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TEDより:何でも先延ばしにしちゃう人

こんにちは。バタバタした日々を送っています。今日の写真はハワイ。大学時代に留学していたのと叔父と叔母が住んでいて一番行っている場所で、私の第三の故郷だと思っています。

さて、今日は以前も書いたTEDトークから、私のお気に入りのスピーチで「先延ばしにしてしまう人の脳の構造のお話」を紹介します。と言っても全く堅苦しい脳科学の話ではなく、アニメーションを用いた面白いプレゼンなので見てみて下さい。こちらも日本語字幕つきにして、英語のリスニングの練習にどうぞ。発音も話し方も明快なので聞き取りやすいと思います。

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英語では何でも延ばし延ばしにしてしまう人の事を"Procrastinator"と言います。発音もスペルもちょっと難しいですよね。簡単に砕いていうと、"People who cannot do anything until the last minute"という事で、締め切り直前になってからじゃないと動き出せない人や、いつも提出期限ギリギリの人の事を示します。

ちなみに、この"last minute"は英語の日常会話では頻繁に出てくるので覚えておくと便利です。例えば"He always calls me at the last minute" は「彼はいつも最後の最後で電話してくる」で、"Sorry for my last minute cancellation"は「ドタキャンしてゴメンなさい」になります。

このお話の中では、脳みその中に人間とサルが共存していて、快楽主義のサルが脳をコントロールしていると先延ばしにしたがるとなっています。確かに、誰でも楽しいことや簡単なことは好きです。そして、やるべき事があってもサルが大半を占めてしまう脳を持った人は、子供の頃からの性格で正直変わる事がない感覚だと思っています。

実は、私の脳みそにサルが登場する事は殆どありません。正直、子供の頃からの性格なので根本的な理由は自分でも分かりませんが、理由を挙げるとしたら、せっかちで心配性な性格だからだと思います。逆にいうと、私と同じような性格の人は「先延ばしに出来ないタイプ」だと思います。

小学校の頃、7月20日位から夏休みになって、8月31日までにしなければいけない宿題が出されていました。私が毎年していた事は、7月31日までに全ての宿題を終わらせる事。つまり、6週間という時間内に終わらせるべき宿題を与えられて、2週間で終わらせていたのです。

今思うと我ながら凄い子供だったなと思いますが、皆んなが「夏休みになった。さあ、遊び放題だぜ!」と喜んでいた中、私は7月21日から机に向かい必死で課題をこなし始めていました。そして勝手に自分で作った締め切りの7月31日までに終わらせる為に、7月中は友達とは遊びませんでした。

この癖は本当に小学校低学年から既に備わっていたので、私は今まで生きてきた中で誰にも急かされた事がありません。つまり、誰かに「早くしなさい」とか「〇〇はやったのか?」と言われる前に終わらせてしまうのです。この性格のせいで友達からはよく「いつも生き急いでるよね」と言われていました。自分では余り自覚していませんでしたが、きっと時間軸が人と違って時の流れを誰よりも早く感じているのかもしれません。

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一方、このお話に出てきている先延ばしにしている人の頭の中には常にサルが主導権を握っていて、「今週中にやんなきゃいけないな。ところで、あの芸能人は誰と付き合ってるんだろう。」というような発想で、本来やるべきことを後回しにして、その時にしたい事を優先してしまうようです。

私としては、「今日中に終わらせてしまえば残りの6日はゆっくり出来る」とか「明日提出したら、手直しが必要でも4日もある」という考えになるので、出来る限り早く終わらせようとします。ここにあるのは、完全に理性的意思決定者のマインドです。

特に、仕事のやり方では納期が1週間のものがあった場合は、「3日以内に70%の質のものを」というのが基本姿勢です。早い段階で依頼主に70%のものを見せて依頼したイメージと合っているかどうかを確認し、1週間以内には100%にするというのを目標にします。私はこの方法で評価されてきたので、仕事をしている時は常に理性的意思決定者でいる事がプロフェッショナルだと思っています。

ですが、周りを見渡すと先延ばしにしてしまうタイプの人が多いとは気づいていました。今までどうして彼らがギリギリまで何もしないのか理解出来なかったのですが、今回のスピーチを聞いてそもそも脳みその構造は違うのだと理解する事ができました。

脳みその構造は直す事は難しいと思いますが、私は脳みそも筋肉と同じで何歳になってもトレーニング次第で成長すると信じています。短期的な快楽を優先してしまいがちな人は、想像力を鍛えて長期的思考にスイッチすると良いと思います。後からパニックモンスターがくるのを強くイメージ出来れば、少しサルは隠れてくれるのではないかと思います。

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このスピーチの最後はとても真意をついていて笑っていた観客も真剣に聞き入ってしまっています。何故なら「私達に与えられた時間は限られている」というメッセージは、誰もが分かっているのに見て見ぬ振りをしたい現実だからです。

学校や職場では締め切りというのがありますが、大人になると多くの局面で締め切りがありません。例えば、ダイエットをしたいと言ってた人も大好物のケーキを目の前にすると「ダイエットは明日からにしよう」と言って締め切りを延ばしてしまいます。結婚を決められないカップルも同じです。理由は単純で、先延ばしても誰にも怒られないし、誰にも迷惑をかけない事だからです。

こう言った所謂ペナルティーのない事柄は達成するのが難しいのです。前回「夢を達成しやすい人」について書きましたが、今回も夢を達成しやすい人の特徴がお分り頂けたかと思います。それは「誰に決められなくても締め切りを自分で作る事ができて、それに向けて行動できる人」です。

書きながら気づいた事は、「あ、だから私は夢を達成してきてるんだ」という事です。もともと学業の面では平均的で、むしろ優秀な親族に囲まれていたので劣等感もありました。そんな私ですが、この生まれ持った性格のおかげで次々に夢を叶えて行く事ができました。

小学校の時点で「勝手に7月31日までに宿題を終える」と決めてやり遂げてていた私は、宿題が終わると誰よりも楽しく夏休みを過ごせました。この経験から「嫌なことや課題を早めに終わらせたら、気兼ね無く楽しむ事ができる」というのを学びました。

ただ、これはずっとは続きませんでした。何故なら、8月の後半になると先延ばしにするタイプの友達は一斉にパニックモンスターに出くわし宿題をやり始めるからです。おかげで、私は彼らと遊べなくなりましたが、宿題を手伝ってあげて感謝される事もあったし、一人で遊ぶ趣味も増えて結局良い事だらけでした。

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スピーチの最後に出てきた90個の箱を見た時、何を思いましたか?限られた人生の中で、絶対に成し遂げたい事はありませんか?

私にはあります。そして、それを実現させるのが今年だと決めています。実は今も予想外の問題が生じてしまい、サルがひょっこり顔を出し始めているのですが、「今年じゃなきゃいつなんだ」という気持ちで締め切りを決めたので後はそれに向けて進むのみです!という訳で、今日の一言はこちら↓

"Procrastination makes easy things hard, hard things harder"                   by Mason Cooley

*今日の1曲:「灰色と青」BY 米津玄師&菅田将暉          サビの感情がこもった歌声を楽しむにはライブバージョンが一番 






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