マレーシアマウンテントレイルフェスティバル 2019 (Malaysia Mountain Trail Festival 2019) 参戦記

12/14(土)にマレーシアマウンテントレイルフェスティバル(Malaysia Mountain Trail Festival)というマレーシアで行われた大会に招待選手として参加してきました。場所はTaipingというクアラルンプールから西の方向へ車で3時間くらいかかる場所。まず普通の日本人観光客は行かない所だと思います。トレイルをやっていなければ知らなかったであろう街に行けるのもトレイルをやってて良かった点の一つですね。

今回も移動 はマレーシア在住のキタムラさんにお世話になりました。いつもありがとうございます。
同行者はキタムラさんとその奥様、2才のお子さん、惣流でも式波でもないインドネシア在住のアスカさん、そしてミズコシの計5名。

この大会は2019アジアトレイルマスター(2019 Asia Trail Master)の最終戦も兼ねており、キタムラさんはシリーズチャンピオンの可能性はなくなったものの2位の座を賭けてマレーシアの選手と、アスカさんはこの時点で女子ランキング3位、まだこのレースの結果次第ではシリーズチャンピオンの可能性を残しており、私は4位争いをフィリピン、タイの選手と争う等、それぞれ目標を持って挑む感じでした。

とは言うものの自分に関しては伊豆トレイルジャーニーから中5日しか経っておらず、リカバリーが不十分で大腿四頭筋の筋疲労が全然抜けておらず、またケガしないか不安でしょうがない。レースまではジョッグで繋ぎ様子見。鍼とかマッサージとか身体のケアに行きたかったけど、仕事の関係で行けずじまいでレースを迎えることになりました。

会場に着いて同じく招待されたエリートランナーに会ったり、アジアトレイルマスターのトークセッションに呼ばれて参加したり、記念撮影をしたりする内に、この場にいるだけでも何だか興奮してきました。まぁ疲れは残っているけど楽しめればいいかと。

トークセッション(英語)終了…あー緊張した。

(招待選手で記念撮影)

前日のスケジュールを全てこなした後は大会から割り当てられたホテルへ直行。正直そんなキレイなホテルではなかった…まぁ、いいか…タダだし。
同室は2018アジアトレイルマスターシリーズチャンピオンのAlessandro Sherpa(アレサンドロ シェルパ)
で前年のチャンピオンでありながら今シーズンはDNFが続き、この時点ではランキング9位。今年度のシリーズチャンピオンの望みはもうないが、この最終戦には賭けているらしく、ピリピリした雰囲気が彼から漂う。ホテルの廊下で子供が騒いだだけでも部屋飛び出して注意しにいく有り様だ…
あまり刺激しないように自分も物音立てないよう静かに就寝…
翌朝も静かに起床し、彼が就寝中に部屋を出る。日本人は時間に余裕を持って行動するが、大体外国人はギリギリの時間で行動する。それは国民性の違いか。

レースは土曜日のAM 6時にスタート。コースは公表は距離86.5km、累積標高5200m。高低図を見るとガツンと上る山が2つある。


スタート前に大会が準備したのとアジアトレイルマスターが準備したGPS Trackerを2つも持たされ、これが地味に重い(笑)
メディアも多く集まっており、マレーシアの英雄、Daved Simpatが登場した時のカメラのフラッシュが凄い…アジアのトレイルの中でも注目の高さを感じる。

(画面向かって一番右がDaved Simpat。The North Face Adventure Teamの一員でもある)

そんな喧騒の中スタートし、これだけのメンバーが集まるとスタートからペースは速い。やはり筋疲労から上りがきついので、もう最初からマイペースでいくことにする。後ろから落ちてきたランナーをひろっていくレースしかも今の自分には出来ない…

走れるコースは大体15kmまでくらいで、そこからは急登を上ったり下ったりを繰り返す。最初の山を下った辺りからもう膝に違和感を感じたので、無理は出来ないなと思いペースを落とす。ここで何人かのランナーに抜かれ順位を落とす。。まずは完走優先なので仕方がない。。

25km過ぎて再び山を登る。高低表を見るさほどではないが、ロープを使った急登もあり疲労が残る脚には地味にダメージ。31kmのCP1に着いたら所で先週アジアトレイルマスターシリーズチャンピオンを決めたJohnに追い付かれる。Johnはあっという間に見えなくなってしまい、レースレポートの動画を撮っていたAsia Trail MasterのfounderでもあるKrisにも「膝が痛い」と弱音をこぼす…

ここからはこのレースのメイン、長い急登が続く…ロープが必要な登りばかりで精神も体力も削られた…6km進むのにも1時間50分近くかかり、身体から冷や汗も出て来て風邪を引いたようなダルさを感じ完走も危ういかも…という状態に一時はなってしまった。。

(こんなロープのある急登を上る…)

(顔が死んでる…)

やっとロードの下りに入って暫く走っていたら少しずつ体調が復活してきて身体が暖かくなっていくのを感じる。でもロードの下りなのに1km6分半くらいのペースでしか走れない…先週の伊豆トレは遅くとも4分台で走れたのに…ただ幸いにも膝の違和感は感じなくなってきたので完走の望みは見えてきた。

下り初めにすぐあるCP3に入り、スタッフから「Leech!!(ヒルのこと)」と言われた。足元を見るとヒルに吸われて流血していて真っ赤か…日本でもヒルに吸われたことなかったのに…
少しのんびりしていきたくなったが、まだレースを捨てる訳にはいかない…せめてカテゴリーで3位以内は目指さなければ…。意を決し水分補給だけ素早く済ませCPを出る。

ここから次のCPまでひたすら下りの長いロード。ペースは全然上がらないけど、幸い膝の痛みはもう感じない。


下りをひたすら走り切ってやっとCP4に到着。ここのエイドは食事が提供されるエイドだが自分にはライスとか揚げ物はいらないし…他に補給出来る食べ物はなかったので水分補給のみ…。

ここからは暫くロードを上ってすぐに第2のメインの急登。エイドワークを手早く済ませたおかげで1人のランナーに追い付いたけど上りで再び離されてしまう。幾分体調は回復したけど、上りは全く動けず…更に行けども行けども終わらない上りに根負けして最後はダレてしまった。途中、一旦追い越したランナーにも再び抜き返されてしまう有り様た。

やっと上り終えたら先程の長いロードに再び合流する。2時間遅れでスタートした55kmの部のランナーと混走。単独で走るよりかは気が紛れる。
もうロードの下りでも1km8分台、7分台のラップしか出ずもう笑うしかない…

下りきって先程のCP4=CP6に到着。ライスや揚げ物はいらないのでここでも水分補給だけですませる。幸いジェルはそれほど消費してなかったのでゴールまでは持ちそう。
ここから後は走りやすいコースかと思ったら3つ程、山を上ったり下ったりで余り前半と変わらなかった…最後のCPを過ぎてからは脚が少し復活してプッシュしてみたけど前を行く25kmランナーがロープのある急登で渋滞を引き起こしていたりで、余りペースを上げられなかった…。復活するのが遅すぎた…。

結局、後半は余り大きな順位変動はなく、総合11位、タイムは13時間09分53秒でゴール。Men Veteran Category(男子40才以上の部)では3位で、何とか最低目標にしていたカテゴリー部門での表彰台は確保。手ぶらで帰らずに済みました。

一緒に参加したキタムラさんもMen Open Category(男子39才以下)で3位、アスカさんもWomen Open Category(女子39才以下)で3位と皆仲良く銅メダル。

この最終戦をもってアジアトレイルマスターシリーズの年間ランキング4位も決めることが出来ました。



これで今年のレースは終了。この1年はケガばかりで満足のいくレースが出来たのはPenang Eco100の100mileくらいで、そんな状態でもアジアトレイルマスターシリーズランキングでは4位には入れたので来年はもう少し、パフォーマンスをアップさせたい。年齢も年齢ですがまだ改善の余地や伸び代はあると思うので、引き続き頑張ろうと思います。

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