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さよならアカちゃん

不妊治療をはじめて10ヶ月が経った。
橋本病とPCOSがある私は自然妊娠は難しいようだ。
仕事の合間に毎日毎日注射を打って排卵するようにした。
血液検査でも倒れる私にとって、とても苦痛だった。

薬の量が合わず、卵巣が通常の3倍に腫れてしまった。
重いものを持たない、走らない、妊婦さんみたいな生活が始まった。

そして初めての陽性。
なんとなんと2本線が出ているではないか…
嘘でしょ、でも喜んじゃいけないなと思いながら病院で検査をした。
また陽性。本当に嬉しかった。

次の日は遠足だった。遠足といっても少しの距離。
私はルンルン気分で歩いていた。私には赤ちゃんがいるんだ!これは本当なんだ!

子どもたちを眺めていると
急な腹痛。すごく嫌な予感がした。
トイレに行ってみると見たことない量の血。

なんで?
嘘でしょ?
昨日は陽性だったじゃん。

病院に電話すると今日来てくださいとのこと。
私は早退して病院へ向かった。

もう陽性反応は消えていた。

化学流産だと教えてもらった。

そっか、帰ってしまったんだね。
これが私の初めての陽性反応。

単身赴任から帰ってきた夫は笑っていた
「妊娠できるってことがわかってよかった」そんなことを言っていた。

私はもう、どうしたらいいかわからない。
月曜日普通に仕事をして、
火曜日仕事を休んでしまった。
単身赴任の夫は研修で家にいて、それなのに2日とも飲みに言っている。

彼に私の気持ちなんてわからないのだろうか、こんな時ぐらい私を優先してって気持ちはおかしいのだろうか。

彼は「本当は残念だったよ」と言った。

そんな言葉を聞きたいんじゃない。私は死にたくてたまらないのだ。

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