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OLをグレッチで殴ってしまいそうになった今日のこと

先日、Bluetoothイヤホンを買った。Amazon謹製のEcho Budsである。

実は2度目の購入だ。昨年の夏にも買ったのだが、2週間ほどで失くしてしまった。正確にいうと、酔っ払って澄川駅前にばら揃いたらしい。節分じゃねえんだから、俺よ。

「あんなもの、端っからいらなかったんじゃ!音楽は悪!全ては音楽とワクチンとフリーメイソンが悪い!」

酸っぱいブドウ改め、ばら撒いたイヤホンである。

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音楽は悪だが、ラジオは聴かねばならない。一旦、片耳の激安イヤホンを購入したところ、これが思いのほかよい。そもそも両耳である必要などなかったのだ。

しかし「いまはラジオの気分でない。音楽が聴きたい」という瞬間もある。
片耳かつペラペラ音質は、バカ耳の私でもさすがに耐えられなかった。

そんなわけで、2度目のEcho Budsお買い上げとなった。

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しかし「悪」とまでいってしまった以上、何食わぬ顔で音楽を楽しむことはそう簡単に許されない。しばらくは引き続いてのラジオ生活だ。Echo Budsは川島さんの声もマキタさんの声も、クリアに再生してくれる。それだけでも買った価値はあった。

しかし、そろそろよいだろう。音楽を聴こう。

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「ウォークマンは日常にBGMをつけることで、人々の生活を変えた」と、誰かがそんなニュアンスのことをいっていた。
確かに、いつもの風景も音楽によって見え方が変わってくる。

通勤の地下鉄。シャッフル再生にしていたところ「丸ノ内サディスティック」が流れ出した。目の前にはくたびれたOLさん。

彼女はたぶん将来僧になって結婚してほしいとか、ピザ屋の彼女になってみたいとか願っているに違いない。そうとしか見えない。ここはもう、丸ノ内だ(東札幌)。

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仕事を終え、東西線ではなく東豊線に乗り込んだ。学園前で下車。少し歩いて、湯へ。

道中、というほどの距離ではないが、シャッフル再生を開始した。

♪デーンデーンデーーーーン

UWFのテーマである。

このシチュエーションに似合うかといわれれば答えは否だが、90年代のプロレスに多少なりとも触れた人間であれば、そのイントロを聴くだけで脳内麻薬がドバドバと分泌される。瞳孔が開き、体温は上がる。シチュエーションは関係ない。

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湯に入る前から上気していた。番台が北尾だったらブック破りのハイキックを叩き込んでいただろうが、鎮座していたのはいつもの大将だった。危なかった。

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その湯は、有線が流れている。今日の1曲目は「secret base 〜君がくれたもの〜」だった。
さっきまで高田延彦だったのに、気がつけば夏休みの子どもになっていた。
音楽は風景だけでなく、時に自分を変える。


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帰り道のBGMは、より重要だ。湯上りの軽やかな、でも少し気だるいこの感触はちゃんと家に持ち帰りたい。選曲ミスで台無しにしてはいけない。グッドチョイスでむしろブーストさせねば。

伝家の宝刀・シャッフル再生!任せたぜ iOS16!(まだアプデしていない)

違うな、うん。悪くはないけどね。
結局、自分で選曲。

10月が終わる。もうすぐ冬だ。

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