってしまうという怖さは、車とはまた別の、しかし同じくらいの怖さがあります。しかも、歩行者は自由に歩くわけですから、ふらふらしたり、急に止まったりすることもあります。

そこで大事なのがヘッドライト。

こんな感じのやつ(実際は違うメーカーのやつですが、ネットで見つからず)。白色点滅で使っています。結構明るくて、近づくと「何?」と振り向かれることも。歩行者に存在感をアピール、効いてます。

それだけアピールしていても、やはり重要なことは、歩道ではゆっくり走る、という当たり前のことでしょうね。歩行者の動きを完全に予測するのは無理。なので、すぐ止まれるように。

充電は忘れずに

自転車通勤をするとなると、電車通勤とは違った準備をすることになります。私の場合、電動アシスト付きなのでバッテリーの充電が欠かせません。

私の自転車のバッテリーは、だいたい30kmくらいしかもたない小型のもの。バッテリーに付属しているライトを点灯すると、減る速度が倍くらいになる。なので、事務所に着いたとき、すぐに充電器にセットする、という作業が重要になります。

充電し忘れて帰り道にバッテリー切れにときは悲惨で、無駄に重いちっちゃいチャリで、長い坂道を汗だくでこぎ続ける、という憂き目を見ました。

このほか、自転車通勤に当たってはいろいろな準備をしているのですが(前回前々回の記事参照)、今まで以上に、準備を怠ったときのリスクが大きくなっていますので、注意しなければなりません。

最大の敵は、うっかり者の自分自身というところです。

警官からの呼び止め

画像2

(※画像はイメージです)

自転車での帰り道、警察官に呼び止められたことがありました。

夜9時半頃だったでしょうか。十字路の交差点で、私は横断歩道の手前で信号待ちをしていました。横断歩道の先にはマンションがあり、自販機が置いてありました。その自販機の前あたりに、警察官が立っていました。

私は、信号が変わると横断歩道を渡り、警察官の目の前に自転車を止めて、自販機で水を買おうとしました。すると、

「ちょっとすみません。この自転車、あなたのですか?」
-はい、もちろんそうですよ。
「サドルが低くないですか?」
-3日前に自転車屋さんに調整してもらったばかりです。
「調べさせてもらっていいですか?」
-どうぞ。でも、すぐに行きますよ。早く帰りたいんで。
「お名前は?」
-山下瑞木です。

で、水を買って一口飲んで自転車にまたがり、出発しようとすると、

「ちょっとちょっと!待って待って!」
-いや、待ちません。これって、職質ですか?
「まあまあ、付き合ってくださいよ」
-私、ちょっと法律かじってるんですけど、警職法には、犯罪の嫌疑がないと職質できないと書いてありますよね。私、なんか嫌疑ありますかね?
「いや、サドル低いんで。足つけてもらえます?」
-だから、自転車屋さんに調整してもらったばっかりだって!(自分でもちょっと低いと思ってるけど!

もちろん全くやましいことはありませんが、警察官と対峙し続けるというのは小市民にとっては大変なストレスです。

最後には、後ろをついてくる警察官に、


「私、早く帰りたいんで、職質じゃないなら帰ります。職質だとしたら、私には何の犯罪の嫌疑もないと思うんで、違法な職質ですから、やっぱり帰ります。私、弁護士やってます。必要なら、名刺お渡ししましょうか?何かあったらご連絡いただけるように」


と言って、その場を去りました(ちなみに、名刺はいらないと言われました)。

つとめて冷静でいたつもりなのですが、恐怖なのか緊張なのか、喉がカラカラ、心臓はドキドキ、変な汗が出ていました。振り返ると、最後の発言は舌をもつれさせながら超早口でしゃべっていた気がします。

自転車通勤をすると、いままでとは違ったものに出会うというお話(?)でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
よろしければ、WEBサイトもご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?