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ロケットと空き家

地上で、この放送を聴いてる人はいますか?
私は人類初の宇宙飛行士です

たった今
人間は初めて星の世界へ
足を踏み入れました

海や山がそうであったように
かつて神の領域だったこの空間も
これからは人間の活動の舞台として
いつでも来れるくだらない場所となるでしょう

地上を汚し
空を汚し
さらに新しい土地を求めて宇宙へ出てゆく。

人類の領域は、どこまで広がることが許されているのでしょうか。

どうか
この放送を聞いてる人、お願いです
どんな方法でも構いません
人間がここに到達したことに、感謝の祈りを、捧げてください。

どうか
お許しと、憐れみを
我々が進む道に
暗闇を置かないでください。

罪深い歴史のその果てに
揺るぎないひとつの星を与えておいてください。

1987年に公開されたSFアニメ映画《王立宇宙軍 オネアミスの翼》で主人公シロツグ・ラーダットが始めて宇宙から地球を見た際に、台本と違うラジオ声明を行うシーンの全セリフです。森本レオの落ち着きのある声で、ゆっくりと語られるシーンに、当時は釘付けになったことを覚えています。

いきなり引用からはじめましたが、今、私たちはここに描かれた、宇宙がいつでも行き来できるくだらない場所となるまであと少しという世界を生きているんだなと、ワクワクするのになぜか物悲しい気持ち(否定とかそういうのではなく、ほんとに未来ってくるんだなーという)になったので、久しぶりに映像を見直してこれを書いています。

さて、タイトルにしたロケットと空き家。
宇宙計画というもの自体が民間が参入するようになり、日本でも世界でも、宇宙へのあこがれが現実味を帯びてきました。この7月20日にアマゾン創始者のジェフベゾス自身の立ち上げたブルーオリジンが有人宇宙船での宇宙旅行に成功。そこには、1950年台後半から米国で計画されていたマーキュリー計画では採用されなかったものの、当時適性を買われ民間でプログラムが進められた女性初の宇宙飛行士養成計画、通称《マーキュリー13》のオリジナルメンバーであったメアリー・ウォレス・ファンクがこの船で宇宙旅行を初体験したのです。当時の男性優位社会がなし得なかった快挙を、民間の宇宙会社がやってのけました。(とはいえ、ベゾスが目論んだ民間初の宇宙旅行は、ヴァージン創業者のリチャード・ブロンソンが7月10日に急遽実施し成功したことで持っていかれちゃいました。しかもこの機体がカッコ良すぎる!)
また日本でも、ホリエモンの会社として有名なインターステラ社のロケットMOMOが7月31日に3回目の打ち上げを成功させ、下町ロケットの世界は、現実と結びつきました。

すみません!どうしても好きなことは長ったらしく書いてしまいますね。。このように、宇宙は、人間にとって届く世界となってきました。もちろん今は宇宙と呼ばれる境界線(高度100km以上をだいたい宇宙としています)にたどり着いただけで、月まではまだまだかかるでしょうし、火星移住もまだまだ先の現実でしょう。でも、現実をイメージして話されることになってきました。

ということは、人間の暮らす場所は広がっていくということでもあります。人口が増え、快適に住まう場所を広げていかないといけない。そういう本能が宇宙に目を向けるようになったということも考えられますね。

一方、日本だけでなく、先進国と呼ばれる国々では人口が減少し始めています。理由は長くなるので差し控えますが、事実として減少していますね。ここ日本でも、少子高齢化という言葉は日常的に聞こえてきます。と同時に、いわゆる地方都市を中心に人口減少に起因する様々な問題が取り沙汰されるようになりました。その一つに《空き家問題》があります。

新しい住む場所を宇宙に広げようとしている。一方で、住んでいた場所が空いてしまい、その片付けが問題になっている。

なんとも言えない対比ですね。
でもこれが現実です。

これを書いている私も、今は瀬戸内の離島に住んでいます。家は空き家バンクを使って築100年を超える立派な平家の家を月々数万円(都会では駐車場台くらいのお金です)で借りて暮らしています。

空き家、廃校、旧事業所あとなど、いろんな空き家があります。多くが老朽化し、自然の形に返すには骨の折れるものばかりです。
空き家を活用しよう。とはいえ、人口は減っているのです。家はどんどん建つので、住む人がなかなかいない。さて、どうしたものか。

次回のWPHカンファレンスでは、空き家というキーワードから、これからさらに加速するであろう、もう使わなくなってしまう誰かの所有物を、どうやっていけばいいのかを考えていきたいと思います。

ゲストスピーカーとして、現在空き家の活用を事業として取り組む和田さんをお迎えして、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

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WPHカンファレンスはゲストスピーカーの発表をもとに、テーマにそって参加者のみなさんと一緒に議論し、考えを深めてそれぞれの日常に落とし込む対話形式のイベントです。現在はZOOMを活用して、オンラインでコミュニケーションを取りながら実施しています。
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