みどりの日と鶴の湯のこと
5時前に起床。最近、休みの日は早い時間に目が覚める。小学生か。
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うっかり結果を知ってしまわないうちにと、数時間前に行われたアジアカップの決勝をDAZNで観戦。朝っぱらから
「ふうきぃぃぃ!」
「こくぼぉぉぉ!」
などと大絶叫。近所迷惑だったと思う。すいませんでした。
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昼過ぎまで諸々の家事をこなし、その後はチャリで職場へ。
守衛さんから鍵をもらう際、
「さっきまで太田さんいたよ~」
とプチ情報をいただく。
事務室に入ると、太田さんが飲んでいたであろうコーヒーの残り香が鼻腔をくすぐった。
「まだ遠くに行っていないぞ!」
というやつだ。
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若干の仕事をこなし、チャリで南下。鶴の湯さんへ。
レトロとかノスタルジーという言葉を使って銭湯を語るのは趣味でないが、鶴の湯さんに限ってはそうせざるを得ない。
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浴後、脱衣場の壁を何気なく眺めた。
「こどもの日は小学生以下のお子さん2名まで無料」
という、さつよく(札幌公衆浴場商業協同組合)のポスターが貼られていて、その横には折り紙で作られた2匹の鯉のぼりが泳いでいた。
私は泣いた。
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何が私の涙腺を緩めたのかはわからない。
折り紙の鯉のぼりが、とにかく愛おしすぎた。パックマンの形をした黒目が可愛い。番台に座る女将の仕事か、あるいは別の方によるものか。
いずれにしても
「あら、こどもの日ね。じゃあ鯉のぼりでも飾っちゃおうかしら」
という、その気持ちが、心意気が、私の心を刺した。
若かりし頃なら見向きもしなかったろう。時の止まった銭湯で加齢を実感するとは、皮肉なことだ。
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帰り道、チャリで豊平川を渡る。「満車」と表示されたヴィーナスコート(ラブホ)の駐車場をやり過ごす。
ビックリッキー美園店で黒糖焼酎の一升瓶を買い、リュックに詰めて帰宅した。
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コーヒーの匂いと鯉のぼりとラブホと焼酎と。それぞれの、みどりの日。
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