500日のサマー

【映画】淡い恋の味を噛みしめよう

さてさてようやくきました。
恋愛ジャンルに遂に突入です。
恋愛関連って、映画も小説もどんだけあるんや。ってくらいありますよね。

昨日ふと考えていたらですよ、気づいたわけですよ。何故それらが熱々なトピックなのか。

それはですね、

好きってこと自体、言葉だけであって本人すらも正確に捉えられない難しいもの。

これはどういうことかと補足すると、
人を好きになる要素を分解した時に、その変数が目が回るほどあって、そのそれぞれの変数の重要度がバラバラであるということです。
そしてMECEがなんとも難しい。
それ故に、自分でも分からないんですね。

要素を例えてみると、
・性格が優しい
・尊敬できる
・身長が高い

こんな感じであったとしても、
身長が低くくても他の要素が強ければ、その要素が意外にも優先度が高くないとか。
結構分からないものなんですよね。
なので、優先度が明確な人はすぐに見極めれる点でいいのですが、可能性を自分で狭めてしまっていることもありますね。
それでいて、恋愛はそれを持つ個人の掛け合わせなんで更に難しいんですよね。
悩みが無いわけがないんですよ。

そんな恋愛の中で、基本的に女性が悲劇にヒロインになりがちなところですが、今回はそれが男性である何とも切なくてそれでいて前向きな映画をご紹介します。
モテる女性とかも全然共感出来る作品だと思います。何なら僕の先輩は、「あれ観てサマーをビッチっていう男はこちらから願い下げよ。」と仰ってましたね。
強烈ですが間違いないですね笑

そうです。「(500)日のサマー」です。
特に真剣に恋したことのある、残念な感じになったことのある男性諸君には響きますよ。
僕もありますし、仲の良い友達なんかはそれが理由で本作が好きすぎるくらいです。
まあなによりも、男は一旦こんぐらいの挫折をせんとあかんと思うんです。
それでは以下より詳細で説明します。

主人公のトム君の情けなさが良い

トム君は、とにかく草食系の代表。
サブカル系の音楽を好み、シンデレラが現れるのを待ってるというような感じで何となく夢みがちななよなよしたキャラです。
そんなトム君を演じるのは、
あのジョセフゴードン。
名前はイカツイですが、凄く日本人のような柔らかさのある凄くなで肩の俳優です。別作品の“インセプション”では、渡辺謙さんと共演しています。

仕事に夢中になれてない
恋愛で仕事に影響がでてしまう
極度の気にしい
何もかも受け身

などなどとにかく、イケてないのです。
でも恋愛において、追う側になってしまう場合は基本的にこんな感じになるような気がします。
追ってしまう→相手はますます嫌になる→相手の対応悪くなる→ますます追ってしまう

うんうん分かる分かる。
これは単に恋愛だけの問題でなくて、自分の人生における大事なものを表したピラミッドにおいて、恋愛が大きすぎて依存してしまう時に生じやすいことですよね。
トム君は建築家になりたかったと作中でも度々でてくるのですが、仕事や夢などに夢中になれてなかったんですね。
そんな時は往々にして、依存しちゃうんです。

ストーリー展開がユニーク!

(500日)のサマーとあって、
この500日が大きな意味を持ちます。
作中では、過去に戻ったり現在に戻ったりと結構ランダムに動くわけです。
特に意識していないと、一体いまはどのフェーズなのかといったことを見落としてしまうくらい、自然に撮られています。

初めての出会った瞬間とか
社内でキスした瞬間とか
フラれた瞬間とか

気分の浮き沈みを
面白い具合に巧みに表現されています。
僕の中で印象的なのは、画面を半分にして理想と現実の画を並べて撮るところ。
あートム君だめだ。
と思いながらも前屈みにそんな彼を見守るようにして観てしまうわけです。

画像1

単なるラブストーリーではない

幸せな彼は、失恋して一瞬にして何もかもを失ってしまった。。しかし、全く見向きもされなかった彼が、運命の彼女と出会い前向きなっていく。。

といったような単純な、恋愛の恋の部分を切り取るのでなく、本作の熱いところは、恋愛を単なる恋愛としてでなく互いの成長に必須なものとして捉えているところにある気がします。
ネタバレになるので詳細は書けませんが、実際にトム君はサマーちゃんと離れてから、ようやく自分と向き合って前に進み出します。
作中ではオータムちゃんという子と出会うのですが、ここは夏(サマー)の次の秋(オータム)ということで、些細でなくあえて見せる強いメッセージ性があるように思います。

実際そうですよね。
恋愛ってネガティブな力にすると、なんというか逃げ場というか落ち着ける場所になってしまうような気が僕もします。
別れた後っていうのは本当に何もない空っぽみたいになるので、かえって逃げ場がないというかそのままの自分を見つめるしかないんですよね。
自分の夢とか目標と現実の差分を、恋愛で蓋をしてるとでもいうように、本作でもトム君は本来の建築というところを恋愛というものでカバーしようとしていたように思えてなりません。
それでいて、人は夢とか目標を持つ前向きな人に惹かれますよね。
それで逆にそっちを追いすぎると、それは別の理由で別れたりと方程式のような解はないなぁ。とつくづく思います。

でもやっぱり、
恋は色んなことを教えてくれる
素敵な体験だと思います。

“マチネの終わりに”を書いた、僕の好きな平野啓一郎さんは以下のように言っていました。

なるほど、恋の効能は、人を謙虚にさせることだった。

やっぱりお互いの学びに繋がるんですね。
喧嘩別れとか色々とあると思うんですけど、別れた後もその相手に何かしらの敬意とか持てるようなそんな恋がいいですよね。

最後は少し気持ちが入りましたが、恋にまっしぐら・恋はこれから・恋が終わりたて どんな人でも一度是非ご覧下さい。
以下予告見ると、なんか胸にこみ上げてくるものがやっぱりありますね。




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