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住みやすい都市ランキング

「住みやすい都市ランキング」的なものが毎年発表されていますがここ最近はそう行ったものにすごく疑問を感じます。
以前自分がカナダのトロントに留学に行った時、現地に着く前に色々な記事を読んだり、さてどんな場所なんだろうと期待を膨らませていた頃に「世界の住みやすい都市」のようなものにカナダのトロントはおそらく6位とかそこらへんで入っていてなんとなくですが「すごくいいとろこなんだろうな〜」とか期待していたのをよく覚えています。

自分がトロントを留学先に選んだ理由は「移民都市」と言われたくさんの人種の違う人たちの生活や文化を見て聞いてできればとか、それらをお互いに尊重しあって生活していくというのを実際に体験できればいいなと思っていたというのが大きく、そんな中で住みやすい都市として名前が挙がるトロントに素直に感心し本当に行くのを楽しみにしていました。

で、実際にトロントについて。思ったのは優しい人が多いんだなということです。色々な文化、生活様式を認める人が多いことが要因なのかなとかも思いました。色々な人がいるんだってのを理解しているというのを多くの人から感じました。自分がトロントについてまだ右も左もわからず道に迷ったり立ち止まっている時にもよく「大丈夫?」と声をかけてもらったことを覚えています。ダウンタウン周辺にも自然が多く、都市と自然が共存している感じがすごく心地よくこれは確かに住みやすいと思う人が多いんだろうなと。英語を流暢に話せない人もたくさんいるのでカナダ人たちもそれを前提として話してくれたり聞いてくれたり。これから英語を!と思っている留学生にとってはすごくありがたい場所でもあるんだとも思いました。

ただそれらを差し置いてでも一番自分の中で印象に残っているのはホームレスの多さで、自分がトロントについたのは3月のはじめ(トロントの3月はすごく寒いです)でついた頃はそんなにほとんど見かけることはなかったのですが、少しずつ暖かくなり4月、5月頃になると街中にはたくさんのホームレスが、さらにその中には子供もいてかなり驚きました。

「移民都市」と言われ難民の入れにも積極的なカナダですが割と多くののホームレスが出てきた人のお釣りをもらうため、カフェやスーパーマーケットの前に座り込んでいる。道端で死んだように眠っている人もいて何回か実際に生死の確認をしたこともありました。
帰ってきた言葉は「タバコ持ってるか?」でしたが。


そういうシーンを目にすると「住みやすい都市」も別の角度から見たら「住みにくい都市」なのかもしれないなと。
実際にカナダ人に聞いたことなのですが、手続きの云々などはあるにしてもホームレスを援助する一定の施策はあるそうでそれを拒む人が一定数と移民、難民が多数。母国から逃げ出してきた人たちの中には全く英語を聞けない、話せない、読めない人もいてそういった人たちにはそれらの施策が認知されていなかったりもするそうです。そしてその中の家族みんなでトロントに来た人達が子供の方がお金をもらいやすいという理由から親が子供にその役を任せお金を稼いできてもらうということも多いとのことでした。ただ結構な子供が道に座って小銭入れとにらめっこしている姿と全体的に見れば豊かで恵まれたまさに「住みやすい都市」との比較はなんと言えば良いのか考えるきっかけになりました。

「住みやすい都市ランキング」。この結果が家を持たない人達や金銭的に余裕のない人達のことを考慮した上で出た結果なのか、それともその結果に一喜一憂する人達だけで決めたものなのか。確認するまでもないことで結局は誰かの決めた基準で点数をつけられて順位付けされるけれどその基準を作る人もそこに関心を寄せる人も決まって生活にも時間にも余裕がある人達なんだと。


結局何が言いたいのってそう行ったランキングを見て、安心して、海外に留学なんてしてってのはそれだけで大きな幸せなんだなと、本当に。そういうことって簡単に気づけそうで意外と気付きにくいんだ。日頃からそう行ったことには気をつけて生きていこうと思ったと同時に、自分が将来どういう人間になりたいのか。トロントでの生活はそれを明確にしてくれた良いものでした。って話。


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