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【映画】心にスパイスを

今回は、「Chef」という映画をご紹介します。
これはこれは、観た後思わず踊りたくなる、
何となく心が満たされたような気持ちになる作品でした。
友達に紹介してもらって観てみたのですが、よかったです。
今回もいつもに増して、ご紹介していきますね。
”心にスパイスを”と自分で書いてみたのですが、それは何故かはこの作品を観てもらったら何となく分かってもらえると思うのですが、
この作品は映画では珍しい、タイトル通り”Chef(料理人)”に関してです。

料理に対する敬意と情熱がすごい

あまり料理をする部分などの細かい描写のある映画って少ないと思うのですが、この作品では素敵な音楽とともにとても丁寧に撮られています。観ているこっちは、「こういった気持ちのこもった料理を食べたい!」と思わずには居られないシーンが印象的です。
役者も実際の料理人に徹底して学んだようで、そのシーンも最後のエンディングで流れたりと役者の料理に対する本気度が本作品にも活きているように感じます。
それに息子と車のメンテナンスや実際に料理を作る過程で、料理人とはどうあるべきかという姿を父親として、そしてボス(料理長)として教えている姿は見ものです。
影響されやすい自分ではありますが、自分も料理したり美味しい一流の料理を味わいたいなと思ってしまうほどです。
知り合いでもシェフをしている人がいるので、是非観てもらいたいなと思った反面、下積みの下積みをこなしている人には少し明るすぎるかもしれないなとも思いました。
しかし、食べる側の人にとっても料理に対する敬意を持ったりこだわりを持つ良いきっかけになるように思えます。
素材を選んでいるシーン・素材を切るシーン・調理するシーン
短調のような映像がリズミカルに表現されていて心が踊ります。
料理シーンで動画がまとめられているくらいです。

本質を追求する主人公がやっぱり格好よくて素敵

人生を歩んでいく中で、自分の本音を歪曲してでも社会に合わせたりする必要があったりする場面って多々ありますよね。
本当にはらわたが煮えるとはこういうことだと実感する経験です。
アーティストで特にそういったことが多いように感じます。例えば、音楽や小説でも自分は社会が喜びそうなものに合わせて作品を生み出すのではなく、信念を曲げずに己の道をいくといったことです。
それで成功につながったケースはほとんどイノベーションになります。
大抵そういう場合において、それらは”挑戦”になるわけでマス(社会)からはまだ認められていない新しい価値なのです。ですが人は元来、新しいものなどを拒む傾向にあるのか、強いあたり(横槍)を受けます。
今回だと、主人公のシェフはレストランのオーナーであったり、批評家とぶつかります。
批評家には”同じような料理を出しているつまらないシェフ”と誹謗されたり、本当は自分の価値(作品としての料理)を提供しようと新作の料理を出そうとするもオーナーにはリピーターなどもいるから何も変えなくていいと強く言われたりして主人公はとかく葛藤します。
やはりオーナーといった金銭的に力のあるものは、意外にもプレイヤーとしての本質が見えていないことが往々にしてあるようです。
その怒りを表したシーン。ここまで怒れるほど真剣に仕事(料理)に向き合っている彼だからこそ生じる感情で、これで主人公はいろいろと失うことになります。
ですが、人は何かを失った時に何かを創造する生き物です。
恋愛などもそうですが、破壊あっての創造なのです。
ちなみに、このプレイヤーとオーナーの対立構造は、最近上映されている話題の「フォードVSフェラーリ」でも描かれています。
あれも痺れますよ。抽象化するとジャンルは違えど凄く似ています。車を愛する心、本質を追求する人たち。道を外れないよう一旦停めます。笑

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友情あり家族愛ありそんな人間ドラマに惹かれます

とまあそういう職人気質のある主人公は、離婚して子供がいます。
その息子とうまくいっておらず、どうしていいかも分からないというような課題を抱えています。
約束していた旅行などをすっぽかしたり、料理で忙しいという理由で元妻に任せたりとダメ夫っぶり全開なわけです。
一方で、仕事に関してはピカイチの才能を持っており人望もすごいです。
厨房での仲間たちは皆彼を慕っていて、料理研究を徹夜でしてそれを仲間に振舞って賑わっているシーンなどは所謂buddyという感じがして、ついついニヤニヤしてしまうようなアメリカンジョークも行き交います。

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結論や物語の詳細を書くともはや面白くないので、ここら辺でとどめておきますが、仲間・家族とのやりとりまで拡がるこの作品は、料理だけでなく人生という幅広い意味においてスパイスしているようで、タイトルをつけたわけです。

とてもアメリカっぽいんだよな

僕もアメリカの横断を車でしたんですが、その風景だったりを作中で感じられます。それを本作のテーマである料理とからめて、クッキングカー(※すぐに適切な名前が出てこない)でまわります。
ディズニーなどの話が出るのですが、それで大体登場人物はどこらへんを車で走っているのかなどが垣間見えて面白いです。
そのため、少しアメリカの地図などでどこらへんかを事前にイメージしているとなお一層面白くなるかもしれないです。
特に、マイアミやロスなどが出ますが、東と西でそれはそれは凄く距離があることがわかります。
その区間を車で旅をしながら料理を振る舞うのですから、その当事者たちの間で絆が深まらないわけがないんですよね。しかも男三人で。
あ、それでいうと”ハングオーバー”を思い出しましたね。

特に、メキシカンの要素がこの作品では強くその持つ意味はかなり大きいです。アメリカ南部などでは、そういった南米系のアメリカ人が多くなんとなく性格とか話し方とかも場所に大きく異なります。
少し話が僕個人の話に移りますが、僕がタイでバックパックをしていた時に、偶然出会ったサミーというパパはアメリカから来ていてかなりメキシカンな優しいダンディーなおっちゃんだったんですが、アメリカ旅をした時にお世話になりました。
そん時のノリとか奥さんの雰囲気とかが似ていて、その意味においてここのキャラクターの設定は重要なように感じました。
アメリカは広大で素敵だと思わずには入られません。
作品上では、SNSも頻繁に出てきてそれが良くも悪くも、本作品では大きな転換でのトリガーになります。
それらの新しい時代の流れを逆行しているかの主人公や、ミーハーのような同僚たち、それに詳しい息子のバランスも面白いです。

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最後に

お腹いっぱいになれる作品で間違いなしです。
何か刺激足りないんだよなって人には、凄く良いきっかけになるような映画であるような気がします。
そんなためか、とてもぴったりな画像を見つけました。

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要するに、”気持ちの良い映画は、情熱に火をつける”といった意味で、映画を見終わった後のあなたは、少し踊ったりしてるんじゃないでしょうか。
メキシカンな音楽にはそういった作用があるのかもしれないですね。
本当に彼らの陽気さは、陽気な僕でも敵わないほどですからね。

最後に、この映画を観て思った格言をまとめさせてください。

”生きていく上での幸せの本質は、決して社会的な成功にあるのではなく、自分の欲望の表現とその実現にあるのかもしれない。”


今回だと、主人公はこよなく愛する料理をしてそれで客に喜ばれるのが自分にとって何よりも生き甲斐だといいます。
レストランにまで大きくするのは、それをより多くの人に届けるという意味での手段にすぎないのかもしれないなと思わせられました。
自分ももっと自分のしたいと思うものを見つけて、それがより多くの人にとっての幸せに繋がる何かを見つけたいと思った次第でした。

これもしっかりカタルシスがこもっています。
是非皆さんも、スパイスで刺激され心をお腹いっぱいにしてあげてください


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